2:ハー君はどこから
その頃、マンションの近所で猫の多頭飼いの崩壊が
あった。飼い主の急死か破産か、詳細は分からない
が、面倒を見てもらえなくなった多くの猫が近辺を
徘徊し始めた。私もマンションの向かいの駐車場に、
何匹もの猫が寄り集まっているのを見たことがある。
当時使っていたガラケーのカメラで部屋のベランダ
から駐車場の猫たちを撮影した画像データが残って
いるが、あまりにもボケボケなのでチャット GPTで
補正を掛けてみたらこんな画像が現れた(AIすげえ!)
向かって左の茶白がハー君と思われる。
大家さんにも見てもらったがハー君で間違いなかろうと
マンションの駐輪場やブロック塀の上、マンション
前の路上や、裏の別マンションとの隙間にも、気が
ついたら猫がいた。知らせを受けてボランティアの
人たちが捕獲機を設置、何匹か保護したとも聞いた。
当時の我が家には十年近く同居しているキジトラの
まおちゃんがいたので、里親にはなれなかったが、
せめて猫たちが飢えないようにと駐輪場にカリカリ
や水を入れた皿をときどき置いていた。マンション
はペットOKで、猫好きや犬好きが多かったから、
他にも餌をあげている人は何人かいた。自身も3匹
の保護猫を飼っていた大家さんは、入口の共同郵便
受けの下に餌やりスペースとなるトレイを設置した。
マンションから数メートル先は大通りに面していて
車も多い。腹を空かした猫が道路に飛び出して事故
に遭う可能性もあったが、ほとんどの猫は確実に餌
が貰えるので、安全な住宅地の界隈に留まっていた。
餌やりに批判があることは重々に承知しているが、
保護され、里親との縁に恵まれて、完全室内飼いで
暮らせるようになるまで、あくまでも一時的な方便
ということで、マンション住民も、近所の猫好きも、
言わずもがなで付かず離れず、猫たちと接していた。
そしてハー君は、おそらくその猫たちのボスだった。




