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 アレクシオスがルーデルの頭の包帯を解いた。髪の毛が剃られてむき出しになった頭皮の所々に、小指大の大きさの穴が空いている。ルーデルは虚ろなままで反応がない。

 アレクシオスがルーデルの頭に手を当てて、聴診で頭を確認してく。ルーデルの頭蓋骨に穴が空き、その先が何かで弄られている痕跡を見つけた。

(魔人がルーデルの脳に直接何かをして、ルーデルから記憶を奪ったのか?何という残酷なことを……)

 アレクシオスが顔をしかめながら、その手をルーデルの傷口に当てて回復魔法を使う。アストライアもルーデルの近くに来た。アレクシオスが回復魔法を続けながらアストライアに指示を出す。

「ルーデルをここから出すために、行動制御魔法の解呪を行う。僕と君で解呪を重ね掛けすればランク6の魔法でも解けるはずだ!」

 アストライアが頷いた。その時だった。


 ルーデルが呻きだした。その肌に皺が入り、急速に老い始める。ルーデルが呆然とした顔をしながら皺だらけになっていく自分の手のひらを見つめている。

「これは!」

 アレクシオスがルーデルを支えながら周りを見渡す。近くにいたガロがよろけて膝を突いた。ガロの灰色の体毛が急速に抜け落ち始めている。ガロが天を仰ぎながら叫ぶ。

「だから嫌だったんだ!アイツに関わる者は全て不幸になる」

 ガロが黄疸にまみれていく残された片目で、アレクシオスを見つめる。

「お前も、お前らも、不幸になっちまえ……」

 その言葉を最後に、ガロが崩れ落ちた。アレクシオスが支えていたルーデルもその動きを止める。

 アレクシオスがルーデルをゆっくりと床に寝かせてると、急いで立ち上がった。アストライアが立ったまま呆然とした様子で呟く。

「これは、黒魔法の生贄?どういう基準でこの二人が生贄になったの?」

 外で見張りをしていた白魔法使いが部屋に駆け込んできた。

「大変です。突如として、街で多くの人が老化して倒れています!」


 帝都は騒然となっている。パン屋の主人が、いつも日向ぼっこをしている老人が、手癖の悪いスリが、娼館を運営している者が、多くの者が突如として老化したような様子で倒れている。

 帝都だけではない。他の都市でも同様に、悪人や、日常生活を送っていた普通に見える人が老化して果てている。

 それは帝国のみならず、他の国にも及んだ。

 特にグレンフォート王国ではとてつもない被害が発生した。高級官僚や大臣と言った重役のみならず、王族一同も例外なく老化してその命を落とした。


 全て闇ギルドに属していた者たちだ。

 一般人に紛れていた者。犯罪者。貴族。政治家。王族。

 闇ギルドの根は広い。王国や帝都を始めとした、多くの国にその根を張り巡らしていた。

 その総力は、一国にすら比肩するだろう。


 300年前に女王セレナが一国を生贄にして行った、ランク4の黒魔法契約が再来した。

 

 黒魔法使いはランク7で二つ名を冠され、ランク6で歴史に刻まれる。

 そしてランク4は神話の領域。

 神話へと刻まれるに至ったその男の名は、

「魔神」

 

 アレクシオスがその手に持った探知魔道具を握りしめる。その針は真っすぐに、遠くを指し示す。

 神話となる戦いが始まろうとしていた……

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