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転生女神のちぐはぐな世界  作者: スエラ
説明のない説明書
19/53

16、わたせのかがみ出現!



イメージはそれとなく固まった。

このイメージを言葉にのせる。



「・・・・・・出てこい、渡世の鏡。」



何もないはずの足下から水が盛り上がってくる。

その高さは自分の身長の3倍以上あり、失敗したか、と見ていると盛り上がってきた水が絡まり、ねじられ、うねる。そうして、一瞬ふくれたかとおもうと一枚の姿見が現れた。



「これが渡世の鏡か?」



ミズが指先でつつきながら聞いてくる。

そんなこと、自分には分からない上に、答える義理もないのでほおっておく。



「・・・・・・綺麗だね。」



鏡に顔を向けたまま呟く。

現れた姿見は透明だった。

形はおせつの言っていた通り、楕円なのだが、出てきた鏡は湖の水面のように不規則に揺れていた。

鏡面が、水が光に反射したかのようにさまざまな輝きをみせる。

みたことはないが、どんな宝石よりも美しくのでは、と思える。



「渡世の鏡は能力者の奥の奥にある本質を形どります☆」



おせつが腕をパタパタ動かしながら言う。



「そうなんだ…?」



初耳だ。だが、果たしてそれはわざとなのか…ただ忘れただけなのか…



「はい♪ご主人様の鏡はとても美しく、静かであられますね☆」



「美しい……?」



もう一度、鏡に目を向けて見る。



「ボクは薄っぺらに見えるけど。」



確かに、綺麗でいつまでも見ていたくはなるが、揺らぎ続ける様からは存在の不確かさを感じる。

これが自分の本質だと言われると少し疑問を覚える。

だが、何処かでふにおちている自分がいる。ひどい嫌悪感と共に。



「まあ、いいや。で?これ、どうやって使うの?」



「鏡面に触れ、見たいものを思えば後は勝手に鏡がします☆」



ふーん、と言いながら、鏡面に指先で触れる。意外にも水を連想させる鏡は暖かかった。

すると指先を中心とした波紋が広がる。



「芸が細かいな。」



後は、見たいものを指定するだけだ。





(んじゃま、あちらのあたしとミケを。)




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