15、フィクション一筋9年です
「わたせのかがみは世を渡る、と書いて渡世の鏡と呼びます♪」
ふむふむ
ミズと一緒に頷く。
「形は楕円形の姿見です☆たまに長方形の方もいますが。色や装飾は人により変わります♪なので、渡世の鏡は一つとして同じものは存在しません☆」
ふむふむ
さっきまでより格段に分かりやすい説明を頭の中に叩き込む。
「以上です☆」
「「ふむふむ……って、え!?」」
こんな簡単なことでこんな分かりやすくなるなんて!と感動しているとまさかの発言。
何処かでオチがつきそうな気はしていたが、まさかまさかまさか、唐突に終わるとは思わず、ミズと声がハモる。
「どうされましたか?」
「んー、と、出せる気がしないなぁ〜なんて?」
遠回しに言ってみるが、結局どういうものなのか全く分からない。
「言葉にイメージをのせて発すれば、自然にでますよ☆」
簡単に言ってくれる。
イメージと言われても情報が少なすぎる。
先ほど出てこなかったのにこの状態でそう簡単に出来るとは思えない。
「イメージってどれくらいのもんさ?」
「存在が形作られるくらいです♪」
分からない。むしろわかったらすごいのではないだろうか。
だが、これ以上の説明が出てくる気配もない。
「えーい!ままよ!!」
情報がないなら作ればいい。自分の得意なフィクションだ。新しい設定作りなんててなれたものだと自分に言い聞かせる。
―――わたせのかがみーーーーーー渡世の鏡。
世を渡る。・・・・・・世界を渡る。・・・・・・違う世界を、私がみたいものを映す鏡。
連想するのは水鏡だ。
水を通じて遠距離での会話が可能となる、術。もちろん2次元の。
あの世界に繋がっているものがあるとしたら、なんなのだろう。・・・・・・ここには何もない。ただ、白いだけの世界。
(繋がるものがあるとするなら、それは―――)




