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スキル【球術】の俺は、均形鍛冶の少女とダンジョンを攻略する  作者: 昼ライス
3章:流れを繋ぐ者たち

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第98話 役割の形

毎日20時投稿

D級ダンジョンの奥へ進むにつれて、戦闘の間隔が短くなっていく。


通路は広く、敵の数もE級より多い。単体で強いというより、数と配置で圧力をかけてくる。


「左、二体」


カナの声。


エンは頷き、小球を三つ浮かせた。


空中で位置を変えながら、前方へ滑らせる。


敵の進路を塞ぐ。


逃げ道を削る。


動きが鈍る。


ノアはまだ動かない。


槍を構えたまま、位置を調整している。


焦りはない。


以前のように、撃つ場所を探していない。


待っている。


流れが整うのを。


モンスターが横へ逃げる。


そこへ小球が回り込む。


進路が限定される。


カナが前に出て、軽く武器を合わせる。


押し込まない。


動きを固定するだけ。


「今」


短い声。


ノアが踏み込む。


直線的な一突き。


衝撃音とともに、同時に二体が崩れ落ちた。


戦闘は一瞬で終わる。


静かになった通路で、エンは小さく息を吐いた。


「……安定してますね」


「うん」


カナが頷く。


「無理してないのがいい」


ノアも槍を引きながら言う。


「動きやすいです」


それは以前にはなかった感覚だった。


誰かが頑張るのではない。


自然に役割が繋がっている。




次の戦闘でも同じだった。


エンが流れを作る。


カナが崩れない位置を保つ。


ノアが終わらせる。


無理がない。


だから崩れない。


「……前と違いますね」


戦闘後、ノアがぽつりと言った。


「なにが?」


エンが振り向く。


「私が、余ってないです」


言葉は短いが、意味は重かった。


ノアはこれまで、火力が高すぎるせいで扱いづらかった。


撃てる場面が限られ、結果として動きを抑えることが多かった。


だが今は違う。


撃つ場所が自然にできる。


「全部、繋がってます」


ノアは静かに言った。


カナが笑う。


「そりゃそうでしょ。三人でやってるんだから」


エンも少し照れくさくなる。


自分一人で強くなったわけではない。


流れは、一人では完成しない。


さらに奥へ進む途中、別のパーティとすれ違った。


向こうが一瞬、足を止める。


浮かんでいる球を見て、すぐに道を譲った。


警戒というより、認識だった。


「あれがフロウラインか」


小さな声が聞こえる。


エンは気づかないふりをした。


戦闘は続く。


だが、もう慌てることはない。


できることがはっきりしている。


自分が何をすればいいか、全員が分かっている。


それだけで、戦いは驚くほど楽になった。


エンは小球を空中で巡らせながら、ふと思う。


強くなった、というより。


やっと形になった。


そんな感覚だった。


流れは止まらない。


三人の役割が繋がり、戦いは自然に前へ進んでいく。


フロウラインの戦い方は、ようやく完成に近づいていた。


いつもありがとうございます。


面白いと思っていただけたら、

★★★★★評価・ブックマークで応援していただけると嬉しいです。


本作は毎日更新中です。

明日もお待ちしています。


作者の別作です。

現代日本×ヒーローSF

 「魂融合機兵ヴェスパー《HIVE-01》」

蜂型の機兵が侵略者と戦う物語です。

もしよろしければこちらも読んでいただけると嬉しいです。

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