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Aランクパーティをクビになった『動画編集者』がアイドルパーティに加入して無双  作者: 焼屋藻塩
第4章 世界大戦

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第4章 プロローグ

 ベルステイン戦線、最前線。

 聖地ツヴァイの近郊は、魔導兵器の轟音で揺れていた。


「前進せよ! 邪悪な帝国軍の犬どもを根絶やしにするのだッ!!」


 ベルステイン軍総大将、ダラスの雄叫びが戦場に響く。

 ベルステイン軍の攻勢により、帝国軍は壊滅寸前だった。


「ダメだ!もう持たな……ぐあああああああッ!!」


 ベルステイン軍歩兵隊の装備は最新型の魔導銃。

 その殺傷能力は冒険者の装備とは比べ物にならない。

 当たり所次第では、レベル1000の猛者ですら即死する。


 その魔導銃の一斉射撃により、帝国軍兵士が一人、また一人と倒れていく。


 装備の質では、帝国軍兵士は決して劣っていない。

 むしろ、帝国軍の装備は世界一だ。


 だが、何しろ兵の数が違い過ぎる。


 ツヴァイ防衛線を守る帝国軍の総数は8000。

 侵攻するベルステイン軍の総数は10万をゆうに超える。


 ただでさえこの1年、ベルステイン国筆頭の将軍———英雄ダラスの指揮の下、ベルステイン軍は連戦連勝。

 士気の差は歴然だった。


 しかも、ベルステイン国にとってツヴァイ奪還は悲願。

 150年ぶりの聖地が目の前とあっては、ベルステイン兵は末端の兵士までもが鬼神と化していた。


「ダラス中将! 本国より援軍一個師団、到着いたしました!」


 おまけに本国から無尽蔵に支援が届く。

 対する帝国軍は、六国全てを同時に相手取っている状況。

 援軍など送る余裕はない。


「今こそ好機! 全軍、突撃せよ!」


 ベルステイン軍の攻撃は更に苛烈さを増す。

 制空圏をいともたやすく奪い、砲兵部隊、戦車部隊が前進し、帝国軍を蹂躙していく。


「最終防衛ライン……突破されました!」


「嫌だっ……! 死にたくねぇ! 援軍は来ないのか!?」


「来るわけねぇだろ、そんなもん!……ぎゃああああああっ!!」


 阿鼻叫喚の帝国軍。

 一方、ベルステイン軍は余裕だった。


「ははは、わが軍は無敵ですな」


「当たり前だ。軍神ダラス中将の前では、帝国軍の犬などものの数ではない」


 ダラスは鬼の形相のまま、戦場を見据えていた。


「見えたぞ……我らの聖地だ」


 占領した丘を登り、ついにツヴァイを視界にとらえる。

 勝利は目と鼻の先に転がっていた。


「むぅ……」


 ダラスは眼帯を押さえ、空を見上げた。


「中将、どうされました?」


「いやなに、古傷が痛むのでな。空気が湿気るとどうもいかん。一雨来るぞ」


「ははは、これはこれは。わが軍の勝利を祝う、天の恵みの雨でしょうな」


「どうせなら葡萄酒でも降らせて欲しいものですな」


 側近たちは笑いに包まれた。

 ダラスも頬を緩ませながら、感慨深そうにツヴァイの街を眺めた。


「思えば、これまでの道のりは決して楽ではなかった。その苦労も、ようやく報われる」


「中将。ベルステインは、貴方のような無敵の軍神が味方で幸運でした。ツヴァイ奪還も、全ては神のお導きでしょう」


「無敵の軍神、か……」


 ダラスはため息をつく。


「……お前たち、知っているか?実はワシは人生でただ一度、敗北を喫しておるのだ」


「は……左様ですか?それは初耳です」


 ダラスの左目がうずく。


「忘れもしない。8年前……あの"帝国の悪魔"によって、この目を失ったのだ。奴は当時、戦場に投じられたばかりの新兵。今思えば、是が非でもあのとき奴を殺しておくべきだった」


 士官たちは驚いた。


「て、"帝国の悪魔"と戦ったことがあるのですか!?」


「年端もいかぬ少女という噂は、本当なのでしょうか!?」


 ダラスは頷いた。


「ワシの娘くらいの幼女だった。今では恐らく年頃の娘に……」


 そのとき。

 戦場に鐘の音が鳴り響いた。


「な、なんだ……!?」


 戦場に似つかわない神々しさ。

 聞く者の心に安らぎを与える……それはまるで神の祝福。


 鐘の音は、ツヴァイの方角から聞こえてくる。


「しゅ……祝福だ! 聖地におわす神が、我らの帰還を祝しておられるのだ!」


「おお、神よ……! なんと神々しい……!」


 側近たちは歓喜し、涙を流す者までいた。


「ベルステイン万歳! ベルステイン万歳!」


 沸き上がるベルステイン軍。

 しかし———。


「ち、違う……」


 ダラスの掠れた声。

 震えるダラスを見て、側近たちが困惑する。


「ち、中将……!? どうされたのですか!?」


 ダラスは歯を食いしばり、ギッと聖地を睨みつけた。

 遠視魔法は聖地の上空を正確に網膜に映し出し……()()を見た瞬間、ダラスは滝汗を流した。


「そ、そんなバカな……!? 奴は西の果て……ダルク戦線に駐留していたはずだ……!」

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2025年9月10日、注目度 - 連載中で2位にランクインされました!
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