表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Aランクパーティをクビになった『動画編集者』がアイドルパーティに加入して無双  作者: 焼屋藻塩
第3章 S級冒険者選抜大会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

325/347

第325話 異界のボス部屋

 連れ去られたムビを救うため、『四星の絆』の4人は異界へと足を踏み入れた。

 Aランクパーティですら攻略不可能と言われる魔窟。しかし『四星の絆』は、まるで散歩でもするかのように進んでいく。


「おっ! また階段発見♪」


 異界に入ってわずか2時間。すでに第9フロアへ続く階段に到達していた。

 古びた石段を下りながら、ルリが鼻歌交じりに言う。


「異界って聞いてビビってたけど、案外大したことないね♪」

「いえ、本来なら人類史に刻まれるほどの偉業ですわ。ただ、私たちが強くなり過ぎただけです」


 魔眼でムビの魔力の痕跡を追いながら、サヨが淡々と告げる。


「やっぱそうかなぁー? しかも、異界の魔物を倒したら、さらにレベルが上がったし♪」


 異界に入る前、シノとルリのレベルは150と180。

 今では200と230に跳ね上がっていた。


「ユリとレベルおそろー♪」

「いぇーい、私たちレベル230族ー♪」


 肩を組むユリとルリを見て、シノが頬を膨らませる。


「ずるいです。私も、早く230になりたい」

「あはは、このフロアの魔物の経験値は、シノに全部あげるよ♪」

「言いましたね? 絶対ですよ?」


 ユリとルリのレベルは230で並んでいたが、実際のパラメータには大きな開きがあった。

 ルリは聖装のバフの恩恵で、実際の戦闘能力はレベル300に匹敵する。

 ユリはそれに加えて2つ目の聖装のバフ、さらに覚醒したスキル"剣神"のバフによりレベル600台相当のステータスを持つ。


 サヨも魔眼覚醒によりレベル500相当。

 結果として、シノとルリがパーティ内で最弱という、常識外れの状況になっていた。

 もっとも、2人ともAランクパーティを単独で蹴散らせる強さなのだが。


 第9フロアに降り立った4人の勢いは、相変わらず止まらなかった。


 迷路のように入り組んだ道も、サヨが罠を全て看破しながら、ムビへの最短経路を示す。

 遭遇した魔物は破邪の剣で全て無力化し、シノの経験値へと変わっていく。


「ありましたわ。第10フロアへの階段です」


 あっという間に階段を見つけ、4人は下っていく。


「楽勝だったね♪」

「次は第10フロア、ボス部屋です。気を引き締めましょう」

「へ……? ボス部屋……?」


 ルリが素っ頓狂な声を上げる。


「高難易度ダンジョンは、10フロアごとにボス部屋が設置されています。恐らく、異界も同じでしょう」

「異界のボスって、やっぱり強いんだよね……?」

「当然です。これまでの魔物とは比較にならないはずです」


 緩んでいた空気に緊張感が走った。

 階段を下った先に、ボス部屋の扉が鎮座していた。


「やはりありましたね。気を引き締めてかかりましょう」


 全員で扉を開く。

 ボス部屋には、巨大なドラゴンの姿があった。


「ド……ドラゴン……!?」


 初めて見る、本物のドラゴン。

 ルリの声が震えた。


「グオォォォッ!!」


 咆哮がフロア全体を揺らし、パラパラと天井から破片が落ちてくる。

 魔物の中でも最強の種族。

 その佇まいは威厳と迫力に満ちていた。


「さすが異界……最強種がボスですか。油断せずいきましょう」

「燃えてきたぁーっ! 私が切り込むから、みんな続いて!」


 ユリが前に躍り出る。

 ドラゴンと『四星の絆』が対峙した。


「さぁ、行くぞドラゴン!」


 破邪の剣が抜かれた瞬間———


「ギャアアアアアッ!」


 ドラゴンは苦悶の叫びを上げ、地面に転がった。


「……え?」


 固まる4人。

 初めて出会った最強種は、じたばたと藻掻いている。


「もしかして……破邪の剣が効いてる?」

「まぁ……ドラゴンといえど魔物ですから……」


 シノがぴょんとドラゴンに飛び乗る。


「えーい」

「ギャアアアアッ!?」


 シノにタコ殴りにされ、ドラゴンはそのまま倒された。


「うーん、何だかなぁー……」


 ユリは渋い顔をしていた。


「破邪の剣、最強過ぎない?」

「道端に経験値が転がってるようなものですね」

「別にいいんだけど……もっと、ちゃんと戦闘したいっていうか……」


 シノはステータスウォッチを確認し、ぱぁっと顔を輝かせた。


「やったぁー! レベル250になってる♪」

「「な、なにぃー!?」」


 一気にレベルを追い抜かれ、ユリとルリが揃って叫ぶ。


「ちょ、シノずるい! 今度は私がレベル上げる!」

「ユリはもう十分でしょ!? 次は私の番だって!」

「ルリはもう50レベル上げたじゃない!?」


 言い争う2人を、サヨがたしなめる。


「こらこら、喧嘩してる暇はありませんよ。早くムビさんを助けに行かないと」


 一行はボス部屋の奥の宝物庫の扉を開く。


「おぉーっ♪ 一体どんなお宝が……って、あれ?」


 中には、下へ続く階段と、空っぽの宝箱があった。


「あの女狐が既に回収済みのようですね」

「そうだよね、リリス様が先に来てるはずだもんね」


 空の宝箱を見ながら、シノが呟く。


「冷静に考えて、リリス様って魔眼なし、破邪の剣もなしで、たった1人でムビさんを抱えてここまで来たってことですよね……?」


 それが一体どういうことか。

 ここまで進んできた4人にはよく分かる。


「あの女狐こそが、最大の脅威でしょうね。当然、破邪の剣は効きません。まだ私たちはノーダメージですが、魔力の回復はこまめにしておきましょう。いつ遭遇するか分かりませんから……」


 サヨの言葉に、緊張感が走る。

 4人は気を引き締め、第11フロアへの階段を下っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2025年9月10日、注目度 - 連載中で2位にランクインされました!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ