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Aランクパーティをクビになった『動画編集者』がアイドルパーティに加入して無双  作者: 焼屋藻塩
第3章 S級冒険者選抜大会

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第316話 『Mtube』の創設者

 秘密結社『両面宿儺』のボスと対面した『白銀の獅子』の一行。

 ボス、ミナリィから告げられた驚きの事実に固まった。


「え……『Mtube』を、作った……?」

「そ。『Mtube』にアカウント持ってる人は、リアルで特定できるんだ。管理者権限の魔法でね♪」


 ミナリィは細めた目を、ゆっくりとゴリへ向けた。


「ゴリくん……いや、ウホホ氏? ぼくは寛容だから気にしないけど、一応『Mtube』にもコンプライアンスがあるんだよ? あまり過剰な下ネタコメントは控えて貰えないかな?」


 リゼとマリーのゴミを見るような冷たい視線がゴリに刺さる。

 顔を赤くするゴリに構わず、ミナリィは楽しげにコメント欄を読み上げ始めた。


「えぇーっと、何々?『顔がエロい』、『デカπ揉ませろ』、『孕ませたい』……」

「い、言わないでくれーーー!!」


 ゴリが悲鳴を上げる。

 ドン引きのコメントだが、ミナリィの口調は世間話でもするように軽やかだ。


「あはは。でも君のそのリビドー、嫌いじゃないぜ? その熱量は、こっちに吐き出してくれると嬉しいな♪」


 ミナリィが笑って見せた画面に表示されていたのは———闇の動画サイト『Dtube』だった。

 リゼが息を呑む。


「まさか、『Dtube』を作ったのも……!?」

「そ、私だよーん♪ ちなみに、こっちで登録者数1位の『カルマ』も私ね♪ リゼたんはゲロッグとの動画で、一時期大バズリしてたよね! いやー、あれは見事な動画だった♪ 開発者冥利に尽きるよ」


 歯を食いしばるリゼを無視して、ミナリィが続ける。


「元々作りたかったのは、"D"の方なんだよねぇ。でも、いきなり"D"を出すと動画文化そのものに悪い印象がついちゃうでしょ? だからまずは"M"を広めて、十分世の中に浸透してから"D"を出したんだぁ♪」


 ゼルは内心で唸った。


(なるほどな……。『Dtube』と『両面宿儺』は繋がっていると思っていたが、まさか『Mtube』まで……。世界を裏で操ってるって話も、嘘ではなさそうだな……)


 ゼルは問いかける。


「それで……俺たちを呼んだ理由は何でしょう?」


 ミナリィは「あっ」と手を叩いた。


「そうそう! 君たち今、クローディア王国のS級選抜試験に出てるんだろ? 大したものじゃないか♪ ぼくも、ほんのささやかながらエールを送ろうと思ってね」


 ミナリィが指を鳴らすと、4つの武器が空中に現れた。

 溢れ出る魔力に、ゼルは息を呑む。


(こ、これは……まさか……!?)


 次にミナリィから発せられた言葉は、ゼルの期待通りのものだった。


「皆に魔装を用意した♪ 良かったら受け取ってくれ♪」


 ゼルは溢れる笑みを抑えきれなかった。

 一方、ノームは慌てふためく。


「よ、よろしいのですか!? 幹部候補とはいえ、新入りに貴重な魔装を……!?」

「いいっていいって。固いこと言わないの♪ それから、もう1つプレゼント」


 再び指を鳴らす。

 現れたのは、拘束された巨大な虹喰いスライム4体だった。


「そいつで経験値稼ぎな♪ 君たち、今レベル400くらいなんでしょ? 討伐すればレベル600くらいにはなるんじゃない?」


 前回よりさらに一回り大きい虹喰いスライムが、拘束から逃れようとジタバタしていた。

 ゼルは歓喜のあまり体が震え始める。


「はは……ははは……! ありがたき幸せ! 必ず、恩に報いてみせます!」

「ふふ、頼むよ? これは非常に重要な任務なんだ。いいかい? 君たちの優勝がどれほど重要なのか、ぼくが直々に教えてしんぜよう♪」


 ミナリィは指を立て、目を細めた。


「ぼくたちの狙いは———クローディア王国の滅亡なんだ」


『白銀の獅子』の4人全員に衝撃が走った。


「お、王国の滅亡……?」

「そ。帝国と王国の小競り合いを全面戦争に発展させたいんだけど、第六王女リリスが邪魔してるみたいで。リリスを囲い込むためにも、彼女の直属のS級冒険者を『両面宿儺』で固めたいのさ♪」


 ゼルは問う。


「なぜ、クローディア王国を滅ぼそうと……?」


 別に、国を哀れんだわけではない。

 地位と金さえ保証されるなら、国の存亡などどうでもよかった。

 純粋な興味以外の何物でもない。


 ミナリィは軽く笑う。


「そろそろさ、勇者たちが転生してくる時期なんだよね」


 勇者という単語が出てきて、4人はポカンとした。


「勇者……?」

「そう。千年前、魔王軍を壊滅させた4人の人間たち。転生の周期は千年だから、そろそろ来そうなんだ。ひょっとしたら、もう転生している可能性もある」


 ゼルはミナリィの話についていけなかった。


(転生だと……? 本気で言っているのか?)


 魔法ですら転生は不可能とされている。

『両面宿儺』特有の、宗教的な教義だろうか。


「その……仮に転生が本当にあるとして、クローディア王国に転生してくる根拠は……?」

「あー、信じてないなー! どんな魂も、千年周期で転生を繰り返しているんだぞー?」


 ミナリィは頬を膨らませた。


「転生と言っても、前世と同じ種族・同じ人種でなければ転生できないんだ。千年前の勇者一行はクローディア人だったからね。だから今生の転生先もクローディア人以外ありえないのさ」


 ゼルは首を傾げながら、さらに問う。


「はぁ……。それにしても、仮に転生してくるとして……何か、不都合があるのでしょうか?」


 ミナリィは不敵な笑みを浮かべた。


「あるともさ。ぼくの本名は『両面宿儺』。魔王軍の幹部、唯一の生き残り。勇者一行は、魔王様を討った、にっくき仇ってわけさ」

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2025年9月10日、注目度 - 連載中で2位にランクインされました!
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