第2-91話 エルフィレンナでのお仕事
「団長大丈夫かな? 体調面が心配……」
『ふぅ……。お、アレン。おまたせ』
「団長‼ おかえりっす‼」
俺は起きたばかりのルグアに手を振る。傷跡は消えていて、多分自分で治癒魔法を使ったようだ。
というより、よく埋め込みしてもらいながら喋れるな。俺無理無理。そもそも受けたくない‼ 罪人なりたくない‼
それに脳内にも埋め込んでたよね? ものすごい痛苦しそうな声出てたけど‼ あと、脳内に埋め込んだやつヤバそう……。
致死率高いんだよね? それ団長耐えられるのかな? そこも心配‼ 俺マジ恐怖‼ 危険人物認定したいけど、俺の彼女にできっこない‼
「ああ……。脳のやつは取り外し不可との事だ。リアルにも反映される可能性もあるから、爆弾の寿命が尽きるまで放置だな」
「放置ってうっそーーーん……。団長あれで良かったんすか?」
「ん? 結果オーライって感じかな? そこまで恐怖は持ってないし。これで2回目だし」
「で、ですよね……」
「まあ、前回より数多いから、その分身体が重だるいってとこだ。移動速度への影響はない。そろそろ一発目が……」
一発目って爆破すんの? どこで?
「頭の方だが……」
「頭吹き飛んだりしないっすよね?」
「そこまで威力ねぇよ。安心しろ」
いや、安心できないんすけど‼ 言動に怯えてる感がない。めっちゃ淡々としてるし。頭どうかしてんじゃね? やっぱり。
ルグアの身体。どうなっているんだろう? どこまでもMだからなぁ……。非常識すぎる……。
そんな俺の妄想タイム中に、ルグアは一発を目喰らったようで……。
「思ったよりも爆破ダメージ少ないな……。司令官が言うには、アルヴェリア内最凶レベルの猛毒を使用。
高濃度でブレンドしてるらしいが……」
「アルヴェリア内最凶レベル? 最強じゃなくて?」
「最凶だな。死刑囚用の即死爆弾だよ。通常なら胸に設置。脱獄したり少しでも寝ようとすれば……」
「すれば?」
「命が尽きるまで爆破し続けるそうだ」
怖ッ‼ 死ぬまで爆破って残酷すぎなんすけど‼ ってか、アルヴェリア内最凶猛毒って、どれくらい致死率高いんだろ?
即死だから、触れて終わりとか? どこで生産しているのかな? 触れたくないけど。
「その原料はここで生産している。それに今日の仕事場は、原料の植物に関する内容だからな」
「なるほど……」
「私は門番代理だから、現場の方でお別れだ。ま、仕事終わりに寄ればいいさ。寝てるかもしれないが……」
やっぱり寝るんだ……。永続爆破ダメージ受けながら……。それがルグアだから、あまり気にしないでおこう。気になるけど。
こうして、俺とルグアは手術室を離れ、仕事場に向かう。一種の職業体験感覚で参加するから、不安と好奇心が混ざり合っていた。
移動を開始して着いた場所は、大きなビニールハウス。このハウスの中で、最凶植物を栽培しているのだそう。
「ここでの作業期間は3日間。ロムとメルフィナ、担当者のリナも一緒だから」
「質問はリナさんにすればいいんすね」
「そう。じゃまたあとで」
「頑張ります‼」
◇◇◇数時間後◇◇◇
「メルフィナさん‼ ロムさん‼」
「ちょっとアレン君声大きいわよ?」
「一つミスったら大変だからね」
「すみません……」
初日の仕事は植物の葉を切る作業。植物の名前はわからないが、ギザギザの葉が特徴の植物だった。
外側からは想像できない広い屋内。ここにいるのは、俺とロム、メルフィナ、リナの四人だけ。他は誰もいなかった。
「みんな早朝から神経質な仕事でゴメンねぇー‼ この仕事ってできる人少ないのぉ‼」
「リナさんノリノリっすね‼」
「ノンノン。リーちゃんって呼んでよね♡」
「は、はぁ……」
(なんか麦畑での雷夜みたいなんだけど)
***リアゼノン第十二層***
『そうだ‼ 第十七層にある酒造工場の親方さんから、麦を納品するよう頼まれてたんだった‼ みんな、ボクのお手伝い聞いてくれるよね?』
もちろん手伝うよ。互いに顔を合わせて、早速作業に入った。雷夜は人からエネミーに変更。手際よく長い尾で刈り取っていく。
刈り取った麦は全て背中に乗せられ、器用に尻尾で束を作る。目は顔だけで後ろが見れないため、ノールックだ。
***麦の刈り取り後***
時間が無いのでクリムが熱気で急速乾燥。仕事が早すぎて、仮想バッグに入れるのが大変だった。
『よーし、あとは任せて♡ 種をこうやってぇ~。えいっ‼』
尻尾の先に種の袋を突き刺して、勢いよく振り回す。種は均等に散らばり、一瞬で種まきが終わった。
『あとは、ボクにしかできない裏技でぇ~。ぐんぐん育ってね‼ なんちゃって、アハハ♡』
呪文のような言い回し。畑を見ると麦が急成長して、収穫できる状態に……。裏技スゴすぎ……。
『2周目いくよぉ~‼』
***現在***
ってな感じに、ひたすら働かされた。
「懐かしいなぁ……」
「もう、アレン君なに思いふけった顔して。軽い罰ゲームで痛い目見るわよ」
「軽い罰ゲームあるんすか⁉」
「メンゴメンゴ‼ アレンくんには説明してなかったね♡ ちゃんと仕事しなかったら、深夜も働くことになってるの。
もちろん、仮眠厳禁ね。仕事量での競走はないから。自分のペースでいいよん♡」




