第2-88話 アレンと合流。そしてリフェリアへ
◇◇◇明理目線 アグマ活火山◇◇◇
「よし。えーと。あとはここをこうして……」
〖ルグア殿?〗
「クリム。もう少しだけ待って」
〖うむ……。ちょいとな……〗
「これで大丈夫かな? 何? クリム?」
〖いやのう……。その格好で燃やされてどう感じとるんか、気になっただけじゃよ……〗
私はクリムと二人でイフリートの返答を待つ。イフリートが怒りをぶつけてから、何度も声をかけてるけど、無反応。
金縛り状態と推測し、それを解除するための方陣。組んだのは久しぶりのため、成功するかはわからない。
〝リアゼノン〟第五層でも蘇生用方陣を書いて、兄の娘を回復。発動には書いた本人の手助けが必要なので、私のHPを消費した。
今回は金縛り対象の変更。もちろん反映対象は私になっている。もしイフリートが金縛り状態ならば、成功時に私が金縛りになる仕組み。
「しょうがないもんね……。異常状態の対象を変えるしかないから。その分防御力ガタ落ちになるけど……。特異点魔法も不可だし……」
どうしても助けたい。イフリートを。誰がどのようにして、汚染させたのだろうか? そこが知りたい。
裏になにかがある。アレンと合流して帰るだけだが、この世界も救いたい。だから、バレンを呼ぶことにした。
――〖……誰だ?〗
「……ッ⁉」
――〖儂の領地で何をしている〗
「もしかして、イフリートさん?」
〖ようやくじゃな……。長らく待っておったわい……〗
――『〝名も無き緋龍〟か……』
〖今はちゃんと名もあるがの……。〈クリムゾン・ドラゴン〉という名が……。ルグア殿が与えてくれたんじゃ〗
――『良きかな良きかな』
「見た目そのままだけどね」
やっとイフリートが反応してくれた。どうやら覚えてくれてたようだ。しばしの雑談を挟み、方陣の最終調整。
金縛り状態は間違っていなかったらしく、発動においても承諾をもらった。会話もとても弾んでいて、クリムもニコニコ笑っている。
「これで調整終わりっと。じゃ、発動するよ‼」
『ルグアだんちょーーー‼』
「アレン‼」
このタイミングで到着するとは……。私は急いで装備を戻す。裸は見せたくない。そして、方陣発動による金縛り。
ギューっと締め付けられるが、動けなくはなさそうだ。私ならなんとかなる。あとは汚染を浄化するだけ。
「その……どうしてガデ……」
「ルグアさん‼ 来ちゃいました‼ ちょっといいですか?」
「ガデルさん何するんすか?」
「いいからいいから‼」
――Z+魔法 ステータス・リライト‼
「作者も特異点魔法使えるってマジっすか⁉」
「ふふーん。いいでしょ?」
「あのなぁ……。ま、感謝はするけど……」
ガデルが来るとは思ってなかった。加えて彼女の新作魔法。どうやら情報書き換えのようで、私の金縛りが消える。
イフリートも怒りを抑え炎が鎮まっていく。晴れた場所にはバレンの顔もあり、しっかり連れてきたようだ。
「っで、なんでバレンさんなんすか? 俺なんもわからないんすけど……」
「そうだよな。おーい。イフリート聞こえるか? 救世主が到着したから、場所を教えてくれ‼」
――『ならば、儂から赴いても良いぞ?』
「そうか。じゃ頼む」
「団長も人任せとかあるんすね。メモっとこ……」
「変なのメモるな‼」
「いいじゃないっすかぁ‼」
「チビが……。チビじゃねぇ……」
バレンがこぼした言葉、変身魔法で高身長になった私が、不思議なのだろう。呼び方に悩まされているようだ。
実際、本来の私はチビだけど。それは、私が低身長なのが理由。今現在の見た目にチビは合わない。
「なら、そのままチビでいいよ。この見た目はアレンのリクエストだし」
「そっかチビ。全然チビじゃねぇが……」
「そろそろイフリートが到着するみたい。バレンあとよろしく」
「んあ? 何がしてぇんだよ‼」
「汚染されたイフリートの浄化」
少々、単刀直入に言い過ぎたかもしれない。けど、理解はしてくれたようなので、イフリートを待つ。
にしても、さっきからダラダラしすぎてる。待つこと以外に何もすることがない。せめて、なにか敵でもいればいいのに……。
「暇っすね……」
「だな……。一旦ロムとメルフィナの場所まで戻るか?」
「リフェリアっすよね?」
「そう。ガデル。バレンのことお願いできるか?」
「任せてください‼」
ということでガデル達二人を活火山に残し、私とアレンはドワーフに現状報告。高速でリフェリアに帰る。
想定より時間の流れは遅かったようで、外はまだ暗かった。ロムとメルフィナも起きてはいないだろう。
「なんか……。ヒヤッとしないっすか?」
「そうだな……。風邪引かないようにっと……」
「ちゃんと対策ってことっすね」
「必要ないけど形だけでもさ」
「なら、俺もお願いしやす‼」
「わかった。もうすぐ目的地だけどな」
それでも、私はアレンに適応魔法を使う。これは温度差を和らげる魔法。まだ十六歳で子供のアレンは、もじゃもじゃ頭を掻きむしる。
そんな彼がとても可愛かった。
「日が昇るまで寝るか……。さすがに私も疲れた……」
「添い寝しちゃいま……」
――ボゴンッ‼
「もっと大きくなってからな。それまで却下だ」




