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第2-36話 せめて恩返しを……みんなに

※加筆しました。

「バトルスタート‼」


 チェリスの号令で始まるギルド対抗戦。やはりぶつかり合いからのスタートで、戸惑う俺はもみくちゃにされる。

 風魔からは能力の使用を禁止されているので、俺は剣も何も使えない。使えるとすれば拳だけ。リゲルは不参加なので、交代も不可能だ。


「突っ立ったままでは狙いの的。動け‼ なんでもいいから考えろ‼」

「風魔さん。なら……。剣がないなら槍で行きゃす‼」


 俺は神槍〈エレネス・ランス〉を装備する。この槍はリゲルの物。少しの間だけ借りて戦う。元々俺は槍使い。ルグアからコツも教わっている。

 まずは視野を広く見る。敵はどんな相手でも不規則に動く。槍の横スライドだけでもダメ。縦スライドだけでもダメ。突き攻撃だけだと隙が多い。

 前進移動は素早く。後退移動は余裕を持ったバク転。高さが足りなければ、槍の先が地面に触れてバランスを崩してしまう。

 左右の反復移動は横スライドを加えて、攻撃回数を少しでも増やす。


(槍は最低でも、横1、縦1、斜め1、正面2。回転させれば攻撃回数を大幅に増やせて、ガードも可能だけど、相手の行動への対応が難しくなる)


「なあに考えてんだい。ズルギルドの団長さん。殺っちまうよ」

「『そうだそうだ‼』」


 敵ギルドが俺に向かって威嚇をしてくる。久しぶりに槍を使うのだから、復習くらいはしておきたい。再び前を見る。そして、


「俺一人で全員相手してやってもいいっすよ‼」

「あ、アレン急にどうしたのよ?」

「チェリスさん。違うんです。自分でもわかっているように、確かに俺は要領が悪い。取捨選択もできない。戦いも、能力を使わない限り下手。俺の思考の初期ステータスも、みんなより劣ってる……」

「あんた、ほんと何言ってんのよ。突然過小評価しだして……」


 動揺する気持ちはわかる。上手く言葉を整理できていないのも知ってる。けれども、一度頭の中を空にしておきたい。


「友達もいない。家族も話を聞いてくれない。俺以外のみんな楽しそうに話してるけど、俺の話を聞いてくれる人は、一人しかいなかった。けど、このゲームで一緒にやり取りしてくれる人が増えて……。まだ、満足できるだけの恩返しができていないから……」

「なんか、悲しそうなんだりょん……」

「だから。俺一人で戦いたい。俺一人で戦わせてほしいんすよ。みんなの団長っすから」


 なんとなくだけど、なんとか言いたいことを言い切ることができた。ルグアと離れ離れになってから、自分が満足できていない。

 俺がやりたいことは、能力とかでズルのない戦い。風魔が能力使用不可と言ったことで、愛剣はロックされてる。

 槍の動きの復習も終わった。あとは仲間からの反応次第。俺は一緒に活動してきた仲間を見る。きっとこれからも世話になるだろう。


「なるほど、そういうことだったのね。わかった。みんな、ステージから降りるわよ‼」

「え?」

「もうなによ『え?』って。存分に戦って来なさい。あとはあんたに託すわ」

読んでいただきありがとうございます。


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