第2-31話 スカーレット・ブレード
◇◇異世界アルヴェリア リゲル目線◇◇
「おーい‼」
『ちょっとルグア声大きい……』
「んな、明理別にいいだろ。こんくらいはよぉ……」
これはまた僕の夢なのだろうか? 現実でアレンが鬼と戦っている最中に、このようなことになるとは……。
どうやら夢の続きのようで、今いる場所はルグア。すなわちフォルテの友人がいるという洞穴の中。
通路もしっかり整備されており、空洞も広い。地下空間であるためか、優しく吹く風。話し声は、反響するかのように音が小さくなっていく。
「風魔‼ 雷夜‼ いるかぁ‼」
ルグアが誰かの名前を叫ぶ。それは、リアゼノンで聞いたことのある名前。奥から現れたのは一人の少年だった。
「久しぶり雷夜」
「お久しぶりです。ルグアさん。それに明理ちゃんも、隣の子は誰かな?」
「ん? ああ。紹介しねぇとだよな。すっかり忘れてたぜ……」
『ルグアったら、わざとらしいよ?』
「バレたか……」
『長い付き合いなんだから当然でしょ?』
「そうだったな。すまなかった。ってなわけで、ライナス城第三王子のマークリゲルだ」
「ご紹介ありがとうございます。ルグアさん」
一昔前の懐かしい会話。ことを返せば、僕はここではじめて、雷夜達と出会っていた。そして、ここに来た理由が。
「んで、雷夜。風魔に武器の強化を頼みに来たんだが……」
「うん。それなんだけどね。ここでは強化素材が入手できないみたいで……。ふうにい困ってた。〝幻龍石〟がほしいんだって……」
まるで、おつかいでも頼まれたような。そう読み取れる雷夜の言葉。風魔が求めていた幻龍石は、確かアレンが持っていた。
そして、その幻龍石は、リアゼノンという世界で風魔が預かり、強化が進んでいる模様。僕の記憶が現在と繋がっているなんて……。
僕は、アレンに呼び出されるのを感じながら、再び故郷に別れを告げた。
◇◇◇第二十層 アレン目線◇◇◇
「これでいいはず。アレン。強化が終わった。名称も変化しているらしい。名称確認すればわかる。できるだけ軽量化も試してみた」
俺は、風魔に強化してもらった〈クリムゾン・ブレード〉を手に取る。名称が変わっているので、〈クリムゾン〉というのは旧名。
名称は武器ステータスで確認できるから、早速メニューを開いてみる。その様子を風魔は眺め、強化具合をメモ書き中。エネミーなのに武器強化できるのは、とても不思議だった。
『よかったですね。アレンさん』
「おはようリゲルさん。起きてたんすね」
『ええ。実は、この件のことを過去に親分と話していたようで、一人思いふけておりました』
「なるほど」
そんな〈クリムゾン・ブレード〉は、ルグアから譲り受けた物で、剣自体が使用者を選び、重量感も桁違いの特殊な武器だ。
「えーと、名称は……〈スカーレット・ブレード〉? っでいいんすか?」
「そうらしい」
相変わらず冷たい風魔。っていうより、自己主張ないの違和感しかないじゃん‼ まあ、それが風魔なんだけど。
こうしているよりも、早く鬼を倒さないと、鬼は外福は内‼ 疫病神は消えてしまえ‼ って、恵方巻きないじゃん‼ また食べたいなぁー。
恵方巻きを食べる時は、おしゃべりしちゃダメだからね? わかっていると思うけど……。まだ八月だし。早く二月にならないかなぁ~。
「アレン。ヨダレを垂らす暇があるなら、手足を動かせ。そのヨダレに何の意味がある?」
「そうっすね。皆さん交代行きます‼ 恵方巻きはそれからで‼」
いかがでしょうか?
今年の節分は2月3日。方角は北北西だそうです。早めの節分ストーリー楽しんでいただけましたでしょうか?
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