第2-30話 隠し球
――『……風魔‼ あとは頼んだ‼』
「フンッ……。言われるまでもない。最初からそのつもりだ。アレン。オマエの剣をもう1段階上げてやる。しかし、それには幻龍石が必要……」
「幻龍石って」
過去に俺は聞いたことがあるアイテム名。それはチェリスと第一層に落ちて、ダンジョンを再攻略している時だ。耐暑装備を手に入れるために、鉱山でのクエストへ行った時のこと……。
***第二層 武器工房***
『なんだ、その七色に光る鉱石は?』
七色の鉱石? 工房のテーブルをよく見ると、一つだけ存在感のある物があった。
アイテムのメニューをひらくと、名称部分に"幻龍石"という文字。レア度も桁外れの20ランクだ。
『アタシも初めて見たわ……。ベータテストの時はなかったもの……』
ベータテスターでも知らないって、俺ラッキーボーイ? 絶対そうだよね?
『〝幻龍石〟は、伝説級の武器を持つ者だけが、掘り当てられるんだ……。まさか、実物を見る日がくるとは……』
『このクエストに、こんなイベントがあったなんて……。あんた、やるじゃない』
******
俺は急いでストレージを確認。大切にしまっていた〝幻龍石〟を取り出し、風魔に見せる。七色の輝きは、入手した時から変化はない。
このアイテムがどうして必要なのか? そもそも、どうして俺だけが、〝幻龍石〟を掘り当てることができたのか。それが不明のままだった。
「まさかすでに所持していたとは。ことが早い。今から強化に入る。〈クリムゾン・ブレード〉と〝幻龍石〟を。鬼の方は問題ない。暴風で拘束しておく。それまでオマエは自分を見詰め直せ」
「そうですそうですよ‼」
「レンレンは休んでおけおけオッケー♡ あとはウチらに任せて‼」
「ガロンさん……。フランさん……」
「強化が終わったら教えてくださいね。それまで私が相手をするので」
「セレスさん……。みんなさんありがとうございます‼」
どんな時でも俺は助けられてばかり、心配させてばかりの日々。毎日恩返しできるようになりたい。できるようになって団長として活躍したい。怯えていたら意味がないと思う。
俺を置いて、風魔が起こした暴風の中に入るセレス達。強化が終わるまで、何もすることがない。リゲルにも無理はさせたくない。
「何もすることが……。いやいやちょっと待って。あるじゃん‼ 俺にできることあんじゃん‼ 本日2回目の特異点魔法‼」
――Z+魔法 エレメンタル・フィールド‼ グレードα‼
「皆さん‼ 些細なことでしかないっすけど、俺からのプレゼントです‼ フルステータス上昇バフを付与したんで、時間稼ぎお願いしゃーす‼」
読んでいただきありがとうございます!!!!
ようやく第1章で登場したキーアイテムを再登場できました。まだまだバトルは続きます。




