第2-25話 不可能を可能にする思考力
「アレンさん、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫って?」
「なんか顔色が悪いように見えてしまうのです……」
「そう、っすか?」
ガロンが俺の顔を伺いながら問いかける。何か悲しいことがあっただろうか? チェリスと別れたのは、自分の意思だから関係ないはず。
しかし、それ以上に悲しいことは何も起こっていない。なのにどうして、顔色が悪いと言われたのだろうか? 俺には何もわからない。
「そんなことより、鬼退治だよぉ~。お・に・た・い・じ‼」
「フランさん。まだ鬼とは決まっていませんよ」
「そうですよ。アレンさんも同じこと考えているはずです‼」
楽しそうに話す女子三人組。そして、そのやり取りに追い付いていない俺。リゲルは完全に見物者枠で、アドバイスをしてくれない。
ルグアは、どうだか知らないけど、『自分で考えて行動しろ』とでも言いたいのだろう。自己判断が曖昧な俺には、ここで突っ立っていていいのだろうか?
なんか忘れている気がする。大事なことを忘れている気がしてしまう。なんのために……。
『アレンさん。子供達はどうされるのですか。先程から迷走しているのではと思いまして……』
「そうだった。なんか、皆さんに会えたのが嬉しくて……。大至急行くっすよ‼ めんどくさいんで、女子三人背負って行きゃっす‼」
「まるでモードレさんなのです‼ 安全走行希望なので、ほどほどで大丈夫ですよ?」
「いやいやいやぁ。せっかく誘っているんすから」
ということで、俺の上に三人乗車……。ではなく乗人してもらい、しっかり掴まっているかを確認した後急加速。ボスのオーラを追いかける。
さすがに三人は厳しいかと思ったが、ルグアの言う通り、思考力でカバーすればなんとかなりそうなので続行。
けど、どうして思考力なのだろうか? その言葉の意味がわからない、意味がわからずとも、意図が理解できないのだ。
過去に思考力で突破できたこと……。最初に思い出したのは、はじめて高速移動できた第十一層。次に振り出しに戻った後の第三層ボス。
第十七層のレーザースカッシュゲーム。そして、第十八層でのゲリライベント。どれも思考力でカバーしたことで、できないと思っていた事を突破することができていた。
(これってもしかして……)
「できると思えばできるってことっすよね……。できないと思っていれば何もできない……って……」
――『どうやら気付いたみたいだな。私が伝えたかったことはそういうことだ。もっと自信持っていいんだからな。男なら胸を張れって……。そんで、お前をギルドリーダーにしたんだしさ』
「えっ?」
――『おいおい、その反応はないだろ……。ほら、障害物にぶつかっても知らねぇぞ‼ 前方に観覧車だ』
「あ、あざっす……」
こうして、なんとか障害物を回避する俺であった……。




