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第2-21話 ゲームなのに戦車出てきたんすけど⁉

『リゲルさん。交代っす‼』

「かしこまりました」


 俺はリゲルと交代すると、武器を槍から剣に変更。ツバメの動きは不規則で、前方を塞いで爆弾を落とすこともあれば、真横に落とすこともある。

 ツバメが前方に集中した時は俺が、真横に集中した時はリゲルが中心に弾く。交互にチェンジを繰り返し、前へ前へと進む。

 着弾した直後に飛び散る火種は、俺のアバターに触れた瞬間、微量な麻痺毒で一時的に身動きが取れなくなる。それでも、ボスに接近を続けて距離を詰めていく。


「爆弾が危なすぎなんすけど。今HPは……。最大値が3200で、残り1200……。ってほぼないじゃん‼ 死ぬ死ぬ死ぬ⁉」

『アレンさん。取り乱しては何も起きませんよ? 数字に囚われすぎだと思います。もう少し肩の力を抜いてみてはいかがでしょうか?』

「け、けど……」

『焦りは禁物です。落ち着いて次につなげた方が、得が多いのでは? たしかにアレンさんの戦い方は、間違いなく有利に進めると感じています。私事ではありますが、人の意見に耳を傾けてもいいんですよ? 全てが思い通りにいくなんて、無いに等しい」


 そういえば、ルグアが第二層で戦っていた時、思うように攻撃できていないシーンがあった。きっと、彼女が思い描いていた展開と違っていたのかもしれない。

 降りしきる爆弾豪雨の中で、落ちる障害物を避けながら、脳内で話を続けるリゲルの声を聞く。


「ルグアさんのように多方面で活躍できる方もいれば、ガデルさんのように特定の物事に長けている方もいらっしゃいます。得手不得手も人によっては種々様々。もっと多く、そして広く世界を見てもらいたい。僕なら指揮を執ることも可能ですので、何なりと……』

「リゲルさん。俺が自分のことばかり考えてたせいだ……。こんなんじゃ、風魔さんに『リーダー失格』と言われてもおかしくないっすよね……」

『ええ。間違いなく親分の言葉通りだと……。チームのリーダーであり、ギルドの団長であるならば、全体を統一できるだけの能力を兼ね備えなければなりませんからね』


 リゲルが言ってることは、全てごもっともだった。仲間に助けてもらわないと戦えない俺。でも、リゲルの意見を聞こうとしていなかった。完全に忘れていた。一番近くにいるのにも関わらず。

 一人で責任を負って戦おうとして、数字に囚われてパニックを起こす。こんな俺では何もできないじゃん‼ どうにかしないと‼


 ――ズガガガガガガガガガ……。


「えっ?」


 ――ガガガガガガガ……。ガシンッ‼ グウォーーン……。


『この音は一体なんでしょうか?』


 ゲームでは聞き慣れない、自衛隊でよくありそうな音。その主を探すと、そこには大量の戦車が隊列を組んでいる。

 隊列を引っ張る一台のコックピットが開き、顔を出す一人の女性プレイヤー。ギラりと目を光らせるその人は……。


『アレンがなかなか帰って来ないから、来てやったわよ? い~~~~~ぬ♡♡』


 チェリスだった。ってかなんでこんなとこに戦車があるんだよ‼

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