第15試合の前に―― コンビニなどの商品活用 15
審査委員長は想の方から去っていった足で7人目の香理の所に行って柔和な笑みを浮かべる。
「どちらかといえばつまめるピザについて聞こうか。これはトースターじゃなくてオーブンの最低温度で作ってみるのはダメかな!?」
「オーブンの方がピザっぽさが増すかもしれませんが、この大きさですからね~」
ついフレンドリーな話し方をしちゃったと気付いた香理が返答を言い直す。
「使う生地を考えるとトースターやグリルを使う方が失敗しないで済みそうな方法です。私は何度か作ってみての実感からそう感じていて」
「そうなのか、良くわかった。こういう調理器具1つ取っても使いやすいかどうかなどあるからね」
そして最後にこれを作ってくれた者だな、ちょっとした意見を伝えようと炊飯器のボタンでフタを開け、作った本人の込流と目を合わせた。
「炊飯器に着目したのは時短したいからかな?」
「その理由もありますけど、いくつかある理由の1つにすぎません。最近は炊飯器活用の幅を広げたいと思っています」
込流の答えに満足した番参審査委員長だが、まだ聞き足りない部分があったようだ。
「ふんふん、ところで青じそちらし寿司のような見た目結構豪華っぽくなる料理を思いついた理由なんてあるかの?」
質問に対して込流がこうした理由だったかなというものを語る。
「特別な日のみに作る家庭も多いと思うんですよちらし寿司は。1年の中で数回程度ならわざわざ作るなんて面倒と層もいるかと。そういう層にこんな簡単な作り方もあるんだよって教えたくて」
作り終えた全員の料理を思い浮かんだ時の話や、料理を作ってみた時の動機、こういう食事風景を意識してなどいろんな理由があって聞いているだけでも面白さがあった。
そろそろ番組終了しても良さそうだと判断した番参審査委員長が清に声をかけて審査席に戻る。その行動を見て時計に目をやった司会の命みことが番組終了の挨拶をする事にした。
「ちょうど良い頃合いでしょうか? まもなく番組終了に移らせて頂きたいと思います。今回のSP番組の試みはいかがでしたか!? 視聴者様方のご意見をお待ちしております」
出演者全員でカメラに向かって視聴者などへ感謝を込めた一礼をしている場面で番組が終了した。
~~帰り道にて~~
先に帰り支度を終わらせた奏が皆の事を待っている。もちろん調料学園研究部の先輩と幼なじみな彼女《有音》と話す帰宅時間も楽しいんだけど、たまには他の出演者達と話せたりすれば楽しいんだろうなと思ってはいる。だが、今回もそのチャンスはないようだ。高美は司会の人達と次回以降の何らかの話をしているのでわかるが、込流は野菜作りのため、すぐ帰宅。小学生組の想と香理は良く番組スタッフ達に可愛がられているから帰宅が遅め。そういう理由から帰宅時間が合わないのである。
「奏、ボーッとしちゃってどうしたのよ?」
どうやら有音と先輩達も帰りの準備が整ったようだ。いつも通りの4人で楽しく今回の番組について会話しながら帰宅しようと考えを切り替えた。
「今回の番組は冒頭からいつもと違って何とも言えないワクワクドキドキがあったね」
話をふられた有音が今日の番組内容を思い出して笑みを浮かべる。
「そうね。あれは驚きだったもの! スタジオそのものを仕掛けに使うなんて思わなかったわ」
そこに元気よく真奈と風良両先輩が会話の輪に入って来た。
「ケーブルテレビ料理番組として普通に稼ぎ頭らしいけど、今日は変化に富んだ趣向だったらしいわね」
「聞いた話によると、今回も好評だったそうだよ。皆にもコンビニまたはスーパーの食材を購入したら一工夫して欲しいな」
調料学園料理研究部の4人で今回の番組で起きた事について盛り上がる。自分達だけでなく、他の出演者達の品々で勉強した面々であった。
次回から通常の試合形式に戻ります。
よろしくm(__)m
年始の更新予定は不明です。出来ない可能性あり……




