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素材令嬢〜今世は全力で楽しませていただきますわ  作者: MagicFactry


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7/20

7話 お兄様と仲良くお出かけですわ

私のお兄様ーーアーク・ガルディアは見目麗しい天才でした。


お兄様が学園から一時帰宅したその日の夕食。

家族が久しぶりに揃って食事となった。


ーーお兄様初めてなんだよね、どんな人なのかな


足取り軽やかに食堂に入るルティ。そこには既に兄が来て座っていた。


「お兄様…初め…じゃなかった、おかえりなさいませ」


「…ああ、ただいまルティ」


ふっと笑うアーク。まじまじと観察してしまう。

綺麗な赤い瞳。すっとした鼻筋。口元は大きく笑いはしないが、爽やかな笑みの形をしている。ルティと似た髪色の髪も、サラサラしている。


ほんとに赤い瞳なんだなー。しかしイケメンだな、おい。これでまだ15歳かー。モテモテだろうなあ。ルティと兄弟とは思えないほど、雰囲気があるね子だね。


椅子に座り、しばしアークと話しをしながら、両親を待っていた。


「すまない、待たせたかな?」

「お待たせしたわね、さ、お夕食にしましょう」


両親が揃って食堂に入ってきた。

しばし食器音が響き、デザートや紅茶が出された頃、ガルディア伯爵が話始める。


「アーク学園の方はどうだい?」

「問題ないです」


伯爵の問いに少しそっけなく感じる返答をするアーク。

しかし、伯爵は嬉しそうにうんうんと頷く。


あ、元々こんなクールな感じなのね。


「確かそろそろ課題を出されている時期じゃない?」


アナストリアがそう続ける。

伯爵がそうだなと、さらに大きく頷く。


「課題は決めているのかい?」

「はい。そのために明日は市場へ行こうと思っています」


…市場?!ひょっとしていろんな素材が見られるかも!?


「わ、私も一緒に連れて行ってください!」


そうアークに懇願をするルティ。

アークは、ルティを見やり少し考え、両親を見つめる。


「…まあ、アークと一緒なら…」

「あなたからそんなことを聞くのは初めてね。ミリアも一緒に気をつけていってらっしゃい」


アークと両親から無事了承を得たところで、就寝時間となり、ルティは部屋へと戻っていった。


「…何か、ルティ雰囲気変わりましたか?」

「そうねえ、少し、いえ、大分ね」

「あのくらいの年の女の子は数日で見違えるほど変わるんだなぁ」


そんな会話をしているとは、つゆ知らずのルティであった。


翌朝、身支度を済ませて、準備万端のルティは玄関の前でアークを待っていた。

そばにはミアナも控えている。


「待たせたな」

「大丈夫ですわ」


支度を整えたアークがやってきた。

後ろには腰に剣を携えた、背の高い男性が一人。


「ルクレティア様、本日は私も共に参ります。キルス・レバテインと申し訳ます」


以後お見知り置きをと、ルティに対して丁寧な綺麗なお辞儀をする。


「ルクレティア・ガルディアです。こちらこそよろしくお願いいたします」


ミアナにも丁寧に自己紹介をしている。

ちょっと絵になる二人だなあ。


真面目な人なんだなあ。騎士様って感じねえ。


挨拶が終わったところで、市場に向かおうと歩きを進めるルティたち。


「お兄様は、何か探し物があるのですか?」


市場に向かいながら、横を歩いているアークに、気になっていたことを尋ねるルティ。


「学園の課題があってな、それに提出するための材料を探しているんだ」

「材料ですか!?それはどんな?!」


なんだろう、そう言えば魔法学園に通ってるって前に言ってたわよね。材料って何か作るのかしら、魔法具かしら、それとも薬?どんなものを使うのかしら!


頭の中にさまざまなものが思い浮かぶ。

アークがふっと笑う。


「ポーションの材料だ」

「ポーションきたー!」

「お嬢様」


思わずあげてしまった両手をそっと下ろす。

少し前を歩くキルスさんが、ぷっと吹き出すのが聞こえた。


「まずは懇意にしている商人の店に行って、その後はルティがみたいものを見に行こう」


少しだけ微笑みながら、ルティに告げるアーク。

道を歩いている人たちの中に、その微笑みに見惚れる人がちらほら。


イケメンパワーつよい


程なくして『リンモ商会』と、書かれた看板がかかっている大きな店に着いた。落ち着いた品のいいお店だ。


「これはこれはアーク様」

「お久しぶりです。学園の課題用の材料を買いに」


アークがお店のものと親しげに挨拶を交わす。

ふ、とルティに気がついた店のものがアークに尋ねる。


「そちらの方はもしや…」

「私の妹のルクレティアです。ルクレティア、こちらリンモ商会会長の、リンモさんだ」

「初めまして、ルクレティア・ガルディアです」

「ご丁寧にありがとうございます。リンモ商店の

マグ・リンモと申します。どうぞリンモとお呼びください」


一通り挨拶を済ませて、奥のスペースに通され、カモミールティーを飲みながら商談を始める。


く、やっぱり薄いか…なんでなんだろうなあ。


「課題の材料ですと…ポーションですか?」

「はい、学園の課題でいくつか作成の必要がありまして」


しょんぼりしている横で話が進み始める。

と、リンモさんの顔が曇り始める。


「大変申し訳ありません。実は在庫切れの商品がありまして…」

「珍しいですね。リンモさんが品切れなんて」


実は…と話始めるリンモさん

どうやら、飛び込み客がなにやら慌ててとある商品を買い占めていったそうだ。

佇まいや話し方から、おそらく中央都市の貴族か、それに準ずる方ではないかとのこと。


「どうやら、うちの商会だけでなく、別の商会でも同じようなことがあったらしく…」


「少し気になりましたので、お耳に入れて置いていただけますと助かります」

そうアークに告げたリンモ。

アークが頷く。


「父に伝えます。今ある材料は後ほど取りにきますので、置いておいていただけますか」

「ありがとうございます。かしこまりました」


リンモさんにそう告げ、立ち上がるアーク。


「すまない、ルティ。急ぎ家に帰り父上に報告する。買い物はまた今度付き合うな」

「わかりましたわ」


なにやら不穏な空気になってきたなと思いながら、挨拶も早々に、兄達の後ろを一生懸命についてゆくルティであった。

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