↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
素材令嬢〜今世は全力で楽しませていただきますわ  作者: MagicFactry


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/20

第4話 管理はきちんとなさりませんと

叫んだものの、あえなくお稽古の時間が来てしまったルティ。

整理は、次の日の午後に持ち越された。


「今日こそは!きちんと確認して、整理して!あの子たちをあのままにしておくなんて、出来ないわ!」


そんな決意を胸に、再び保管庫にやってきた。


「ヴィル、今日はよろしくね」


「はい、お嬢様」


管理役のヴィルの他に、数名の使用人をお母様がつけてくれた。

ありがたい、整理には、時間と人手が必要になる。


まあ、お稽古ごととか、やらなきゃいけないことの隙間の時間だけだけど…!

お嬢様のスケジュールは、みっしりしてるのだなと、身に沁みてきたルティであった。


「まあ、今日は、ざっとほこり払いと、全体のものの確認かしら」


段取りをつけていくルティ。

ヴィルを見上げて、


「宝石などの、一覧表を見せてください」


「かしこまりました」


大きな本を手に取って、作業台に広げてくれる。


「こちらが、宝石に関してのものです」


「他のものはこちらです」

そういって、薄いクルクルと巻かれた巻物を開いてくれた、お手伝いの使用人ーーハンス


「ありがとう」


何か…大分差があるなあ。

そう思いながらも、顔には出さずに、資料を読み進めていく。

自分が読んでいる間に、保管庫のほこり払いをお願いしておいた。


「まずは、宝石からね」


よくまとめられている。

産地、種類、色、大きさ、数…。

ルクレティアは、きちんと勉強をしていたようで、読み書きに困ることは、今のところない。


「ヴィルは宝石に詳しいの?」


「は、はい。生まれが宝石商の三男でした。三男なので別の仕事を、と思いこちらでお世話になることに」


なるほど、知識と取り扱いの深さを買われたのね。

だからこそ、これだけきちんとまとめられてるのか。


「先日商人から買い取った宝石、お嬢様が仕分けをして下さっていたので、整理が楽でした。助かりました。ありがとうございました」


…?

なんかよく分からないけど、とりあえず笑っておこう。

にっこり。


では、次にその他の子たちねー


薄い巻物を広げて、読んでいく。

…ん?

んん?


「見事にごちゃ混ぜね」


あの棚の状態を見た時から思ってはいた、管理が行き届いていないのだろう。


ヴィルは、少しバツが悪そうに頭をぽりぽりかきながら言う、


「宝石以外は、その、あまり知識がなく…」


詳しい人がいない状態での管理のようである。


「それは大変ですね」

「専門の方に、協力をお願いしたりなどは?」


「お嬢様」

ミアナがフルフルと頭を振る。


「そんなことを、大ぴらにすると、伯爵家は周りに軽く見られてしまいますわ。そんなことも他に頼らなくてはならないのか、と」


えええ。

思わず大きく口を開けてしまう。

おっとはしたない。慌てて手で口を押さえる。

お母様がいなくてよかった。


「分からないことは、専門家に聞くのが1番だと思うのに…」


貴族めんどくさいな。


「なら、専門家を雇うのは?」

「いないわけでは…ないですが…」

「薬師や、錬金術師は、国や、貴族に雇われているのですよ」


「野良の薬師や、錬金術師がいないわけではないのですが…」


ヴィルやミアナが交代で丁寧に教えてくれる。

要するにこうだ。

・薬師、錬金術師は、国や貴族に属している。

・雇われていない薬師や錬金術師、いないわけではないが、年老いて引退した身だったり、雇われるほどの知識がないもの、詐欺師だったりする

・薬師や、錬金術師の知識は、国の預かるところで基本非公開が原則


と、まあ、知識が広まらないようになっているわけである。


「なるほど…」


「分かっていただけましたか?」


こくこく頷きを繰り返し、1人納得するルティ。

その様子を見て、ほっとした顔を隠さないヴィル。


「つまり、私の思うままに、整理してしまって良いってことね!?」


勝手な結論をつけて、整理していくことを誓うルティであった。


「今日はまず、全体に何があるのか、照らし合わせしましょう。あるものと、ないものを書き出して行くの」


ルティは、水を得た魚のように、指示を出して行く。

使用人たちは、苦笑をしつつも、それぞれ動いてくれた。


指示を出したあと、またもやお稽古の時間が来てしまい、使用人たちに跡を任せ、本日の予定を終わらせたルティ。

ミアナにカモミールティを入れてもらい、夕食を待つ間、今日の報告を聞いた。


「一通り確認が終わったようです」


ミアナが、ハンス達がまとめてくれた、新たな資料を手渡してくれた。


なになに、青い鳥の羽 5、茶色の糸 8…

なるほど、これがどんなものか分からないと、そうならざるをえないよねえ。


これは、腕が鳴るわねえ。

くふふと、ほくそ笑みながら読み進める。


ふ、と手が止まる。

カモミールの花 50とある。


「カモミールそんなにあるの?お茶用?」


「あ、はい。お茶用は、台所で保管しています」


なるほど、食用は別にしてあるのか。それは安心だ。埃をかぶっていた棚を思い出し、安堵する。


「そんなに購入してるのねー」


ふとしたつぶやきにミアナが答える。


「いえ、カモミールは、庭で育てたものでございますよ」


庭で育ててる!?

資料からガバっと顔をあげ、ミアナに体ごと向ける。


「ミアナ!私ちょっと外に…!」


「お嬢様、そろそろお夕食のお時間でございます。それにこの時間に外に出られるなど…」


にっこり笑顔で制されるルティであった。

子どもの身が…辛い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。