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素材令嬢〜今世は全力で楽しませていただきますわ  作者: MagicFactry


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3/20

第3話 夢の保管庫を探検ですわ

 夢のような時間を過ごした翌日。

魔法具について、色々聞くことが出来た。


「それでは、本日は、8代王の治世について、学んでいきましょう」


ルティの歴史の先生の、ヴァディス・ガロガン。

人の良さそうなおじいちゃんだ。

ルクレティアの記憶の中にも、怒った姿が見てとれない。


でもなんか凄みを感じる時があるのよね…


全く知らない世界の、国の歴史…あまり興味ないなあと思いながらも、ふんふんと聞いていると、耳に飛び込んできたのが。


「…また、8代目王の王妃は、魔法具の作成技術を確率したことでも有名です」


…ん?


「魔法具!?」


ガタンと、勢いよく思わず立ち上がる。


「おやおや、ルクレティア様、お行儀がよろしくないですよ」


にこにこしながら、たしなめる。

瞳の奥は、笑っていない。

椅子に座り直し。


「…申し訳ありません」


「言葉遣いのお勉強は、捗ってるようですね」


怒らないんじゃなくて、わかりづらく怒っているだけな人だった。

まだ実感がわかないが、伯爵令嬢の専属の先生が、ただの人の良いおじいちゃんのわけがなかった。


しょんぼりと項垂れていると、コホンと咳払いをするおじいちゃんーーヴァディス先生。


「ルクレティア様は、魔法具に興味があるのですな。さすが伯爵と奥様のお子ですなあ」


嬉しそうに微笑むおじいちゃん先生。

では、少し魔法具についてお話ししましょうか、との言葉。

居住まいを正して、熱心に聞き、質問をしていると、あっという間に勉強時間が過ぎてしまった。


有意義な時間はあっという間に過ぎてしまう。

どうやら聞いた話をまとめると、

・魔法具は、8代王の王妃が作り上げたもの

・魔法具は、魔法に長けたものがつくれる

・魔法具の核となる部分は宝石

・宝石が大きくなればなるほど扱いが難しくなるが、それだけ強力になる

・貴族の娘が魔法具の作成をするのは、嗜みの一つ

・小さな宝石のカケラを貴族が買い取り、魔法具にして販売するというのは大事な仕事

・魔法具作成のための場所や、保管庫が、貴族の館には備わっていることが多い


「お母様が魔法具作成に長けた方だなんて!」


アナスタシアは、その能力を活かし、伯爵夫人でありながら、度々魔法具を作成し、国に役立てているらしい。


そうなるとーー


「保管庫!保管庫があるはず!!」


全力で保管庫を見つけなければ!

ときめきが私を待っている!!


「ルクレティアお嬢様、お食事の時間でございます」


…とりあえずご飯を済ませてから。


無事、少し薄味の昼食を終えて、食後のカモミールティーを入れてくれている、ミアナに聞いてみる。


「お母様の魔法具の、作業場や保管庫って見られるかしら?」


全力の笑顔で、こくんと小首をかしげる仕草をしてみる。子どもの可愛らしさを存分に使ってみた。


「お伺いしてみますね」


ミアナはそう言って、入れてくれたカモミールティーを机に置き、部屋を出て行った。


あああ早く!早く!見たい!触りたい!かぎたーい!


程なくして、作業場と保管庫を見られることになった。胸の高鳴りが押さえきれないルティが、前世よりも短い足で道を急ぐ。


「夢かしら」


作業場には、机の上にケースに入った宝石のカケラや、作業に使う道具だろうか?

きちんと並べられて置かれていた。


作業が完了したのか、キラキラとした宝石がついた、指輪や、ネックレス、腕輪などたくさんのアクセサリーが置いてあった。


「これが魔法具?」


「はい、左様でございます」


魔法具の管理、保管を任されている使用人のヴィルが答える。


「保管庫は隣にございます。宝石以外の品は、さらにその奥です」


ーー宝石以外?


保管庫は、夢の世界でした。


棚に種類別に並べてある、数々の素材。

宝石はいうに及ばす、羽、木、石、糸、布、草、花…ありとあらゆるものがそこには並んでいた。


ふ、と目頭が熱くなり、一筋の涙が流れた。


「お嬢様!?大丈夫ですか?」


「大丈夫、ちょっとほこりが入っただけ」


慌ててそう誤魔化すが、よく見ると、宝石の棚は整理が行き届いているが、そのほかの棚は少し雑な印象を受ける。


ルティは、奥の棚の部屋にスタスタと入っていった。


これ、は。

確かに、一見整理はされている。

しかし、宝石と比べるとあまりにも、それらは煩雑すぎた。

羽は一纏めにして容器に入れられ、布はぐるぐると1つ1つ纏めてられているが、よくよく見れば、素材が違うものがまとめて束ねられているものもある。

草花は、色別で分けられているが、あきらかに違う種類のものが混ざってしまっている。


「なんって、なんってこと」


体がブルブル震えている。


「お嬢様!?本当に大丈夫ですか?!」


お部屋に戻りましょうと、ミアナが促そうとしたその時、


「整理!整理しなおします!!!」


声の限り叫んだ、ルティなのであった。

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