18話 人の噂も75日ですわ?
「ねえねえ聞いた?あの噂」
「聞いた聞いた。細工師の申し子みたいな子が、1年生にいるって話でしょ?」
「え、私は未来の王家御用達の商人が、1年生に入ったって聞いたよ?」
「あれ、私が聞いたのと全然違う!なんでも、夜な夜な水辺にだけ咲く花とか、緑色に光石とかを探し回る魔物が出たんですって!」
学生達は刺激に飢えているのか、そんな噂がいろんな学年で駆け巡っていた。
今日も授業が終わり、3人で中庭へと向かうルティ達。
「やー2人も聞いた?例の噂話」
「聞いたわ。あれってひょっとしなくても私たちのことよね?いろんな尾鰭がついてるけれども」
少し眉をひそめて言うソフィア。
どことなく嬉しそうでもある。
「なんか・・・私だけ毛色が違う噂なんだけど・・・」
うなだれるルティ。
魔物って・・・魔物って・・・。どんな魔物かしら!?
あまり落ち込んではいないようである。
「やー参っちゃうねえ。嬉しいけど、私まだ商人になるって決めたわけじゃないんだよなぁ」
嬉しさを隠さないミト。
「マリアンヌ様の件が、何処かから広まったのかしら?」
「でしょうね~。みんな大人しくしてるけど、噂話大好きだから」
「まあ、そんなことより新作のお茶をどうぞ。季節に合わせて、少しブレンドを変えてみたの。ミアナが焼いてくれたクッキーも合わせて召し上がって?」
いただきます。と新作試飲会が始まった。
「あ、美味しい。なんだろう以前よりすっきりしてる感じ?」
ソフィアが一口飲んだあとそう言った。
「そうね、爽やかな味がほのかにして飲みやすいわ」
ミトもうなづきながら味わっていた。
2人の感想を聞いて、ふふふと笑みをこぼすルティ。
「喜んでもらえてよかった。そうなの、その爽やかな味はね、ソントって言って、それ単体だと、すっきりしすぎてるから、他と混ぜ合わせると、爽やかな味が楽しめるの」
で、このソントなんだけどね。お茶としても楽しめるんだけど、薬としても用いられてて、最近だと、3年前に・・・・
ルティの素材話に、うんうん、そうなのねーと相槌を打ちつつ、お茶とクッキーを楽しんだソフィアとミトであった。
「それで、あの部屋の片付けは、ルティがやることになったの?」
「そうなの!先生にお願いしたら、やっていいって!」
「よかったわね。私もあそこの品はちょーっと気になったのよねえ」
いたずらっぽい笑みを浮かべるミト。
一通り食べ飲み終えて、一息ついた3人。
先日の掃除をした部屋を、ルティが掃除することになったことを話始めた。
「そうね。ほら、素材採集の先生ってルード先生だって前に話したでしょ?素材の勉強にもなるから、ちょうどいいってことになったの。ただ、隠し棚の中は、全部先生達が持っていってしまったんだけどね」
あそこが!1番みたかったのに・・・!
悔しさを滲ませるルティ。
「それでもたっくさん気になるものがあったから、ふふふ、次の素材採集の時間が楽しみでならないの!」
はにかむような笑顔を2人に向けるルティであった。




