15話 友達思いの公爵令嬢ですわ
「少し、よろしいかしら?」
金色の美しい縦ロールを靡かせながら、その人は現れた。
「はい、なんでしょうか」
何やら見覚えがある令嬢。・・・そうだ、王子の妃候補の1人の、マリアンヌ・サルントール嬢だ。
「私は公爵家のマリアンヌ・サルントール。ルクレティア・ガルディア伯爵令嬢で間違いなくて?」
「はい、初めまして。マリアンヌ様。ルクレティア・ガルディアです」
「初めましてではないのだけれど・・・。まあ、いいわ。単刀直入に要件を伝えますわ。あなた達の作られた品を、3つとも購入させていただきたいのよ。よろしくて?」
『・・・はい?』
ルティ、ソフィア、ミト、3人の心が1つになった瞬間であった。
「こちらよ、どうぞお座りなさいな」
詳しく話を聞くために、サルントール嬢の部屋に行くことになった。
まって、あちこちに素敵な装飾品が・・・!ちょ、あれファーランじゃない!?隣国から手に入れたのかな!?
「ルティ、キョロキョロしない、失礼よ」
「そ、そうだよ、ルティ。お、落ち着いて」
「ルクレティア嬢、あなた本当に伯爵令嬢?ソフィア嬢が困っているわよ。ミト嬢、あなたも落ち着いて、大丈夫よ」
ルティは、貴族令嬢とはかくあるべきと、マリアンヌにたしなめられる。出されたお茶とお菓子をいただき、落ち着きを取り戻した3人。
「それで、作品を購入したいとのことですが・・・」
ミトがおずおずと切り出した。
「そう、この間の展示会の品、見事なものでしたわ。実は、私を昔から支えてくださってる三つ子の友人達がそろそろお誕生日ですの。みなさんの作品を大層気に入っているようでしたので、それを差し上げたいと思いまして」
いかがかしらと、マリアンヌが言う。
「光栄です」
ソフィアが嬉しそうに笑う。
「はい、もちろんです!」
ミトも間髪入れずに答える。
「良かったわ」
マリアンヌは嬉しそうに笑い、紅茶を一口飲む。
「もちろん大丈夫なのですが、ご友人方の髪の長さや髪色などは大丈夫なのですか?」
ルティは、気になったことを聞いてみた。
「長さは大丈夫よ。髪色は・・・本当は違う色がいいんだけれども・・・」
「それでしたら、新しいのを作るのはいかがですか?ねえ、ソフィア、ミト」
わくわくしながら提案をするルティであった。
「嬉しいけれど、本当によろしいの?」
マリアンヌが、恐縮しながら聞いてくる。
一度、素材などを持ち込むため、仕切り直し、次の日にまた、マリアンヌの部屋に集まった。
「ええ、作れて嬉しいですわ」
「また3人で、何か作りたいと、話していたところだったんです」
「それより見てください。どの素材になさいますか?足りなければ採取に行きますわ!」
ルティの言葉に苦笑しつつも、心からのお礼を言うマリアンヌであった。
「んー、まとめると、髪の長さは、背中ぐらいまでの方がお1人、肩より少し下の方がお1人、私と同じくらいの方がお1人。髪色は薄い緑。顔立ちはキリッとされている、と。」
ミトがまとめたものを、あらためて読み上げる。
「普段されている髪型は、どんな風にしているのですか?」
ルティが質問をする。
「そうですわね。1番髪が長いサリーナは、髪をあげていることが多いですわね。ミリーナは、一部分を括ることが多いですし、リリーナは特につけてることは見かけないですわ」
マリアンヌは、少し考えて答える。
「普段そのようにされているなら、同じ結び方ができる方が、長く使っていただきやすいですわね」
ソフィアがそんな提案をする。
「でもそうすると、間に合わなくなるのではなくて?」
「大丈夫です!ソフィアはすごいですから!私達も手伝えるところは作りますし!」
「せっかくのプレゼント、最高のものを差し上げましょう!・・・では早速、どれをお使いになります?薄い緑とのことだったので、白系の花や宝石を持ってまいりましたわ。クールビューティー系とのことでしたので、いっそのこと黒系もあうと思うのですわ」
「あなたって方は・・・」
ルティの言葉に感動したが、畳み掛けるように喋り始めたルティに苦笑するマリアンヌであった。
「では、色は白を基調にして、濃い緑をいれたものにして、留め具は2つはまとめられるものを、1つはピン留めでよろしいですか」
「ええ、ありがとう、お願いするわ」
「まずはデザインを今日中に考えますので、明日また確認してください」
「ソフィア素材足りなそうなら言ってね?すぐとりに行くからね?」
こうして、プレゼント大作戦は始まったのである。




