14話 嬉し恥ずかし展示会開催ですわ!
「はい。実際に身につけていただけます。よろしければお試しになりますか?」
「ええ、展示品と、私達がそれぞれ身につけているもの、みなさまにお試しいただくものを作りました」
「バラの花びらは、一つ一つ加工を施して、縫い合わせてありますわ」
とうとう、展示会が開催された。
「みなさま、本日はようこそお越しくださいました。学生達がそれぞれ自分達の出来ることを考え、行動し、出来上がった作品です。ぜひお楽しみください」
校長先生の挨拶から始まり、たくさんの人が入る。
誰でも入れるとはなっているが、そこは貴族もいる学舎、招待券を持っている貴族の家族や、商人、王国勤めているものなどが来る。
やはりというか、上級生の作る作品は、もはやプロと言っても遜色のないものも、ちらほら見うけられた。
参加者は、最初は、ゆかりのある学生の作品を見てから、上級生の作品へと流れていく。これは毎年のことらしい。
ルティたちも、作品の近くに必ずいなくてはいけないわけではない為、他の学生の作品を見に行った。
「すごい!この素材いったいどうやって手に入れたのかしら・・・」
「なるほど、こんな見せ方があるのね・・・」
「なんて細かいの・・・私なんかまだまだだわ・・」
作品は、本当に多岐に渡っていた。
自分で仕留めた魔物の素材を飾っているものもいたり、魔術具を出しているもの、学生らしくレポートを出しているもの。
上級生になると、役割を分担して連携するものも多くなるのか、大きな作品も多かった。
「二人とも見てこれ!この縫製の仕上げの美しさ・・・、素敵ねえ」
「空間自体を、演出として利用してるのね。うちの店でもやってみようって提案してみようかな・・・」
「あれも、これも、あ、あれも見たことない素材!すみません、少しよろしいですか!?」
3人それぞれ、大変充実した時間だった。
「さすが上級生達、どれもすごかったねー」
「本当に、私ももっと頑張るわ」
「あの素材の話、もっと聞きたかった・・・」
話しながら、自分たちの展示物の前に戻ってきたルティ達。何やらざわざわと賑わっていた。
「ルティ、戻ってきたな」
「・・・お兄様!?お仕事は?!」
「昼休憩だ。すぐに戻る」
「お忙しいのに・・・。きてくれて、ありがとうございます」
「いや、学園生活は楽しいか?」
「はい、とっても!」
アークはふ、と笑い、ルティの頭を優しく撫でる。
アークは、ソフィアとミトの方を見る。
「暴走しがちな妹だが、よろしくお願いする」
『は、はい』
二人とも、緊張しているのか、そう返事をするので精一杯なようだった。
「失礼する、ルティまたな」
「お兄様、ありがとうございました」
ふ、と優しい笑みを浮かべ、仕事に戻っていったアーク。
少し離れていた人々が、途端に近づいてきた。
「アーク様の妹御でしたか!」
「ガルディア家御息女でしたのね」
「何を作られたの?見せていただける?」
アークの影響力により、急に忙しくなった3人であった。
「やー、さすがアーク様だねえ」
「たくさん試して貰えたわねー!」
「・・・二人とも、迷惑かけてごめんね」
アークに引き寄せられた人達が去ったあと、お茶を飲みながら一息ついた3人。
ルティは2人に向かって、詫びの言葉を口にした。
ミトとソフィアはキョトンとした顔をし、ぷっと笑い出した。
「迷惑なんてそんなことないよ!やーさすがアーク様、流石の影響力よねえ」
「お陰でたくさんの方に見ていただけたわ」
にこにこと笑いながら、むしろお礼をいうミトとソフィア。
改めて二人と友達になれた喜びを噛み締めるルティであった。
そんな3人のやりとりを、遠くから見ているものがいることに、気がつく人はいなかった。
「みなさまお楽しみ頂けましたでしょうか。生徒の作品を購入したいなどありましたら、学園へご連絡ください」
校長先生の閉会の言葉で、長いようで短かった展示会が終了した。
「いやー、楽しかったねえ」
「本当に。また3人で何か作りましょう?」
「いいわね!次はどの素材を使う?!」
片付けながら、展示会など関係なくもう次の作成品の話を始めた3人なのであった。




