13話 みんなで一つのことを作り上げる・・・素晴らしいことですわ!
「ルティって、意外と不器用よね」
「ミト!ルティそんなことないわよ。ゆっくり、一つずつ一緒にやっていきましょう?」
「・・・はい」
ここ数日そんなやりとりをしている私達であった。
きっかけは、とある日の先生からのお知らせだった。
「学園生活にはどのくらい慣れたかな?来月イベントが行われるよ」
先生が、そんなことを説明し始めた。
説明をざっくりまとめると、以下の通りだった。
・展示会開催
・開催時は、外部の方も入れる
・1人で作成してもいいし、複数人でチームを組んで作成してもいい
・作成品は割となんでもいい
・将来につながるので、上級生はめちゃくちゃ気合いが入る
「・・・ねえねえ、いっそのこと3人でチームを組まない?」
ミトが、私の手元をチラッと見て、そんな提案をした。
「それいいわね。楽しそう」
ふふっと笑うソフィア。
「そうね!それぞれの得意分野を担当しましょう!私は素材を集めるわ!何が欲しい?何を作る?」
手元の作りかけの何かを、そそくさしまいこみながら、畳み掛けるように二人に聞くルティ。
その後、一旦気分を変えて中庭にある隠れ家のような場所に、お茶やお菓子を持参した3人。
「それで、何を作る?どんな素材が必要?足りなければ採集に行くわ・・・!むしろ行きます!」
「ルティ少し落ち着いて。はい、深呼吸」
「そうね、何がいいかしら。あと2週間ほどだし、授業などもあるから、時間が限られているしね」
すーはーすーはー。
入れてもらったカモミールティーを一口。うん、美味しい。
「2週間だものねえ。作成はソフィアに中心になってもらうとして、大きなものは流石に難しいでしょう」
「そうね・・・。二人は例えばどんなものが欲しい?」
「そざ・・・「素材意外でね」
遮られてしまった・・・。そうだなあ。
「学生時代友達とお揃いのペンケースとか、化粧ポーチとか持ってたなあ・・・」
「ペンケース?」
「化粧ポーチ?んー学園内は持ち歩きあまりしないのが原則だしね」
「あとはみんなで、お揃いのシュシュとか作ったなあ」
「シュシュ?」
「んー?聞いたことないわね。どんなものなの?」
慌てて口を押さえるルティ。
いけない、いけない、前の記憶を思い出して喋ってたわ。
そうよね、シュシュなんて言葉はないだろうし・・・
「えっとね、ちょっと聞いたことある話しなんだけど・・・」
「なるほど、お揃いの髪飾りね。なるほどなるほど」
うんうんとミトがうなづく。
「いいわね。祭りとか、祝い事でお揃いの髪飾りをつけたりする所もあると聞くし。イベントだからいいんじゃないかしら」
ソフィアも乗り気のようであった。
「ただ、私たちみんな髪の長さが違うのよね」
「そうね、同じものを作っても結べないのよね」
「モチーフと基本の色は同じにして、それぞれの髪の長さに合ったものを作るのはどうかしら?」
ルティが提案する。
「例えば・・・私は髪が長いので、リボンと花を組み合わせたものにして、ミトはピン留めとの組み合わせ、ソフィアはそうねカチューシャにしても可愛いわね!今の季節だと花は、そうね・・・バラもいいけど、シャクヤク、スズランもいいわね。あーでも花言葉で選ぶならライラックもありね。んー持ってきた素材で足りるかしら、加工も必要だし・・・」
畳み掛けるように、思いついたことを喋り始めるルティ。
「持ってルティ。1つずついきましょう」
「メモを取るわ。まず、作るのは、それぞれの長さに合わせた、何?」
真剣に自分の話を聞いてくれる友人達を見て、じんわり嬉しさが込み上げてくるルティであった。
みんなの意見もまとめて、その日は終えた次の日。
「ルティは本当に色んなこと知ってるわよねー。やっぱりお母様やお兄様の影響?」
ミトがまとめたメモを改めて読みながら、そんなことを言ってきた。
「ガルディア伯爵夫人といえば、その道で知らない人がいないほどの方ですものねえ。華やかなのに、どこか儚げな雰囲気も感じさせる・・・。私もいつかあんな作品を作りたいわ」
ソフィアが頬を少し赤らめ、言う。
・・・お母様そんなに凄かったのか・・・。
「アーク様もすごいわよー!うちみたいな小さな商人のところにも、話が届く位だからねー」
・・・お兄様も凄かった。
「ま、まあ二人に鍛えられてる?からね?」
戸惑いながら全力でのってみたルティであった。
「と、じゃあ作るのは、ルティ用のリボンと花の組み合わせのものと、ソフィア用のカチューシャと花の組み合わせのものと、私用のピンと花の組み合わせのものね。それぞれ、展示用と、試着用と、私たちが身につける用の3つずつ、合計9点」
「作成は私が中心になるわね。ミトは展示会にどうやって飾るかや、試着をしていただく際のルールを考えてまとめてもらって、ルティは使う素材を吟味してね」
「使うのは結局バラで決定で大丈夫?ピンク色のものならかなり数に余裕があるから、すぐにでも選んでしまいましょう!」
・・・数、足りちゃったのよねえ。残念。
「みんなで最高の品を作るわよー!」
おー!
それぞれの得意なことを活かしながら、展示会に向けて動き出したのだった。




