11話 学園は素材の宝庫でしたわ。いやっふー!
「見つけましたわ」
入学式を無事に終え、学園生活も、早1ヶ月が過ぎようとしていた。
クラスが発表され、王子と一緒だ!
あのご令嬢と同じクラス!?
などなど青春してるなあという感想が2、3日飛び交っていたのが懐かしい。
寮生活もなかなかに快適で、全員一人部屋なのはありがたいと思うものも多かっただろう。
授業内容は多岐に渡っており、立ち居振る舞い、語学、歴史、音楽、算術など基本的なものや、流石異世界、魔法関係なども充実していた。
「やー、まさか素材採集の授業まであるなんてねー」
そう、素材採集の授業が、選択授業の中にあったのを見つけた時、思わず歓喜の雄叫びをあげてしまったルティであった。
「やー、あれはちょっと失敗しちゃったかなあ」
反省、反省といいながらも、次の素材を探す手は止めない。
「今日は、今後受ける授業を選んでもらうよ」
担任の先生になった、ルード先生が言った。
「先生、質問よろしいですか」
「どうぞ、えーと、ガネル君だね」
はい、といいながら男子生徒が立ち上がる。
黒髪をなでつけて、かけているメガネを押さえながら質問する。
「1年生の授業は、まず基礎のみと聞いていますが?」
「うん、今年から選択制が増えたんだ」
そう言って、魔法で皆の手元に紙を配る。
「基礎の授業のほかに、1年生のうちから受けたいものは、選択授業を2つ選べるようになったんだ」
元々は3年生からだったのだが、3年生になると社交も本格的になってくるため、試しに1年生のうちから選べるようにしてみようという試みらしい。
「もちろんまずは基礎で手一杯というものは、無理に受ける必要はないよ。1年生だし、無理は禁物だ」
ふーむ、新しい試みなのか、どれどれ、どんなラインナップがあるのか・・・
魔法理論Ⅱ
魔法陣論
魔物解体etc
「魔法関連が多いんだなあ」
さて、どうするべきかと思いながら資料を読み進めていくルティの目に飛び込んできた。
「素材採集」
・・・素材
「素材採集・・・!!!」
バァン。大声で叫びながら机を叩いて立ち上がるルティ。
クラスメイトの視線が、ルティに集中する。
あ、まずい・・・
「申し訳ありません・・・」
きちんとした一礼をし、椅子に座るルティ。
ルード先生はあまり気にした様子はなく、
「そうそう、素材採集ももちろんあるよ」
「知ってるものも多いと思うけど、学園の周りにはダンジョンもあり、高学年になると希望するものはダンジョン中に入り、魔物と戦ったり、宝物を探すなども出来るようになる。まあ、君達は1年生だから、ダンジョンには入らずに、学園近くの森などで素材採集することになるけどね」
森の中にも、なかなかに珍しい素材があるんだよー。とにこにこ告げる先生。
キーンコーン
「と、鐘が鳴ってしまったね。では、昼食後、次の時間では各自授業の確定をしよう」
そして無事、素材採集の授業を満喫しているルティであった。
「さて、今日はもう少し違うところを見てみましょう」
周りを見ながら進んでゆくルティ。パシャンと水の音。
「この辺に池とかなかったはずだけど・・・」
地図を取り出し確認をし、よく耳を澄ませてみる。
パシャン。
「こっちね」
茂みを掻き分け進んだ先に、池と呼ぶにはあまりにも小さい、子どもが両手で◯を作ったほどの水たまりがそこにあった。
「なるほど、お前が音の主ね」
小さな鳥が水浴びをしていた。
ルティに気がつくと飛び去っていった。
「こんな場所もあるのね。今日のレポートに記載しておきまさょう」
そう言って、小さなメモを取り出し、書き込んでゆく。
「これでよし、と。何かしら、あれ」
一通りメモを書き終えると、キラリと淡い光が目に入った。
「綺麗・・・初めて見たわ・・・何かしらこれ」
そこには、薄い青色で、花の形をしているが、まるで宝石のような形状のものが生えていた。
「採集して、先生にお聞きしましょう」
よくみるとそこには、10数本ほど同じものが生えていた。
ルティは3本ほど根から採集をし、その場を後にした。
「ルード先生」
採集の先生は、担任のルードが担当していた。
ルティは採集した宝石のような花をルードに見せた。
「これは素晴らしい。もう宝石花を見つけるなんて」
「宝石花というのですか」
「学園の森にある、珍しい素材のうちの1つですよ。なかなか見つけるのは難しいのですが、さすがですね」
キーンコーンカーンコーン
「おや、そろそろ次の授業の準備をしないと、レポート楽しみにしておきますね」
「は、はい」
珍しい素材のうちの1つって・・・まだあるってことー!?




