再始動 2
再びガイナ村作戦本部にて、
俺達は、第二回 有識者会議 を、行った。
特に今回は、今後のスケジュールを考慮し、
初期計画案の一部修正をメインとする。
本来のメンツに、更にズク族も加わる事になったからだ。
そして、
その数、約一万人弱…多いなと。
それだけでデリターニャの人口の、既に三分の二にも相当する…らしい。
言うまでもなく、現状、それだけの人数を住まわせる土地など、ここには一切無い。
仮に?
街道全部にに家を建てたって、それじゃあ全く足りないのだ。
散々、自然破壊などしたくないし、俺はやりませんよと…
ずっとそう言うスタンスでしたが、
そこから軌道修正していく事に…なってしまいましたな。
遠回りしまっくった挙句に、最初っからそうすりゃ良かった…的な?
そんな、まるでお約束の様な展開なのが、ちょっぴり切ないですが。
やはり?
私なんぞ、そもそも邪悪な、破壊の権化なのですから、
例え山脈だろうが、海だろうがそんなもの…
邪魔なら、ササッと消しちまえよって…
そう言う事…なのでしょうか?
皆さん揃いも揃って?
そらそうでしょうよと、そう言うのですが、ちょっと待って頂きたい。
なんと申し上げたら良いのでしょうか…
こう見えて私、昨今の世界情勢も鑑み、
やれ地球温暖化や、熱帯雨林の降雨の減少、
そもそも、こういった異常気象を引き起こす、その全ての原因が、
人間が行っている、環境破壊…それこそが、その原因であろうと…
ニュースや新聞の…
多分どっかの誰かにだけ都合の良い情報に?
まんまといいように踊らされ、
常に勝手に、無駄に心を痛めている、
そんな情報に脆弱な、
絵に描いたようなただの迷える子羊…
小市民なのですよ?ええ、私なんてただの雑魚ですよ!?
そんな私に貴方方は…
あの山脈を、根こそぎごっそりと、抉り取れと?
そこに住まう生態系を、無慈悲に根こそぎ、破壊せよと?
嗚呼…なんて恐ろしい…
神も、神に対なす竜種も…
そんなモン、へったくれもクソもあるかいっ!…っと?
…うーーーん…まあ…
――了解です!!
その全ての責任の所在は、創造神と竜種ですからね?
テメエらさん達が、この件の首謀者ですからね?
ええ、ハッキリと言質も取れましたし?
ええ、私個人は今も、
あくまでも、広範囲な環境破壊には、強く反対の立場なのですよ…
なのですが?
そこはとっても偉い神さまが、
私にやれと…サッサとやれと、そう強要されていますので、
そうなのですよ、神が、神がそう仰るわけですから…
最早、私の様なクソ雑魚如きは、
そのご命令に従う以外、選択肢はございません。あー参った参った…。こりゃ困ったよね?
もう従うほか、仕方が無いのです。うううう…(※泣く小芝居を挟みました)
ええ、泣く泣くです。
泣く泣くですが、
この胸は強く痛みますが…
ですが…
とっとと山脈の整地を致すことにしましょう…
くれぐれも言っておきますが、悪いのは全て、ヨミと地竜です!!
私はただ…無理矢理、ヤツらにやらされただけなのです。
全く不本意なのですからね?
そこは大切なので、繰り返しますよ。悪いのはョ…
え?
…いい加減にして、サッサとやれって?
――了解だ、司令官!
今後の防衛の観点からも、防衛に都合の良い形状の山を更に都合よく加工しつつ、
削った山が留めている大量の水を別途貯めれる、大きな池っ…?
いや、流石にこの規模的には、多分もう湖かな?知らんけど…?
…なども、拵えつつ。
まずはミューと九郎が、凄まじい殺気を放ち、
周囲の生き物をここから遠ざけていきます。
みな、猛ダッシュで逃げていきますね…さすがです。
生命反応の消えた山々を、
俺が削り、地竜が均す…
それをヨミの設計図と指示に従い、
削っては均す。削っては均す。
ある意味?
餅つきみたいです…
ただひたすら、それを繰り返していきます。
全然元気な俺に対し?
地竜さんは目に見えて痩せ細って行ってるのですが、
…大丈夫なのかな?
実際に整地を行ってる土の精霊らも、
さぞや大忙しだろ。知らんけど。
気付けば最早?
甲子園球場が何個とか、東京ドーム何個分とか、
とてもそのレベルの言い方じゃ、全くおっつかない程の、
相当に広大な平野部が、
ここデリターニャ北部に、突如爆誕した。
軽く…元の健康な状態から軽く二周り以上は…
随分と小さくなった地竜さんは、
対して俺が、一切変化も無いどころか?
全くノーダメージな事に、ひどくビビっているようです。
いや?
流石に俺だって、いい加減、小腹は減ってますよ?喉も渇いたしね…
「………そうか…」
ポツリとそう呟いた、悲しそうなお顔の地竜を見かね?
そろそろ飯にしようかなっと思う。
今日はそんな地竜が喜ぶと思って、
特製クリームシチューだぜ。
まあ…一応ヨミもいるんで、具にはイカも使ったが。
いや〜〜、良いね。
こんな開けたトコで食う飯も、中々に良いもんだね。
開放感がえげつないヨネ。
遠くが霞んでいるもの…
きれいに整地出来てるから、テーブルも折り畳み椅子も、
全然グラグラしないしね。
食後も、俺達は頑張った。
オヤツ休憩や、お茶休憩も適度に挟みつつ、
その後も、作業はかなり順調に進んだ。
たった…
僅か一日くらいの作業だったが、
既にデリターニャの約四倍程大きな土地が、
元々山脈だった場所に出現していた。
それには、流石の創造三神と竜種も、
ただただ呆れていたが…
おい?
揃って呆れ顔ってなんだよ?
人にやらせといて、呆れてるって、それどうなん?
ちょっとヒドない??
まあええけど…
そして、更に結構な量の水が、予想外の場所から大量に出てきて困ったので、
急遽、デリターニャの方向とガイナ村に向け、
人口の河川を作ることになった。
地竜さん曰く、ずっとこの程度の水量は有りそうだと。
勿論、地下の水脈とは全く別になってるらしく…
ここは水不足の心配は全く無さそうだな。
勿論、水路くらいサッサと掘りましたよね…俺が。
丁度?削って【深淵】に入れてた、大量の硬い岩盤を、上手く利用するカタチになった。
結構巨大な一枚岩をスライスした板状のものを、
それを丁度いい長さにカットし、上手く掘った地面にバチッと埋め込んでいって、
相当に頑丈な水路になったよ。
とにかく?
まだまだ岩も土も、腐る程大量に有る。
それらを全部、例えば海に出したなら、
余裕で大きな島が出来ると思えるね。
削ったのって、
それくらい結構、巨大な山脈だったからな…
今なら街に、巨大な壁を建造することも、割と余裕だと思う。
まあ…俺は当然として、イサクや…
勿論イサクや…他にもイサクや…
とにかくイサクだ。
あとついでに鬼族やらズク族らの、その頑張り次第だが…
こりゃ意外とあっという間に、
国らしいカタチに、なってしまうんじゃない?
なんかいよいよ、ただの夢物語だったモノが、
随分と現実的な感じになってきたな。
そうか…計画はついにに、
フェイズ フォーへ、突入したのだな。
フェイズ、フォーか。
なんじゃそれ?
…
知らんけど。




