前門の神族、後門の蜘蛛 2
謎の敵の正体は、恐らくオニギリ…だと判明しました。
え?ニニーギ?
別に良いじゃないかよ?
オニギリの方が、絶対に美味そうなんだが?
ああ…お米が恋しいよお…って…?
コホン…
では気を取り直し、ヨミとミューも居るし、ソイツの対策を考えるとしよう。
クモのことはクモに聞け…そういったわけで、ミューさん。
まずは敵の目線になって考えた場合についてだが、
復活し、懲りもせず再び襲ってくると仮定した場合。
多分、正攻法では来ないよね?その程度は聞かずとも、俺でさえ判る。
しかも既に、罠が得意だと判明している。
さあ、ミューさん、君ならどうする?
ん?…ほお…フム、おお、なる程…。
やはり、俺に対し有効なのは人質だと。
あとはレホーのような武器…【呪】を込めた剣のような必殺の武器を用意すると…
――なる程ね。
じゃあ、悪の策士ヨミ先生…
「…言い方!?」
「まあ…そうだね。どうしても主を倒すと云うなら、知るべきはその理由だよね?」
ほお…それは一体?
「主を倒す目的が、強者を倒したいって純粋な理由なのか、なんとか主の力を奪って我が物にしようと考えて居るのか…」
――ああ、なる程、
どっちも少年漫画の、王道パティーンだな。
「ちょっと何言ってるか判らんが…そして次に、その目的がデリターニャだった場合ね…」
おお、そっちの線も確かに有り得るよね?
「そもそも、よほど優位に立てるような…絶対の罠でも無い限り、普通ならこれで諦めると思うね。
まあ…毒を飲み続ける胆力があるなら、そこは頑張っちゃうかも知れないけれども…
主の能力の奪取は、もっと間を空けて、主が油断するのを待つ気がするね。復活も含め、その為の準備にも、やはり時間は掛かるだろうからね…」
まあ…そうなりますか?
「で、港を欲していたならば、やはりカーナン周辺の食糧事情も、あまり宜しくはないって事だろうね…そっちが理由なら、当然また来るよね…必死で」
なる程…鬼族も結局、食い物の問題だったしね。
無いなら作るとか買うって発想が、そもそも無いみたいだから、
当然…どっかから奪うって、そんな流れなんだな…
ただ…うちを狙ってんのはなにも、アーマだけじゃないんだよな…
皆がグズグズしてる間に、連合がサッサと覇権を握っちまったからな…
加盟国でも、王族より、商会の方が力を持ってしまってるみたいだからな…
とにかく、うちには敵は多いんだよ。
なので俺が一番怖いのは…敵側の合従軍だな…
「へえ…合従軍?…」
少々のことじゃ、流石に俺でもビビる事も無いが…
あくまでもうちの連合を、まるっと奪う気なら、
再利用が前提だから、被害を最小限に留める必要が、有ると思うんだがさあ…なら?多少の余裕はありそうじゃん?
ただ玉砕…もう自爆覚悟の特攻を、あっちこっちでやられると、そりゃあちと、ヤバいよなあ…って。
「確かに、野盗や海賊なら、勝てないのであれば、その線も充分にあり得るね…」
そうなると、今以上に武力の強化は必須になってくるよな。
そういや、ズク族もうちの、戦力に数えて良いんだよな?
「え?」
…え??
いやだって、お前らだって結局のところ、メシの問題が当面は有るんだろ?
「え?…ああ、まあそうなるかも…」
ならば、そこはギブアンドテイクだろ?
俺達がメシを、ズク族が戦力を…いい関係性だとは思わんかね、ヨミ君。
「うーーーん、戦闘はしばらく遠慮したかったんだけど…
確かにズク族も食糧事情は、多いに憂慮する問題だ…」
商会連合同様の?
うちとズク族の、防衛協定を結ぶって事でいいんじゃね?
「う、うむ…」
そうだ!!
だったらさ、ズクもいっそここに住めば良いじゃん?
勿論、全部じゃなくっても良いけど、一部でも住めばよくね?
デリターニャを大きくしたらさ、削る予定の山側は、相当土地は余るからな。
今後の農耕も含め、
その開発からズクも参入すれば、
防衛も同時に行えちゃうって、お互い好都合だって…そう思わない?
どうせ、目的地まで移動したって一から作るんだろ?なら一緒じゃん?
なにより、お前だって、ずっとここに住めば良い訳だしさ。
「フム…そうか…」
クモ男対策は、
…
当初、対策だったが…
対策として?
なぜかズク族も巻き込み、
より巨大都市建設の様相を呈して来た。
蜘蛛対策として?
え?…オニギリ君?
まあ…来たら来たで。
なんせ、爆散からの脱出など、最早俺が見逃す事も無い…二度目はもう無いのよ。
ヤツがまた来るんなら、その時はその時。
今度はミューも交えりゃ、ヤツがどんなに足掻こうが無駄だね…
なんせ深淵の本家と魔蜘蛛の本家が、揃ってテメエのお相手してやんよ?って、事ですからね、
対策として。
つまり?ほぼ勝ったと。
まあ…これでめでたし、めでたしと。
知らんけど。




