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突貫 1

 俺は俺の国を手に入れる…

 そう決意し、動き出した都市開発と都市機能の改善…では有るが、


 それは世界でも類を見ない、壮大な計画なのだが…


 俺の頭の中は、国を造ります…


 その一行以外は白紙…実はほぼ、ぼんやりとしている。いや…ぶっちゃけ、真っ白だった。


 所詮は素人なのだ。こんなもんだろ?


 だが…そんな俺の心をを知ってか知らずか、


 色々と?俺の周りは俺を差し置き、目まぐるしく動いていた。

 

 シャダら商会の連中は、港の沖の埋め立てに備え、港の一部を整備し始めたり、


 また、物資の運搬に必要な馬や牛、大きな鹿や荷車を大量に買い漁っている。


 鬼族代表団らも、部族の説得とか、引っ越しの準備を行うべく、元いた場所へと戻り…


 イサクは…ガイナ村に、ほぼ監禁され…様々な作業を行っている。(※他人事です)

 一応?気の毒なので、アシスタントは数名…商会の中から器用そうなヤツをつけたった。俺の優しさである。(※他人事です)


 そんな中、俺は…俺だけは自由…無職だった。


 いや、仕事は有るのだ。それこそゴマンと有るのだが…


 もう何から手をつけたら良いのか?

 完全に、行くべき道を見失った。故に全てが手付かずだった。


 ヨミに相談したいとこだが…アイツもうすぐここを離れる身の上だからな…あんまりアテにするのもどうかと…


 その圧倒的な?おれ一人だけ置いてけぼり感?に、とうとう耐えられず、


 さしあたって俺は、逃げる様にコソッと、地竜夫婦を訪ねた。


 聞けば地竜さんて、竜種の頭脳担当らしく…

 鬼族の件の報告と、穴掘りの依頼をかね、ついでに、俺自身の身の上相談に来たったのだ。

 その、ついで…の件が、実は一番大きな部分なのだが…



 まずはそもそもの問題だった、鬼族なのだが…

 俺が労働力として囲う事を告げた。

 勿論、例の泉が無事ならば、地竜夫婦はなんの文句もないと。


 そして…俺は国を造ろうと思っていることと、

 その為の水路建造と、港の拡張についても意見を求めた。


 しばらく考え込んでいたダンナの方が、

 「最終的な目標から、逆算すればよいだろうな…」と、アドバイスをくれた。


 さ…、最終的?


 最終的って…なんだ?


 待て待て?


 相当なその日暮らし専門な俺に?

 ゴールなんてもん、全く持って見えて無いぞ?いや、意識の片隅にも全く無いんだが?


 いや、じゃあゴールってなんだ?

 国が出来たって、俺の人生は続くのだから…?


 そのゴールって…俺が死ぬ時か?


 え?…あれか?

 …入学とか、卒業とか…結婚とか出産?

 就職とか、定年退職からの、老後二千万問題?

 老人ホーム入居?

 

 からの…痴呆…ボケ老人?

 そしてご出棺からの火葬場?焼き加減はウエルダン一択の?


 ハア?…うそ、そこまで考えないとダメなの?


 これって…そんな哲学みたいな、人生論がテーマのお話しだったのか?


 だがなる程ね…道理で俺の脳みそが、思考をフリーズしたわけ…だな。

 そうなると…益々、迷宮入りだな。広大な大迷宮だよね?


 え?…違うの?


 慌てた地竜夫婦から、一旦落ち着けって…そう言われた。

 「そなたが死ぬ程の先の未来の話は…今は良いだろう。

 そもそもそなたは、死ぬかどうかも怪しいのだし?

 さしあたって、港の整備と倉庫の建設、それをつなぐ水路建造、それが全て終わった状態が、竜王の国の、その基礎の完成だと、まずはそう仮定するのだ…」


 お?おお…なる程。

 若干?…ディスられた気もしないでもないが、まあ…良いか。

 

 で、今更聞くんだけど、埋め立てるってどうなの?


 「まあ…よくは無いのだろうが、火山の噴火で地形が変わったり、地盤沈下や洪水で地形が変わった事も多々ある」


 おお、確かに。

 

 「それに…我とヤートがおれば、その辺りも特に問題は無い…

 そなたのいう高い岩山からガイナ村を経由し、

 デリターニャまでの水路を引くのも、我ならば容易い。

 故にまずは、港から…その埋め立てから始めるのがよいであろうな…」


 おお!判った…そして言質取ったぞ?

 その際はお手伝いを、宜しくお願いします…ぜ?


 じゃあ一旦、サクッと港に行ってきますわ。


 

 作業中だったシャダを捕まえ、拡張する港の形状やなんかを聞いたった。最終確認だな。


 前に漁師親子から聞いた、

 漁師の目印の岩の、その手前までガッツリ埋める。


 更に?一番左手端っこの部分だけを、突堤の様に延長したいと。


 ん?なんで?


 そっちから強い海流が流れてくるらしく、その方が入港も、出港もスムーズになるのだと。了解だ、司令官。


 実は既に…埋め立て用の超巨大な岩盤は用意してあるのだった。


 漠然とした計画だが…既に海底には目印が付けられており、


 そこに、円筒形の穴を開け、柱となる岩盤を削って造った柱をぶち込んでいく。上から無理矢理押し込むと、壊れてしまう可能性も有るので、

 穴の位置に【深淵】の出口を設定し、柱を【深淵】からだしたら、穴の中…って感じに、


 ちな?サイズをきっちりと合わせるために、輪切りにした巨木を基準にした。

 直径は多分軽く七〜八メートルくらいは有るので、それだけでも、かなりの強度が有ると思う。


 それを百本程、用意している。


 勿論、強度試験は一応…行った。ド素人が適当に…


 海底のワカメゾーンを避けつつ、まずは数十本柱を立ててみた。


 穴を開けるのも、柱を立てるのも、流石に適当って訳にはいきません。


 なので、商会の連中に、海中で水平や垂直を見てもらいながら作業しています。全て目測ですが…やらないよりは良いだろうという…



 まあ…逃げですよね…


 間隔や、海底の状況…潮の流れの速い場所なんかを聞き、柱を増減させつつ、漁師の目印の岩の手前辺りまで、全ての柱を固定した。


 波にさらされた程度では、柱はびくともしていない。それは上の土地を支える目的が有るので当然では有るが、

 柱が並ぶ姿は、中々に壮観で素晴らしい。すぐに見えなくなるのは惜しい気もするが。満潮時にも、数メートルの高さが海面に出る高さにした。


 で…上面をもう一度水平にカットしていく。

 糸に重りを下げ、垂直を確認しつつ、その線に直角で【深淵】を左右に振って、完璧に高さを揃えたった。

 柱が沈下すれば、垂直も水平も狂って来るとは思うが、そんな事では無いのだ。気持ちが大事なのだよ、気持ちが。

 

 そこに超巨大な、切り出した一枚岩の、テーブル状の床板…いや床岩を並べていく。

 

 当然、ただ置いただけではズレたりする恐れも有るので、何ヶ所かは、ホームセンターで売ってるクッション床の様な切り込みを入れて、それをはめ込む様に並べていく。部分的には、おもちゃのブロックの様な凹凸を組み合わせた。

 ちょっとしたパズルのようでもあるな。


 一応?地震対策では無いけど、橋のジョイントの様な、隙間部分も作っている。

 勿論、危険のない大きさの、ちょっとした隙間なんだが、

 これは雨水の、海への排水も兼ねている。

 

 柱を立てるのに、割と慎重かつ拘ったせいで、

 結構時間が掛かってしまったが、朝から初めて、夕方には終わったな。


 シャダも大口をあけて呆れていますね…

 軽く肩パン入れときますかね。


 端っこの突堤だけは、柱ではなく、完全に埋めて造った。こっちは防波堤だしね。強度が大事かなと。


 出来た土地の…岩盤の上も、サッと水平に削っておいた。

 

 そもそも床板…岩?の厚さも相当に有るので、そう簡単には凹まんとは思う。


 

 

 テストとして、上に超巨大な岩石を載せて、転がしたりしてみたが、全く問題なかった。


 新設されたここは、作業用のスペースとして利用し、


 今までの作業スペースにも、倉庫を建てる計画だが…


 やはりガイナ村の倉庫がメインとなる。急がねば。


 その作業中…地竜(嫁)がわざわざやってきた。


 俺の様子を見に来たそうだが…やってる事を見てなんて無茶苦茶なのだと、なぜか呆れられた。解せん…

 

 この夫婦…ちょいちょい俺をディスってくるよね…いいんだけどさ…


 そして…嫁が水際まで歩くと、そこにヤートまでもがやってきた。


 で?…すごい勢いで俺のトコまで来て、挨拶してくれた…


 なんでも、水の精霊を使って、海流も水生生物も、ある程度コントロール出来るっぽい。


 シャダや漁師の希望を聞いて貰う事になったが、

 なぜか俺に…ずっとびくびくしてるのを見てるのが、

 なんならもう、俺の方が忍びないので、

 俺の代理ってことで、

 ヤートの窓口はシャダに丸投げしたった。ナイーブなヤート君も、シャダなら気兼ねなく話せるだろう。知らんけど。


 シャダは固まっていたが…


 まあ…ヤート君も心を入れ替えて頑張っていらっしゃるんだぜ?

 シャダもそこは安心して良いんだよ?ヤート君を、宜しく頼んだよ?


 「いや…あの?りゅ、竜種様…ですよ?」


 しょーもない事を気にスンナ、それを言ったら、

 ヨミだって、そこらをウロウロしてるじゃないか?アイツ、まーまー偉い神だぞ?



 地竜(嫁)は、地面を固める魔法?と、土の精霊を使って、埋めて無いけど埋め立て地の?

 地面と柱を強固にしてくれた。

 そういや、最近しょっっちゅう転移してくるけど、アンタ身体平気なのか?


 「そなたがおれば、一体何を恐れる必要があろうか?」だって…。


 まあ…そりゃそうか?


 だが助かったよ。夫婦のアドバイスと協力のおかげで、埋めては無いけど埋め立て地は、なんとか無事に完成した。マジでありがとう。


 次は村の方に取り掛かるよ。

 そんときはまた、地面を掘るのをお願いするよ…あ?待て待て。


 おお、そうだ。腹減ってない?


 …折角だからダンナも呼んでさ、メシ、食ってけよ。


 感謝のしるしにさ。


 だって…今日はカレーだぜ?


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