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 そして取り敢えず…だ。


 俺達は、鬼族らの引っ越し先であるガイナ村の、その現地視察を終えた。


 そして、お次は商会の紹介…である。

 え?

 いや、べ、別になんでも無いんですけどね…


 急に俺が現れた程度では、最早一切、全く持って、微塵も…

 驚くことさえ、まるで無かった商会の連中だったが?


 まさか鬼族を連れているってトコで、

 皆、ひどく驚いていた。ちょっと解せん…


 シャダらここの…爬虫類系の獣人も、大体は二メートル前後もあるが、

 鬼族は更にデカかった…


 ここの連中にすれば、他人を見上げるなんて、結構稀な事だろう。そりゃ珍しいし驚きもするか。


 そして、

 俺の帰還と共に恒例の?わーーーーっという歓声と共に、

 ちびっ子らの、ジェットストリームアタックが開始される。


 思えば随分と成長しているからな…今では中々の攻撃力である…

 突入のタイミングや角度も、だんだんと精度を増している。


 だが…俺は大人なのだよ。君たちちびっ子がどれだけ来ようが、あ…ちょ?う、

 ぐわあああああ…


 …敗北した。


 敢え無く地面へと押し倒される俺…


 …の姿を見て?


 屈強な鬼を容易くブチのめしたあの軍神を?

 一方的に圧倒する、謎のちびっ子集団の姿に、本気で驚愕している鬼族と、


 いつものその光景に、ヘラヘラと笑ってる商会の連中…


 そこには、なんとも不思議な空気が流れていた。


 港では商会連合の船が今まさに、荷降ろしを行ってるまっ最中だった。


 食糧は勿論だが、汎ゆるモノが、ところ狭しと並べ…きれて、無いんだよなあ…


 下ろすと同時に、検品も出来ずに積み替える必要が有るんだよ…


 いや見ての通り実際に、かなり狭いんだよね…

 もうとっくにキャパオーバーなんだよ、ここは。



 ちなみに?聞いてみたところ、鬼さん達ってなんと主食は樹の実や穀物…勿論、肉も食うそうだが…

 ちょっと意外だったね。あんな怖い顔だからさ、当然、血の滴る生肉食だって…思うよね?知らんけど…


 怖い顔…と言えば、うちにもその道のスペシャリスト?コワーイさんが居るが、


 そこは族長の、僅差の勝利だと…新たなる王者の誕生だと…そうなるよね?きっとギネスも認定せざるを得ない状況だと思うな…知らんけど。


 だが良かったなベッツよ?おめでとう。チャンプの座は譲ったが…

 きっとお前とは、この族長は気が合うと思うぞ?


 だって…きっとお前と同じ辛い経験を、ずっとずっとして来てに違いないと思うからな…絶対に!

 …いや、知らんけど。


 俺の言葉で、見つめ合う二人の顔面凶器…


 それは、ただの軽いボケ…の、

 つもりだったのだが…?


 辛い…とても哀しい過去を持つ二人には、

 二人にだけ深く通じ合える、何か?…が、

 そこには確かに有ったらしく…


 わずかの間に、もうすっかりと仲良くなっていた。

 心の友が今、爆誕したようだな…知らんけど。


 で?

 連合の船と一緒に航海している、商会の戦闘艦、そうそう、横の大きいの。そうアレね。


 何人かは、あれに乗ってってもらう事になると思う。そのまま戦闘要員だな。寧ろそっちは得意でしょ?


 幸い?シャダらのサイズで造られた船なので、大きい鬼族でも、そこは特に問題は無さそうだしな。


 力自慢なら、荷降ろしや積み込みもありがたい。


 だが、やはりこの土地の狭さ問題をなんとかする為にも、

 ガイナ村にうちの倉庫を建てるのも、割と急務だったりする。


 まあ…埋め立ても同時進行になるのだが…卵が先かニワトリが先か?


 とにかく?

 優先順位はまず、ガイナ村に、鬼族らの住める環境の整備、これだな。


 

 

 ついで、倉庫の建設かな。そしてその倉庫の警備も。


 そこが落ち着いたら?いよいよガイナ村の、居住区画の整備と、住居の建設。

 勿論、俺の家族と鬼族らの住居だな。


 まあ…まだ計画段階だったが、

 三人共に、それに合意してくれたんで、アンド丁度、いい加減飯時だったんで、


 シャダらや、うちの連中も集め、みんな仲良く焼魚パーチーを開催したった。

 まあ…結局毎日、毎日、パーチーみたいなもんだが…


 そういえば?魚も食えるんなら、益々鬼族らの食糧問題は解決だよな。


 森で獲物を狩るってさ、普通の人間…いや鬼だって、

 割と捕獲限界のレベルは低いんだよな…


 一箇所で、どれか固有種を獲りすぎると、すぐに生態系のバランスが崩れてしまうからな。そのままその種が絶滅する事だって充分にあり得るのだから。


 まあ…鬼が食う量を賄える獲物も樹の実も、そりゃ、そうそうねえだろうしな。

 すぐに食糧危機って流れは、あれだけの数が一箇所にいりゃ、至極当然だな。


 その点?海は比較的安定してる気はしている。


 特にここ最近は、近海の大型の魔獣は、俺が目の敵の様に?片っ端から結構駆逐したったからな。

 勿論、食えるのは食ったし、勿論売ったし。


 深海魚って、かなり良い値が付くんだよな。

 現状、この世界の技術では、深海魚の捕獲ってまだまだ無理そうなんだよな。


 そういえば?

 あのバカみたいにクソでっけえカニ?は、

 なんと金貨一万五千枚で売れたよな。仕入れはゼロ円なのに。


 どっかの王様が買ったんだよ。

 勿論、俺が運んだよ。流石に高額商品だったし、儲けも大きかったからな。


 なにより生物だからな…舟と馬車で数週間…なんて、そもそも論外である。


 今回の商品は送料と、金利手数料はシャダ商会のサービスです。知らんけど。


 そうそう、確かトニーさんとこの店の、一日の売上の最高記録だとかなんとかって言ってたっけな。


 カニ退治?の、そのおかげで?

 きっと、イワシやサバみたいな小さい目のお魚達は今まさに、

 この世の春を満喫してる事だろうと思う。

 なんせ大型の捕食者が大勢、突如消えたからな。


 なので、この際いっぱい増えてくれたら良いな…と。



 …


 ……


 我はグシオン。

 軍神様…いや、【深淵の破壊神】様より、

 鬼の代表を申し使った者だ。


 やはり、神…なのだと…

 そもそも我等程度のものさしで、測って良いような御方では決して無かったと…思い知った。


 【深淵の破壊神】様…聞けば深淵とは、世界の裏側…この世界とは表裏一体であるものの、決して立ち入ることが許されぬ、

 まさしく漆黒の深き暗闇…死した全ての魂が還る場所…


 なんと…我とアザゼル、マステマはそこに入り、再び出てみれば、


 今度は遥か遥か遠方の、どこかの村の中だった…

 もう…どう驚いて良いのかも判らんほどだった…



 そしてこの漆黒の闇から、あの巨大なヘビを取り出していたわけだが…それも納得だった。


 そこには大きさも重さも関係なく、汎ゆるモノを入れることがお出来になるのだそうだ…


 身体中を糸で巻かれていたので、その闇の世界を、我はこの目で観る事は叶わなかったが、


 それは我ら如きがが決して観てはいけないものだと…そう思った。


 村のあとで行った港の、巨大な舟の荷物を納める倉庫を建てるのが、どうやら我らの、急ぎの仕事のようだと、そう理解した。


 なる程…食糧の量も凄まじいな…


 先ほどの、あの山の村も、

 今の環境に比べれば、随分と良いと、正直、そう言わざるを得ない。

 獲物を探して常に移動してきただけで、


 いつまでも同じ所には居なかったことも有り、

 常に粗末な葉っぱの屋根しか無かったからな。

 

 そうそう、港に居た獣人にも驚いたな。


 アレらはかなり強いと、我の目にはそう見受けられた。動きも力も優秀そうだ。


 だが…破壊神様を、無理矢理押し倒してしまった子供らには、それこそもっと驚いた…


 まあ…神様は笑っておられたからな…ただふざけて、遊ばれていたのだろうが…あの光景は老骨の心臓には、ちと刺激が強いし、よくは無いなと思う…


 とにかく、驚くことには事欠かない場所だった。


 獣人だけでも複数種居るが、当然人間も多い…


 普通は大した理由もなく、いがみ合い、殺し合うだけの関係の筈だが…


 皆笑って仕事をしている。しかも一緒に、だ。


 特にマステマは、その光景を見て相当驚いていたな。ずっと、なぜだ、なぜだと、ブツブツ独り言を言っていたからな…


 いや…一番の驚きは、奥にいた男だな…


 アレは紛れも無き、かの創造三神のツク=ヨミだった…


 以前…遥か昔に一度だけ、あの方に拝謁した事がある。随分と過去の話だが…


 あの気配や圧は、あれは間違い無く、本物の創造神の一柱だ…


 なぜ?いや、寧ろ当然…なのだろうか。


 

 この目で、今、実際に見ている光景だが…


 正直まだ、素直には受け止めきれてはいないのだが…


 あの破壊神様を中心に、


 神族や人間、獣人、挙げ句に竜種までもが破壊神様を取り囲んでいる…


 そこには垣根も区別もなにも無い…


 そこにいがみあう者など居ない…皆、笑っておる…これが現実だとは…中々に信じ難いが。


 だが…現実だ。

 

 今までの我らは、生き方も考え方も、おかしかったのか?


 いつだって争って来た。誰とでも、どんな理由でも、

 いや、理由など無くとも…


 ここは違う。明らかに違う。全てが、尽く違っている…他の何とも、これまでの常識とも…


 これが…これが破壊神様の仰る、新時代…なのか?


 アザゼルの顔にも、どこか悟った風が見えるな。


 まさしく歴史が…全ての常識を覆しながら、破壊しながら、


 今、大きなうねりとなって動き出したのであろう。


 この、まさしく神のお導きに、我は心よりの感謝を捧げよう…


 迷いもなにも、全て消えた。今日、我らは生まれ変わったのだ。


 【深淵の破壊神】様の、その神の御手によって。


 

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