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 あれからもう、数日経った。


 鬼族については、地竜夫婦から俺に一任されてはいるが…


 正直、一族郎党皆殺し…なんて、

 そっちの考えは、そもそも一ミリも無い。そんなの嫌だし、やらないね。


 残虐アーマの残党を生かしておいて、

 鬼族は処刑って?…そんなはずはもう、絶対に無いのだよ。


 ボケた相手が、さあツッコめ…そう言われたなら勿論、なんでやねんっ!?…っと、喜んでそうするが?


 さあ殺せ…って、目の前で言われたってさ、普通は嫌でしょ?嫌だよね?

 冗談でもOK…なんて言えないよ?…そういうとこ、俺って、至って普通なんよ?ガチで小市民なの。

 なんというかさ、良識があるってい…(※以下略)


 …某パイセンとは?その辺りがちょっと、違うんですよ。知らんけど。


 なによりもだ、今まさしく、俺の国づくりの…絶対的な労働力が足らんのよ。主に建築要員が。


 なんなら?だったら、鬼の手だって借りたいよね?と…

 そしたら、こっちが食事は用意してもだ、


 そもそも?その体力には文句のつけようが無く…

 寝床もほぼ葉っぱの屋根だけって…


 ガイナ村の…使えそうなまとも…に近い建物は僅か四つ程だが?…葉っぱの屋根よりもまだマシって物件なら、

 そこそこ残ってるんでね。当面はそちらでも…

 

 地表側の整備と建築…なんなら防衛も、だな。

 そこまで揃えば、実はかなりの、お買い得な取引だと、俺は思うのよね。


 そうそう、実戦向きの連中は商会連合の、海軍に配属って事も可能だし、


 女子供は…まあ、取り敢えず農業…或いは屋台のお手伝い…?


 何かしら仕事は有ると思う。

 当然だが…おこちゃまは勉強も有りだな。


 そうそう、なんなら俺の野望の第一歩…異世界プロレスの設立も若干、視野に入れたいのだ。


 頑強なマッチョ…これほどリングに映えるヤツら等…そうそう居ないだろう。まさに神が与えしギフトだと思う。


 その神?…多分、ヨミの爺さんとか…らしいけどね?


 まあすべては…あくまでも、本人らが承諾すれば…だがな。


 いや…そもそもだが?


 それは鬼さん達が、俺の提案をOKすればってお話であって…


 まだ、その答えは聞いて無いのよね。


 言うて?根っこは戦闘民族だからな…


 全員でどっかに引っ越しますわって…

 そう言われたなら、俺の野望もはい、そこまでね…っと。


 受け入れ派の爺様と、血の気の多い大将のせめぎ合い?だろうか。


 あのシト達ってさあ…本質的にはガチ脳筋だからね?



 万が一…


 最も最悪のパティーン?


 全員で、俺に特攻…とかさ、


 それが絶対に無いとは…言い切れないんだよな…

 うーーーん、それは一番困るんだよ…

 その場合?どうして良いのか、一切まるで判らんのよ…


 まあ…俺が殺せない以上は、結局放置するしか無いんだけどね…?


 たださ、それってただの、鬼さん達の命の危機の…ちょこっとだけの先延ばしだもんね。

 でもさ…一旦ここで拒否られた日にゃ、

 幾ら俺でも、そうそうしつこく干渉も出来んしね。


 なので若干、答え合わせの…気が引けてるんだよね。



 まあ…行くけどさ。



 じゃあ、今日はミューと行こうかな。


 最悪の場合…みんな固めて、サッサとトンズラできるように…さ。



 うーーーん、取り敢えず…グシオン爺さんに期待だな。




 まあ…当たって砕け散るんですけどね?


 …


 で…


 やって来ましたよ、と。


 ちょこっと離れたトコから、ゆっくりと歩いて近づいています。


 急に?一斉に飛び掛かって来られたら嫌だし。距離は大事かなと。


 一応?距離をとって…安全マージン?を確保しつつ…って、


 なんなら?違う意味で、完全に俺の方がビビってるよね。


 すぐに俺に気づいた数人が、鬼さんの大将を呼びに行くのが見えた。


 今の所…特攻の気配は無いが、

 最悪の想定をして、ミューも横に居てもらう。



 しかし…ミューの存在は鬼族を…なぜか恐怖のどん底へと、一気に叩き落したらしい…


 阿鼻叫喚…泣くは叫ぶは…

 命乞いされるは…


 え?ウソ…やった?俺…やっちまったか?


 いや、ミューはなにも悪くない。妄想の特攻にビビった、俺の落ち度だとは思う。


 だが…もう今更だなと。


 向こうから、族長と、意外と理解の無かった、期待外れだったナンバーツー…そして、

 一歩遅れて、あの爺様がやって来た。


 その表情は険しい…


 まだちょっと微妙だな。


 前まで来たんで、結果、俺は見上げるよね。


 改めて見ると、やっぱコイツらってデケえな。


 アンドレ ザ ジャイアント…みたいだよな。見たこと無いけど…




 三人はすぐに膝をついた。ちょっと意表を突かれた。

 思ってたのとは違ったからだが、

 ん?俺が案外、ビビり過ぎたのかな?


 「…先日は…あの量の食糧を頂き…一族を代表し…心から感謝する…」族長がまず、口を開いた。


 そして、期待外れなナンバーツーが続く…


 「此度の騒動に於いて…貴方様を攻撃したのは、すべてこの長であるアザゼルと、このマステマの責任だ。

 甘んじてこの命をもって…その償いとさせて貰いたい…」


 あ?…やっぱ舐めてんな、テメエら?

 ここにいる鬼族の…テメエら責任者だろうが?…あ?


 なに勝手に死んで終わらそうとしてんだボケが?

 

 ブチ切れた俺の反応に、族長とナンバーツーが酷く困惑していた。


 自分らの命と引き換えに、一族を託そうと…


 OK判った…とでも、俺が言うと思ってたらしい…アホか?


 死んで詫びろなんて、俺は一切言ってねえよな?

 死ぬほど足掻いて、足掻いて、身内の為に死ぬなって、寧ろ、死ぬ程頑張れよって…


 …そう、言ったよな?


 とにかくだ…そのフザケた考え方が気に入らんっ!


 お前ら二人…罰だっ!

 両足同時、超痛い痛いバージョンの刑だ!食らえっ!


 ガチンッ…ガキッ

 「ギャアアアアア…」

 「いあああああああ…」


 チッ…クソがっ!またつまらぬモノをシバいてしまった…


 言っとくがな、簡単に死のうとするヤツはな、

 俺はこの世で一番、大キライなんだよっ!!


 ちょっとキレちゃった…で?

 ふと目線を上げると、爺様がびっくりして固まっていた。


 流石に?神に向かってツバを吐いた張本人達だ…この二人の命は諦めるしか…


 爺様ですらも…どうもそう、思ってたらしい。



 だって…あの?破壊神だもんね…そりゃそうか…そうなりますか?


 まあ…俺もなんか、

 向こうの意表を、

 目一杯、突きまくったみたいだな…


 呻きながら、辺りをゴロゴロと転がる、二人の鬼を観ながら…


 俺はちょっぴり黄昏たった。

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