将来的な話 2
さて、皆の視線が痛い中…
その前にもう一度だけ行っておく。
おいバカ兄弟、お前らもう、さっさと帰れよ?っと。
そして、俺。
…正直、解りません。
多分…みんなでここに居ましょうよって、俺がそう言うのを、待ってるとこも有るんだろうがさあ…それも責任重大だぜ?
アマジャさんらには、組織を裏切れって意味になりかねんし…
ただまあ…よくよく考えれば、だ。
当然、一回はカーナンへは行こうと思うのよ、俺は。
世話にもなったアマジャさん達の苦労には、報いたいのだ。
アマジャさん達も、仲間や組織へ戻る義務も、そりゃ当然有るだろうしな…
先祖とパイセンとの約束?それも有るしな。代理としても、やはり放置は無い…
そうなるとだ。
ここに子供達だけを、置いては行けない。
なら、連れて行くのか?…そこが問題だな。
まあ…道中守り切る自信は有る…いや、自信しか無い。
ここに残るのなら、罠もあるし、設備も充実はしてはいるが…
この島で水の確保も食糧確保も、マグマによる湯沸かしも…基本、俺、有りきなのだよ。
この島には、魔獣も獣ももう居ない。俺やミュー、九郎にジョンが、全て処理したからな。
つまりは、侵入者以外は、そこまで大きな危険は無さそうでは、有る…
だが…最悪?最悪、なんかあって俺がここに戻れ無ければ、
子供達だけならばすぐに詰むだろう。
食糧の保存も、冬の気温有りきなのだし、外には狩るべき獲物も居ないのだ。
じゃあ魚を釣ればって?
それも毎日三十人分の魚を釣れればって…いや、そりゃ流石に無理だろう。天気だって大きく関係するよな…
やはり…子供達だけでは、ここには置いてはおけない訳だ。
なら、一緒に行くとして、陸路か海路か?
どっちが…って、ん?…お?…えーーーっと?
そうだな…留守番ができる奴がいりゃ良いんだが…
んーっと?
いやいや…待て待て…逆だろ?
暫く預ければ良くね?
そうよな?
シャダの孤児院って手もあるし?
いや…あそこじゃ若干、手狭かな?
ならだ、じゃあトニーが建設するっていう孤児院ってのも有りだろ?
金を押し付ければ多分…問題無い筈だし、いっそ俺が建ててもいい。
そういえばだ…ヨミの、これから行くって島に預けるって手も、まあ有るよな?一応…信用も出来る。
俺の頼みを、まさか断れる筈も絶対に絶対に、決して、必ず、無かろうしな…
なあヨミ君よ?
まあ…お前に拒否権など、そもそも無いからな?そんな事は断じて認めんからな?そこ、忘れるなよ?
まあ…ズク族って、メシマズなのが最大で究極の問題なのだが…
とにかく、俺がカーナンに一度でも行けばそれで良いんだ…
それまでの間、どこかに預けるって手が、実はベストじゃなかろうか?
そのカーナンへもだ、なんならうちの、
九郎航空の超特急便を飛ばせば良いよな?
子供じゃ無いんだから、オッサン連中なら、音速までは行かずとも、
多少速く飛んでも、多分問題無い筈だ…と思う。
まあ…高齢のお爺やんだけは、多少危険では有るが…
だが…そうすりゃ多分、遅くとも数日もあれば、事は済むよな?知らんけど…
だがしかし、そもそもだ。それよりなによりだ…
こう見えて、俺は子供達の親代わりだと…そう思ってる。
そして親ならば、だ。
子供達には、どうせなら広い世界を見せてやりたいと思うのだが?
この何も無い島に、死ぬまで閉じ込めるってのは、やはり正しいとは、
どこか思えないのだよね…
ミーシャちゃんでさえアレだったんだ。
きっと本来の…海賊さえ居なけりゃ、きっと見るはずだった世界ってヤツを、
彼らに一回は、見せてやりたいと思うんだよな。
特に、ここの子供達って…もう心は一部大人だからな…自分の生き方を自分で決めたいと思っても、特に驚きは無い…
まだ幼い小さい組さん、彼らだって同じだ…
いや、子供はいつかは、親元を離れて行くのだ…
いつか必ず、巣立ちの時を迎えるだろう…それが成長であり、正しい姿ではなかろうか?
ならば、どのみちそうなるので有ればだ?
何も無い場所からいきなり放り出すのでは無く…だ。
今がその準備を始めるその時…なのかも知れん…よね?
今、ぼんやりとそう考えているが…当然、子供達の意見だってキチンと聞くべきだろうし。
まず、俺とアマジャさん一行は、やはりカーナンへ行く。ここは決定だ。
そもそもの、この旅の意味だしな。
だが…子供達はその間、一旦シャダ商会に預ける。
エッタさんがその責任者で良いと思う。
その護衛としてアーデ、便利屋のイサク、俺の帰りを待つ間、それで行こうと思う…
やはり戦地で危険に晒すよりも、安全な商会内で、子供達のいい経験になったほうが絶対に良いだろう。
まあ、俺はどこからでも毎日顔を出せると思うし、
そもそもシャダなら、決して悪くはしないだろう…多分、ここで気兼ねなく頼めて、
それで一番信用出来るのって、実はシャダだけ…なんだよな。
こんな俺を信じて疑わない…ある意味奇特なやつだ。
だが、マジでいいヤツなんだよな。
一旦?
子供達には社会見学と、職業体験をしてみようって、そんな体で良いよな?
シャダには悪いが、あえて事後報告で良いと思うし…
え?なんでかって?
そうなりゃ無理でもなんとかせざるを得ないんだけど、アイツそんな切羽詰まった時ほど優秀なんだよな。知らんけど…
取り敢えずは、カーナンへ行って、場所の確認と認識をして、
まあ…なんかの困りごとの類で、俺に処理が可能ならば、サクッとやっちゃって…
そうだ、パイセンの顔に、俺が泥を塗れはせんのよね…そこはキチッとやっておこう。
仮に長引くなら、通いでそのジョブをこなせば良いんじゃなかろうか?
ただ、そこに祀られんのだけは、ご勘弁願おうか…
そういうのは、そもそも俺は無理だ…
つまり?
一旦ここで仮に解散し、だがしかるべきタイミングで、再合流すると。
うん…いいね。
まるで修行を行う為に、集合を二年伸ばした某…あの?麦わら海賊団みたいじゃね?
そうだな…取り敢えずだ、このプランをもちょっと煮詰めて、まとめて…
一回、みんなに投げてみよう。
そう、大事な事だしな。俺が全部決めるのは違うよなと。
やっぱみんなで決めよう。そうしよう。




