帰路 2
シャダと色々と話した。このチャレンジの結果を、数日以内に発表するとシャダに告げた。
恐らくな…世界の…料理界も、遂に時代が動くのだ!
「そ、それ程ですか?会長はいつも自信満々ですが…今回は一際…ですね?こりゃ楽しみだ。マイダスさんにも報告しときますよ…」
ああ、よろしく頼む。
あとな…近い内にこの辺りに大量のズク族が訪れる。民族大移動だ。知らんけど…
え、いや、来るのは間違い無い。
だが心配は無いぜ。特に悪さはしないはずだ。
なんせ向こうの親玉とは、俺はツーツーだからな。
チラっとヨミを見ると、ニヤリと笑ってた。
でだ。
そいつらにある程度…食糧や薬、水、衣服もか?…まあ…何でも売り放題なんだよ。
ズバリ商機がノコノコ、向こうからやって来やがるんだ。
買い叩いたりは決してさせんから、可能な限りストックを頼む。
当然、あの親子にも伝えて置いてくれ。
そうだ!ヨミ、欲しいものは有るか?今なら注文可能だぞ?勿論…代金は発生するが?
「おお、そりゃ助かるね。代金はちゃんと、金貨で払えると思うよ。
まあ…取り敢えずは食糧だね、テコの実とマーマの実、それはズク族の主食だからね、有れば有るだけ買うと思うよ…」
だってさ、聞いたか?頼むぞシャダ。
「う~~、生憎うちにはあんまりテコもマーマも無いんですが…そういったものはマイダスさんとこなら…あの息子さんなら、そこそこ集めると思いますね…」
まあ…最悪?創造神様が全部責任とってくれるからな…クックック…
「…怖いんだけど?」
まあ…とにかく、売れるもんも、普段売れ残るもんも、この際全部押し付けてしまえばいいんだ。
「主?…悪意たっぷりの言葉が全て、こっちにまで聞こえてるんですが?ちょっと悪辣が過ぎると思うが?…」
おいおい、何を言っているんだねヨミ君?
君達のお陰で、ここいら戦闘地域の皆さんには、散々ご迷惑を掛けて来たんだろが?
多少はその、迷惑料とかをだねぇ…
「え?…それは全てアーマの蛮行ですが?」
いやいや君?この先もう、全部まとめて神族でしょうが?
「な、なんて悪質な言いがかりを?なんて卑怯な商売人なんだね主は?…」
フッフッフ…そう褒めんでくれたまえよ、ヨミ君…
「……うわあ…最悪だよ」
それからシャダよ。
色々と助かったよ。ありがとうな。
「会長…怖いですから…止めて下さい…」
チッ…、どうして皆、俺を怖いと言うのか?こんなに素敵なお茶目さんなのに…
まあ良い、今日俺はご機嫌だからな。全て許そう。許すね。
そおいや、レホーも今だったら、死なずに済んだかも?って…はっ!!し、しまっ…
「ちょ、ちょと主よ…今なんて?」
え?…な、ななな、なんのこと…で、しょうか?
バレてもうた。
だがヨミは別に怒らなかった…もはやヨミ本人でさえ、全く感知出来なかった位、存在が極小化していたのだが…
それでもやはり危険な存在だった訳で…
いつか回復したなら面倒な相手だったと。
そ、そうで…しょ?
そ、そうじゃ無いかなあって…コホン…嘘です。
スマン…草むらに忍んでやがったのが見えた瞬間…思わず勢いで始末してしまったわ。
いや…そもそもアイツ、ミゲヤさんの仇だからな…
もう絶対に逃がさん…って、感じだったんだよ…
恐らく、あのクソヤローも…自分は死んだなんて事も、絶対に気付けて無いと思うわ。
まあ…これでミゲヤさんの墓に良い報告が出来るわ…
「そうか…まあ将来の懸念が一つ減ったと…ホントにそう思うよ…アレってさ…どこか槍騎馬兵みたいなトコが有るからさ…後々面倒というか…」
お、おう…まあ…な。たださ…お前の分体ですけどね?
でも良かった、怒られなくって…
つい、自ら白状してしまうとは、我ながらアホ過ぎだな…
これじゃ、竜族と大差ないのでは無いのか?
うーーーん、イカンな。気を付けねばな…もうヤツらの事を気安く笑えないぞ?…ま、まあ…
今日は良いだろう、今日は。
今日はマーオちゃん記念日として、未来永劫祝日に決まったしな。知らんけど…
じゃ、じゃあそろそろお暇しようかね…
じゃあなシャダ。色々騒がせたな。
近い内に顔を出すよ。
「はい、お待ちしております…」
孤児と遊んでるちびっ子達も、ぼちぼち帰るよ〜?
え?…名残惜しいですか?まあ…また今度遊びに来れば良いんだからさ。
それにさ、島のみんなだって、マーオちゃんとミーシャちゃんを待ってるんだぜ?
そうでしょ?うん、そうね…判れば宜しい。
じゃあ、ホントに帰ろうね、今度こそ?
九郎…頼むぜ!行こう!
向こうの世界でもそうだったが、
こっちの世界でも、気がつけば別れ際って、結構グズグズになりがちだよな…
そういうもんなのかな?
なんやかんやとグズグズしたが、やっと大空へと舞い上がった俺達だった。




