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石砕きの刃と共に 7

 ひとまず霧の森を出てから、私はモエルやポリシャ達を横一列に並ばせた。

 ただミドリだけは、勇まなかったので今私の肩にとまっている。

「あなた達、本当に危ない真似は駄目。今回は私も止められなかったけど、そもそも最初から逃げていればポリシャも死にかけたりしなかったのよ!」

 それに、ラッキーでキュールが雲石の場所を見つけてくれなければ、私達全員だって危なかったかもしれない。

「にゃあ」

(だって、暴れたりなかったし)

「モエル、反省!」

「にゃあ!」

(ちぇっ!)

「シャインもね!」

「キュー」

(ごめんなさい)

「石砕きの刃も、頭を冷やして。今回はあなた達が一番危なかったのよ」

「で、でも、結果的には勝てました!」

 ポリシャが反発してそう言う。

「逃げなかったから、報酬も3倍ですよ。だから良いじゃないですか!」

「私は誰かが傷ついてまでしてお金が欲しいとは思わないわ」

「うっ」

「けど、二リハさんのシャインが回復してくれます。多少の冒険は許されるべきです」

 今度はランゾか。全く、男の子だからといって、無茶言い過ぎだ。

「シャインの回復が間に合わない場合だってあるわ。今回だってその可能性は高かった。私は私のせいで死者を出したくないの。だから、もう無理はしないで。いいわね」

「はい」

 よし。いい返事だ。キュールは素直ね。

「次無茶をしたら、この協力関係はそこで終わりだからね」

「ぐ。はいっ」

「わかりました」

 よし。ポリシャとランゾも、このくらいでいいか。

「モエルとシャインは、今日のごはん少なくするからね」

「にゃー!」

(そんな!)

「キュー!」

(ボク頑張ったのにー!)

「皆を危険にさらした罰よ。本当に反省して」

「にゃあー」

(うううー)

「キュー」

(そんなですうー)

「で、でも、せっかくのチャンスに逃げるなんて、もったいないですよ。今回もやれたんですし、次もやれます!」

 ポリシャがそう言った。いや、ランゾの顔も、ポリシャと同じ感じだ。

 これは、まだ全然こりてないな。

「それじゃあ、1つ条件があるわ」

「な、なんですか!」

「あなた達、石砕きの刃だけで、スタンプホースを倒すこと。それも、重症を負わずに」

「!」

「ある程度のダメージはおおめにみるわ。けど、それくらいの実力が無いと、クラウドマンの前には行かせられない。これは約束よ。できる?」

「は、はい、できます!」

「むしろ、俺達にとってちょうどいい条件です」

「やれるよね、ポリシャ、ランゾ?」

「ああ!」

「やってやるさ」

 ふう。

 なんだか、逆に焚き付けちゃったかな?

 でも、これでとにかく無茶をしなくなるならいい。

「ひとまず、今はここまでよ。早く町に戻りましょう」

「はい!」

 こうして、私達はなんとか無事にペースに戻ってこれた。


 それから続けて、2日、3日と、同じ依頼をこなした。

 初日のようなハプニングは無く、無難にクラウドマンを一体ずつ、合計二体倒して戻るという具合。モエルの魔力量的に、それくらいがちょうどよかった。

 私達の対クラウドマン必勝法はこうだ。

 モエルが火魔法でクラウドマンの体を削る。

 この時、クラウドマンの雲石は、頭か胴体のどこかにあるということがわかっているので、そこを狙う。

 そして雲石が体から出てきたところを、私が即座に斬って倒すというものだ。

 厄介なことに、生きている雲石は数秒で雲を作り出し、また体の中に隠れてしまう。

 だから、私がモエルの火魔法に合わせて近づくのがポイントだった。ミドリの木魔法では、雲石を攻撃しても傷つけるまでには至らないのがもどかしいところ。でも、それでも動きは止まるし、役に立ってくれる場面はある。

 とにかく、私とモエルの連携で、クラウドマンは倒せる。

 それ以外の方法となると、クラウドマンは防御力が高いし、雲石以外弱点にならないし、動きもそれなりに速いしで、厄介なことこの上ないのだが、まあ、対策が無事出来て良かった。

 というわけで、私達の中ではもう、クラウドマンは安全に倒せるモンスターとなっていた。

 けれど、だからといってもっと強いモンスターを狙いにいくことはない。

 話に聞くクラウドホースは、クラウドマンが現れる場所よりも奥に出てくるらしい。

 となると、クラウドマンを複数体倒さないとたどり着けないわけで。

 今のところ2体くらいしかクラウドマンを倒せない私達としては、まだまだ実力が足りないということだった。

 けど、クラウドマン討伐の報酬はなかなか悪くなく、貯金も少しずつできている。

 キュール達も、なんとかその日ぐらしはできているとのこと。今のところ狩れるのはアースフロッグくらいだけど、前からアースフロッグを倒してしのいできたらしいので、良くも悪くも変わりはないそうだ。

 それでもキュール達は毎日私と一緒に依頼を受けてくれて。

 今日は一緒に町を出る四日目。

 この日、3日ぶりにスタンプホースと遭遇した。


「ヒヒーン!」

「出た、スタンプホース!」

「やるぞ!」

「ああ。二リハさん達は、見ててください!」

 キュール、ランゾ、ポリシャがそう言って構える。

 彼女たちにとっては、強敵だ。でも、いずれ倒していかなくてはならない相手。

 できるだけ見守っていよう。でも、備えだけは、しっかりとね。

「シャイン。もしもの時は、回復してあげて」

「キュー!」

(わっかりました!)

 そして目の前では、スタンプホースが愚直に突進してくる。

「まずは私、火魔法!」

 その鼻っ面に、キュールが魔法をとばした。

 火魔法は直撃するけど、それでもスタンプホースは止まらない。やっぱり魔法が効きにくいって、厄介ね。

 でもポリシャとランゾも、ひるまずに踏み込む。次はランゾの槍がスタンプホースを突いた。けれどそれを踏み潰すように、スタンプホースが足を上げる。

 ランゾは攻撃しつつ身をかわした。すれすれのところで攻撃をかわしている。上手い。

「ゲイザースラッシュ!」

 その脇から、ポリシャが剣で攻撃した。その一撃で相手の体から血が飛ぶが、傷は浅い。

「ヒヒーン!」

 今度はスタンプホースがポリシャを蹴ろうとした。その攻撃を、ポリシャが剣で上手く弾きつつかわす。

 その隙を狙って、キュールとランゾが攻撃を与える。

「火魔法!」

「ショックランス!」

 スタンプホースにどんどんダメージが入っていく。

 この調子ならいけるかも。と思ったところで、スタンプホースが暴れ出した。

「ぐ!」

 スタンプホースの体当たりが、ポリシャに当たる。ポリシャはこれも剣で上手くしのごうとしたけど、パワー負けして倒れる。

「ヒヒーン!」

 スタンプホースはそのチャンスを逃さず、ポリシャを踏み潰そうとした。

「こんな、ところで!」

「風魔法!」

 そこで、キュールが風魔法をポリシャに当て、その力でポリシャの体を吹き飛ばした。

 間一髪のところでスタンプホースの攻撃を回避する。けれどスタンプホースは次に、キュールの元へ向かった。

「風魔法!」

 キュールは風の勢いを借りて走る。でも、スタンプホースからは逃げ切れそうにない。

 けれどキュールはランゾの方へと走っていた。だからここで、ランゾの槍が届く。

「ヘビーランス!」

 その一撃がスタンプホースの片目に直撃した。

 けれどそれでもスタンプホースは倒れない。

「ぐ!」

 ランゾは蹴りを槍で防御するも、その衝撃で軽くふっとばされる。

 更にスタンプホースがランゾに狙いを変えて走った。その勢いは今まで以上だ。

「ランゾ!」

 そこで、ポリシャが駆けつける。

「ああ!」

 ランゾは槍を握りしめ、カウンターを狙いに出る。

「ヒヒーン!」

 そして、スタンプホースがまずポリシャを蹴り飛ばそうとした瞬間。

「パリィ!」

 ポリシャがそう言って、剣で相手の足を弾き飛ばした。

 それで、スタンプホースの体勢が崩れる。

 そこを、三人は見逃さなかった。

「ヘビーランス!」

「火魔法!」

「ゲイザースラッシュ!」

 全ての攻撃が通る。

 すると、スタンプホースは倒れた。


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