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冒険者はまだ見ぬロマンを求めて  作者: 片山武琉
第一章 魔女と銀の笛

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第一章60 『次なる冒険へ』


 魔女との戦いから、数日が経った。


 グランベルでは今日も、朝早くから復旧作業が続いていた。


 壊れた建物の前では職人たちが新しい木材を組み、崩れた街路では兵士や冒険者が瓦礫を運んでいる。


「ルイス! そっちの木材頼む!」


「分かった!」


 呼ばれたルイスは、地面に置かれていた長い木材の端を持ち上げた。


 反対側を二人の男が抱え、三人で崩れた家の前まで運んでいく。


「ここでいい?」


「ああ! 助かった!」


「ふぅ……」


 木材を下ろしたルイスは、額に浮かんだ汗を腕で拭った。


 魔女との戦いは終わった。


 巨大魔獣も。


 セージも。


 もうグランベルを直接脅かすものはいない。


 けれど、戦いが終わったからといって、次の日から何もかも元通りになるわけではなかった。


 壊れた家は直さなければならない。


 崩れた城壁も。


 傷ついた道も。


 人々の暮らしも。


 一つずつ。


 時間をかけて取り戻していくしかない。


「大変だな……」


 ルイスが街を見渡していると、背後から聞き覚えのある大声が飛んできた。


「おーい! ルイス!」


「ん?」


 振り返ったルイスの目に、一台の馬車が映る。


 その横では、がっしりとした体格の男が大きな荷箱を荷台へ積み込んでいた。


「オリバーのおっさん!」


「おう!」


 オリバーはルイスに気づくと、いつもの豪快な笑みを浮かべた。


「元気そうじゃねぇか!」


「オリバーのおっさんも!」


「俺は商人だからな! この程度でへばってたら商売なんざできねぇよ!」


「そういうもの?」


「そういうもんだ!」


 笑いながら答えるオリバーの後ろでは、馬車の荷台にいくつもの木箱や袋が積まれている。


 ルイスは不思議そうにそれを眺めた。


「でも、こんなに荷物積んで何してるんだ?」


「見て分からねぇか?」


「荷物運び?」


「半分正解だ!」


「半分?」


 オリバーは最後の木箱を積み込むと、腰に手を当てた。


「街を出る準備だよ」


「え?」


「しばらくグランベルを離れることにした」


 ルイスは驚いて、積み上げられた荷物を改めて見た。


「店は?」


「閉めるわけじゃねぇよ。落ち着いたら戻ってくるさ」


 オリバーもグランベルの街へ視線を向ける。


「ただ、今はまだ復旧の真っ最中だ。必要な物資を仕入れに行くって意味もあるし、商売人として外の街との繋がりを作っとくのも大事だからな」


「なるほど」


「それにな」


 オリバーは懐から折り畳まれた地図を取り出した。


「ちょうど面白い話を聞いた」


「面白い話?」


 その一言だけで、ルイスの目が地図へ吸い寄せられる。


「お前、分かりやすいなぁ」


「何が?」


「何でもねぇよ」


 オリバーは笑いながら地図を広げ、グランベルから離れた場所を指で示した。


「俺が次に向かうのはこの辺りだ」


「ここ?」


「ああ。馬車なら数日ってところだな」


「へぇ……」


 ルイスは地図へ顔を近づける。


「で、何が面白いんだ?」


「どうもこの街の近くで、とんでもない遺跡が見つかったらしくてな」


「今は冒険者が次々に集まっている。商売人にとっても大きなチャンスだ」


「……遺跡?」


 ルイスの橙色の瞳が僅かに大きくなる。


「ただの古い建物じゃねぇぞ。まだ中の全容すら分かってねぇ、かなり大きな遺跡らしい」


「中に入った人は?」


「いるらしいが、調査は始まったばかりだ。何があるか分からんから、今じゃ冒険者が次々と集まってる」


「何があるか……分からない」


 ルイスが呟いた。


 その顔を見て、オリバーが口元を上げる。


「どうだ?」


「……」


 ルイスは地図を見つめた。


 遺跡。


 まだ調べられていない場所。


 誰が作ったのか。


 何のために作られたのか。


 その奥に何があるのか。


 まだ。


 誰も全部は知らない。


「……面白そう」


「だろ?」


「すっごい面白そう!」


 さっきまで復旧作業で疲れていたはずなのに。


 ルイスの顔から疲れが吹き飛んでいる。


「行きたい!」


「即決かよ!」


「だってまだ何があるか分かってないんだろ!?」


「まあな」


「だったら行きたい!」


 ルイスは地図の場所をもう一度確認する。


「俺もその街に行く!」


「はははっ!」


 オリバーが大きく笑った。


「やっぱりお前はそう言うと思ったよ!」


「なあ、オリバーのおっさん!」


「あ?」


「また馬車に乗せてくれない?」


「構わんぞ」


「本当!?」


「ただし」


 オリバーが人差し指を立てる。


「荷物運びは手伝ってもらうからな!」


「任せろ!」


「じゃあ明日の朝、東門だ」


「分かった!」


 ルイスは大きく頷いた。


 次の行き先。


 ついさっきまで何も決まっていなかったものが。


 たった今。


 決まった。


 知らない街。


 まだ調べ尽くされていない遺跡。


 どんな場所なのか。


 誰がいるのか。


 何が待っているのか。


 考えるだけで。


 胸の奥が高鳴っていく。


 ――――――――――


 その日の午後。


 ルイスは冒険者ギルドへ来ていた。


 明日にはグランベルを出る。


 その前に依頼の精算や登録情報を確認しておこうと思ったのだ。


 扉を開けると、以前と変わらない喧騒がルイスを迎えた。


 まだ街が復旧途中だからか、普段より冒険者の数は少ない。


 それでも。


 依頼を探す者。


 酒を飲みながら話す者。


 受付で報告をする者。


 少しずつ。


 ここにも日常が戻り始めている。


「ルイスさん」


「ん?」


 受付から声を掛けられた。


 この街へ来てから何度も世話になった受付嬢だった。


「こんにちは!」


「こんにちは」


 受付嬢は笑顔で答えたあと、ルイスの荷物へ目を向ける。


「もしかして、もう出発されるんですか?」


「明日の朝!」


「そうですか……」


 受付嬢は少し寂しそうに笑った。


「カイルさんも、先に街を出られたそうですね」


「うん。魔塔に戻るって」


「そうでしたか」


 それから。


 受付嬢は少しだけ懐かしむようにルイスを見る。


「短い間でしたけど、本当にいろいろありましたね」


「……そうだな」


 ルイスも頷いた。


 最初にこのギルドへ来た時。


 依頼のこと。


 冒険者ランクのこと。


 魔石のこと。


 街灯や日常で使われている魔道具にも魔石が利用されていること。


 知らないことをいくつも教えてもらった。


 依頼を受け。


 魔獣と戦い。


 カイルと出会い。


 炎を覚えた。


 そして。


 リュートやセージと向き合った。


「最初に来た時は」


 受付嬢が苦笑する。


「随分と危なっかしい子が冒険者になったものだと思いました」


「そんなに!?」


「そんなにです」


「俺、結構強かったぞ?」


「強いことと危なっかしくないことは別です」


「そうなの?」


「そうなんです」


 受付嬢はきっぱりと言った。


 だが。


 すぐに表情を柔らかくする。


「でも」


「?」


「今は少しだけ、冒険者らしい顔になりましたね」


「……本当?」


「はい」


 ルイスは嬉しそうに笑った。


「そっか!」


 その時。


「あ」


 受付嬢が何かを思い出したように声を上げた。


「そうでした」


「何?」


「ルイスさんにお渡しするものがあります」


 受付嬢は机の下から一枚の書類と、登録証を取り出した。


「これです」


「?」


 ルイスが差し出された書類を覗き込む。


 そこには自分の名前と。


 その隣に。


「……Dランク?」


 見覚えのない文字が記されていた。


「え?」


 ルイスは顔を上げる。


「俺、Eランクじゃなかった?」


「今まではそうです」


「じゃあこれ間違ってる?」


「間違っていません」


「え?」


 受付嬢が少しだけ笑う。


「ルイスさん」


「Dランクへの昇格が正式に認められました」


「……」


 数秒。


 ルイスは固まった。


「俺が?」


「はい」


「Dランク?」


「はい」


「本当に?」


「何回聞くんですか」


「だって!」


 ルイスはもう一度書類を見る。


「なんで!?」


「今回の事件での功績を受けて、ジョージ・グランベル領主から推薦がありました」


「ジョージさんが?」


「はい。ただし、領主様の推薦だけでランクが決まるわけではありません」


 受付嬢は書類を指で示した。


「これまでの依頼達成実績、Eランク昇格後の活動内容、巨大魔獣との戦闘、そして今回の西の森での功績。それらをギルド側でも確認した上で、Dランク相当と判断されました」


「……」


 ルイスは言葉を失いながら、登録証を見る。


 Fランクから始まった。


 依頼を受け。


 少しずつ実績を積んで。


 Eランクになった。


 そして今。


 Dランク。


「俺」


 ルイスは自分の右手を見る。


 短剣を握った。


 何度も転んだ。


 魔獣と戦った。


 カイルに炎を教えてもらった。


 ジョージたちと戦った。


 リュートと一緒に。


 セージを止めた。


「……Dランクか」


「おめでとうございます」


 受付嬢の言葉に。


 ルイスの顔が一気に明るくなった。


「やった!!」


「わっ!」


「Dランクだ!」


「ギルドの中で叫ばないでください!」


「でもDランク!」


「分かりましたから!」


 周囲の冒険者たちが何事かと振り返る。


 それでもルイスは気にしない。


「嬉しいな!」


「そんなにですか?」


「うん!」


 ルイスは新しくなった登録証を見る。


「だって」


「俺が冒険者になって」


「ちゃんとやってきたって認めてもらえたってことだろ?」


「……」


 受付嬢は一瞬だけ目を丸くして。


 それから。


 優しく笑った。


「そうですね」


「少なくとも」


 少しだけ意地悪そうに続ける。


「もう駆け出しではありません」


「おお!」


「ただし」


「?」


「危なっかしいところは変わっていません」


「なんで!?」


「今回の報告を聞いたからです」


「……」


「巨大魔獣の胸へ突っ込んだそうですね」


「……はい」


「魔女にも突っ込んだそうですね」


「……はい」


「炎を使いながら」


「はい……」


 少しずつ。


 ルイスの声が小さくなる。


「Dランクになれば、これまでより危険な依頼を受けられるようになります」


 受付嬢は真剣な表情でルイスを見た。


「だからこそ」


「自分の命を大切にしてください」


「……うん」


「冒険者が依頼を成功させるために一番必要なのは、生きて帰ってくることです」


「生きて帰る……」


「はい」


 ルイスは少しだけ考えた。


 カイルにも。


 似たようなことを何度も言われた気がする。


「分かった」


 今度は。


 ちゃんと頷いた。


「俺」


「これからもっと強くなる」


「はい」


「もっといろんな場所に行く」


「はい」


「だから」


 ルイスは登録証を握る。


「ちゃんと生きて」


「全部見てくる」


 受付嬢が微笑んだ。


「それなら安心です」


「たぶん!」


「たぶんを付けないでください!」


「努力する!」


「そこは約束してください!」


 ギルドの中に。


 二人の笑い声が響いた。


 ――――――――――


 夕方。


 復旧作業を終えたリュートは、監視役の騎士と共に街路を歩いていた。


「リュート!」


「……?」


 呼ばれて振り返る。


 すると。


 向こうからルイスが走ってくる。


「ルイス?」


「いた!」


「どうしたの?」


「探してた!」


「僕を?」


「うん!」


 ルイスはリュートの前で止まり、少し息を整える。


「明日」


「グランベルを出ることにした」


「……」


 リュートの目が少しだけ大きくなった。


「明日?」


「ああ」


「オリバーのおっさんの馬車で」


「……そっか」


 リュートは少し寂しそうに笑った。


「次、決まったんだね」


「うん!」


「遺跡が見つかった街に行く!」


「遺跡?」


「まだよく分かってないらしい!」


「……それだけで行くの?」


「だから行くんだよ!」


「……」


 リュートは呆れたように。


 それでも少し楽しそうに笑った。


「ルイスらしいね」


「だろ?」


「褒めてないけど」


「なんで!?」


 二人は笑う。


 だが。


 その笑いが収まると。


 少しだけ。


 寂しい沈黙が残った。


「じゃあ」


 リュートが口を開く。


「ここでお別れなんだね」


「……うん」


 今度は。


 ルイスもすぐには笑わなかった。


 馬車で出会った。


 街で再会した。


 森では敵として向き合った。


 それでも。


 最後には。


 同じ相手を止めるために戦った。


「でもさ」


 ルイスが言う。


「別れるだけだろ?」


「え?」


「もう会えないって決まったわけじゃない」


「……」


「カイルにも言ったんだけど」


 ルイスは笑った。


「世界は広いから」


「どっかでまた会えるかもしれない」


「……」


「ルイスらしいね」


「最初から最後まで」


「そうか?」


 リュートが笑う。


「でも」


 その笑顔が。


 少しだけ柔らかくなる。


「僕も」


「また会いたい」


「じゃあ決まり!」


「何が?」


「また会う!」


「そんな簡単に決められる?」


「決めればいいだろ!」


「……」


 リュートは一瞬。


 目を丸くした。


 そして。


 小さく笑った。


「そっか」


「決めてもいいんだ」


「ああ!」


「じゃあ」


 リュートは胸元の笛へ触れた。


「僕も決める」


「何を?」


「いつか」


 リュートはグランベルの街の向こう。


 その先に広がる空を見る。


「ちゃんと自分がしたことと向き合って」


「ここを出てもいいって言われたら」


「……」


「僕も」


「自分で行きたい場所を探してみたい」


「!」


「セージに言われた場所じゃなくて」


「僕が行きたいところ」


「僕が見たいもの」


「僕が知りたいものを」


 ルイスの表情が明るくなる。


「それ」


「冒険じゃん!」


「……そうなのかな」


「そうだよ!」


 ルイスは迷わず答えた。


「だったら」


 右手を差し出す。


「その時」


「一緒に冒険しようぜ!」


「……」


 リュートは差し出された拳を見る。


「僕と?」


「うん」


「魔獣とか出るかもしれないよ?」


「冒険だし!」


「危ない場所かもしれない」


「冒険だし!」


「何があるか分からないよ?」


「最高じゃん!」


「……ふふっ」


 リュートはとうとう笑い出した。


「やっぱり」


「ルイスは変だよ」


「なんで!?」


「でも」


 リュートも拳を上げる。


「うん」


「その時は」


 ――コツン。


 二人の拳が。


 軽く触れ合った。


「一緒に行こう」


「約束な!」


「うん」


 リュートは笑った。


「約束」


「じゃあな!」


「もう行くの?」


「明日の準備しないと!」


「忘れ物しないようにね」


「カイルみたいなこと言うなよ!」


「きっとみんなそう思ってるよ」


「そんなに!?」


「うん」


「ひどい!」


 文句を言いながら。


 ルイスは走っていく。


「ルイス!」


「ん?」


 呼ばれて。


 振り返る。


 リュートは。


 胸元の笛へ手を添えながら。


「またね」


 そう言った。


 ルイスも。


 大きく笑う。


「おう!」


「また!」


 そして。


 今度こそ。


 二人は反対方向へ歩き出した。


 ――――――――――


 翌朝。


 グランベル東門。


 空はよく晴れていた。


「遅いぞ、ルイス!」


「ごめん!」


 オリバーが馬車の御者台から叫ぶ。


 ルイスは大きな荷物を背負いながら、門へ向かって走っていた。


「忘れ物した!」


「やっぱりか!」


「一回だけ!」


「昨日のうちに準備しとけ!」


「したんだって!」


「じゃあなんで忘れるんだ!」


「分かんない!」


「胸張って言うな!」


 門番まで笑っている。


 ようやく馬車へ辿り着いたルイスは、荷物を荷台へ放り込んだ。


「よし!」


「本当に全部持ったか?」


「……」


「確認しろ」


「ちょっと待って!」


「ほらみろ!」


 荷物を確認する。


 短剣。


 食料。


 水。


 財布。


 冒険者登録証。


「……大丈夫!」


「本当だろうな?」


「たぶん!」


「もう知らん!」


 オリバーが呆れたように手綱を持つ。


 ルイスは馬車へ乗り込もうとして。


 ふと。


 足を止めた。


「……」


 振り返る。


 グランベル。


 初めて来た時には。


 ただ。


 金を稼ぐために立ち寄るつもりだった街。


 それなのに。


 いろんな人と出会った。


 オリバー。


 カイル。


 ジョージ。


 リュート。


 そして。


 セージ。


 魔獣と戦った。


 炎を覚えた。


 誰かと一緒に戦うことも知った。


 別れることも。


 自分で選ぶことも。


 ここで。


 たくさんのものを知った。


「ルイス?」


「今行く!」


 馬車へ飛び乗る。


「よし」


 オリバーが前を向いた。


「出るぞ!」


「おう!」


 手綱が鳴り。


 馬車がゆっくり動き出す。


 グランベルの門を抜け。


 街道へ。


 少しずつ。


 街が遠ざかっていく。


 ルイスは荷台から身を乗り出し、しばらくその景色を眺めていた。


「寂しいか?」


 御者台からオリバーが尋ねる。


「ちょっと!」


「戻るか?」


「戻らない!」


 即答だった。


「なんでだ?」


「だって」


 ルイスは前を見る。


 街道。


 その先には。


 まだ見たことのない場所が続いている。


「次があるから!」


 遺跡。


 知らない街。


 新しい人。


 新しい景色。


 そこにはきっと。


 まだルイスの知らないものが。


 山ほど待っている。


 ルイスは腰の短剣へ触れた。


 そして。


 少しだけ右手へ意識を向ける。


 ――ボッ。


 手のひらに。


 小さな炎が灯った。


 以前よりも。


 ずっと自然に。


「……よし」


 炎を消す。


 これも。


 まだ途中だ。


 冒険者としても。


 戦う力も。


 炎も。


 旅も。


 全部。


 始まったばかり。


「オリバーのおっさん!」


「なんだ!」


「遺跡ってどんなのだと思う!?」


「知らん!」


「宝とかあるかな!?」


「あるんじゃねぇか?」


「誰も見たことない場所とか!」


「あるかもな!」


「すげぇ!」


「まだ何も分かってねぇぞ!」


「だからだよ!」


 ルイスは。


 どこまでも続く街道を見つめながら。


 笑った。


 地図には。


 街の名前がある。


 道がある。


 山がある。


 森がある。


 けれど。


 そのすべてを。


 本当に見た者だけが知っている景色がある。


 地図にだって載っていない場所がある。


 まだ誰も知らないものがある。


 なら。


 見に行けばいい。


 自分の足で。


 どこまでも。


 世界には。


 まだ見ぬロマンが。


 いくらでも待っているのだから。


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