51●外資系AI出版社はラノベ界の黒船になるのか?:①電子出版の大波。
51●外資系AI出版社はラノベ界の黒船になるのか?:①電子出版の大波。
こんなニュースがネットにありましたね。
●アルゴリズム分析で「売れる本」量産、83億円調達のAI出版社日本上陸へ
2023年8/20(日) 8:00配信 Forbes JAPAN
Inkittはアマチュア作家が小説を投稿、公開できる無料プラットフォームを提供するスタートアップだ。同社はInkittに掲載された小説の「読者による読まれ方」をアルゴリズム分析し、「ヒットセラーになりそうな」小説を選択、別に運営する有料アプリ「Galatea」で正式に公開するというシステムに乗せて刊行物を次々に世に問うている。
つまりInkittは、読まれる小説の卵のデータを「読者から」収集、データ解析、選別したのち、有償で販売する、という、古い出版業界の度肝を抜くような新規のビジネスモデルで大成功している出版社なのだ。
同社のコミュニティにはこれまでに少なくとも、700万人の読者と30万人の作家が参加している。また、コロナ禍の「巣ごもり」期間で読書をする人が増えたこともチャンスとし、5900万ドル(約83億円)の資金調達を達成して話題を呼んだ。
(中略)
同社チーフ・インターナショナライゼーション・オフィサーのエマ・トナー(Emma Tonner)氏に、日本でのローンチ計画についてインタビューしてみた。以下がトナー氏からの回答である。
──日本上陸はいつを計画しているか?
今年10月~年内には日本の読者にわれわれのコンテンツを紹介する計画で、その土台作りをすでに開始している。
(中略)
──初年度はどれくらいの規模のビジネスを計画しているか?
初年度で200万人の読者を獲得できると予測している。最初の数カ月はまず、世界の作家たちが書いた既存のトップ・コンテンツを楽しんでもらいたい。そして2024年からはInkittに日本人作家を呼び込み、日本オリジナルのコンテンツも充実させていく予定だ。
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なるほど、海外からやってくるのか!
要するに、“小説家になろう”や“カクヨム”みたいな、小説投稿サイトの国際版で、投稿作品からヒットしそうなものをAIによって選び出し、有料アプリの「Galatea」に掲載することで、実質的な“有料電子出版”をしてくれる……ということだろう。
(すみません、私は国際電子出版の知識が乏しいので、理解が不正確な点が多々あると思います。その節はなにとぞお許しを……)
で、ネット検索してみると、「Inkitt - The Reader-Powered Publisher」という名で玄関のページが開き、SF、ファンタジー、冒険小説など各種のジャンルで投稿作品が読めます。
英文ですが、ありがたいことにページを開いたら即、日本語に翻訳されます。
ちょっとぎこちない、“妖しいニホンゴ”ではありますが、作品を読めますね。
ただ、2023年9月1日現在、まだウィキペディアの解説ページが立ち上がっていないようですので、「Inkitt」に関する国内の普遍的な認識は、まだまだこれからというところでしょうか。
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「HON.jp」サイトの2016年5月6日付け「 hon.jp Staff hon.jp DayWatch Archive, 海外ニュース」によりますと……
「Inkitt.comは2015年にオープンしたばかりの英語圏向け電子書籍コミュニティサイトで、審査員やレビュー数にたよらず、詳細なビッグデータ分析のみで商業化に向く作品を選出することを企画。その第1号としてファンタジー小説作品「Bright Star」(著:Erin Swan)が選ばれ、SF小説出版社Tor Books(本社:米国ニューヨーク州)と提携し……」とあります。
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“小説家になろう”のスタートは2004年、投稿作品が商業出版で盛んに書籍化されるのは2010年代に入ったあたりからです。
“カクヨム”は2016年の開始ですから、2015年にスタートした「Inkitt」と轡を並べているって感じでしょうか。
「Inkitt」から商業出版にこぎつけたSF小説「Bright Star」(著:Erin Swan)は、洋書として国内購入できるようですね。
とはいえ「Inkitt」がいかなる性格のサイトなのか、まだ、あまりにも情報不足、来年にかけて日本上陸が進められて国内専用サイトがオープンしてから、参加不参加を検討しようかと思っています。
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そこで期待するのは、海外からやってくる「Inkitt」が、国内の出版業界にとって、刺激的な黒船になってくれるかどうか、ということ。
電子出版の世界に大変革をもたらす新風となるなら、大いに歓迎ですね。
というのは……
いわゆる“出版不況”がながらく慢性化した感のある国内出版業界。
そこに転機が欲しいからです。読み手としても、切実に、欲しい。
特に、電子出版の分野にです。
マイナカードにまつわるトラブルが累積し、「デジタル後進国」をすっかり露呈してしまったわれらがニッポン。
特にマイナ保険証。あまりの信頼性のなさに、「資格確認書」なる紙のカードを新たに発行するというけれど、それなら現行の保険証のままでいいじゃない? ……という初歩的な疑問がいまだに解決されていない。むしろ、紙のカードでいいから、顔写真をつけて、怪しい外国人さんとかの「なりすまし」を防ぐ方が急務では……?
正直、情けない……
一事が万事、事程左様に、この国はデジタルに弱い。
だから心配されるのは、電子出版の今後の行方ですね。
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例によって、出版科学研究所のデータです。
〈紙の書籍(雑誌は除外)の市場推移〉
2014年:7544億円 → 2019年:6723億円 → 2022年:6497億円
2020年以降のコロナ禍による“巣ごもり現象”で家庭内の読書機会が増えたと思うのですが、伸びたのは児童書や図鑑類にとどまり、全体はじわじわ減少中。書店数の減少もマイナスに響いていますね。なるほど“出版不況”なのでしょう。
〈電子コミックの市場推移〉
2014年:887億円 → 2019年:2593億円 → 2022年:4479億円
コロナ禍の“巣ごもり現象”で爆発的に伸びたのは電子コミックですね。前述の「神の書籍」と比べると伸び方が歴然。2014年からの八年でなんと五倍になっています。このままの伸び率でいきますと、あと三年ほどで「紙の書籍」を追い抜いてしまうかもしれません。
一方、文字を主体とする電子書籍は……
〈電子書籍の市場推移〉
2014年:192億円 → 2019年:349億円 → 2022年:446億円
伸びてはいるのですが、数字がそもそもヒトケタ小さいですね。電子コミック市場の一割程度にとどまります。
でも、ここに注目しています。
どうして電子書籍は伸び悩んでいるのか? ということです。
なるほど、電子コミックが伸びるのは納得できます。
スマホの小さな画面でも、読み取りやすい。
そもそも画面が美しい。特にカラーの場合、紙のコミックよりも断然キレイ!
コミックの電子出版社があの手この手でセールを仕掛け、無料の試し読みも大充実。お得感満載の告知がCMで続々。
今、書店の店頭には並ばない懐かしのヴィンテージコミック作品が無料か低価格。
単行本で十巻二十巻と出ているロングヒット作品を一巻からパッと読める。
対して、もっぱら文字の電子書籍は、なぜ、売れ行きが今一つなのでしょうか?
文字を読むには、スマホ画面が小さすぎるかもしれませんが、それ以上に……
【次章へ続きます】




