47●『NieA_7』貧乏な君たちはどう生きるか?:貧乏なラノベ書きはどう生きるか?
47●『NieA_7』貧乏な君たちはどう生きるか?:貧乏なラノベ書きはどう生きるか?
ということで……
貧乏はもう全然、他人事ではありません。
低賃金と狂乱物価と悪魔の消費税が、私たちの首を絞め続けています。
趣味や実益でラノベなどを嗜む皆様は、いかがお過ごしでしょうか?
生活は豊かですか、貧しいですか? 未来への希望、ありますか?
世のラノベの内容と、社会の貧富は無関係と言えるでしょうか?
20世紀なら、「一億総中流」なる言葉もあり、今は貧乏でも「♪そのうちなんとかなるだろう」と口ずさむ心の余裕があり、何よりも未来への希望がありました。
しかし21世紀も四半世紀が過ぎようとする今、20年前に貧乏だった人は誰もが努力したはずなのに、今も貧乏なまま中高年を迎えているケースが多いでしょう。
「生涯現役で生涯貧乏」な人、ゾッとするほど増えていることは確かです。
ある程度豊かだったら、みんな安心して結婚してますし、この国、少子化で困ってるはずがないですから。
少子化対策として、出産一時金の給付を増やすとか、こども園の待機をなくすとか、高校までの授業料を無償化するなどの施策があるようですが、いずれも少子化対策としては完敗に帰するでしょう。
それらは、すでに結婚し、生活を維持している、どちらかといえばリッチな人たちにとって役立つ政策であって、それ以前の段階の「低収入ゆえ結婚できない」貧困層には無意味な愚策だからです。
これからは独身かつ貧乏なワーキングプアのまま、年金受給年齢に達する人が、続々と出てきます。年金が少なすぎて生活保護を申請するケースが激増し、そのため生活保護の財源が不足し、給付水準が激減するかもしれませんね。
その逆に、低所得層の年収が増えて、税金や社会保障費の負担が減れば、結婚できる人が増え、人口は何もしなくても増加するでしょう。
解決策は簡単です。
①派遣労働を廃止し、非正規雇用を制限する。
②消費税をやめて物品税に戻す。
③国債の借金を返すための国債発行をやめる。
つまり、バブル以前の“健全な昭和”に戻ることです。
やればできますよ。五輪や万博や花火大会みたいな公共イベントの無駄遣いをスッパリやめて、国会議員の数を十分の一に減らし、全国区のみの選出とする。これで議員さんの、領収書不要のお手当ても政党交付金も十分の一になる。地方議員の数も十分の一に減らし、町や村を廃止して市に統合。海外へのバラマキODAなんかをなくして、金食い虫のナントカ競技場など五輪なんかのハコモノレガシーを全部民間に売却することです。
まあ、できないでしょうけど。いや、やらないでしょうけど。
さらなるサラリーマン増税が危惧される2023年の今、この国の貧乏脱出はまったく期待できません。
私たちは自力で「生涯貧乏」に備えなくてはならないのです。
消費税は魔物です。
できる限り買い物は控えて(値引き品を探して)節税することです。
「中古品」の売買には消費税がかからないとか。新品をやめて中古品をじっくり選んで妥協することです。
家は、ローンで新築するのでなく、キャッシュで中古を買うとか。
毎年、激甚災害が発生しています。ローンを組んで新築の家を買っても、洪水に流されて借金だけが残る悲劇、いくらでもあったでしょう。
そして、必ず投票することです。
いかに貧乏でも、清き一票は、まだ、今のところは平等なのですから。
そう、今のところは……
*
その意味でも、「貧乏」をテーマに据えたラノベ、あってもいいように思います。
私たちの身近な、切迫した問題であるのですから。
たとえば、かつてのチャップリンの映画作品のように。
貧乏ゆえに大望を抱いて下剋上しようとするけれど失敗し、しょせん己の弱さはこんなものだと自覚して、自らを笑い飛ばし、「富と権力」とは異なる物差しで生き抜いて、拝金の亡者をさらに笑い飛ばすお話ですね。「幸せ」ってなんだっけ? と自問しつつ。
普遍的な価値観はあります。
ディケンズの『クリスマス・キャロル』やケストナーの『飛ぶ教室』とか。
またO・ヘンリの作品なんか、貧乏対策のメンタルバイブルみたいなもの。
『最後の一葉』『賢者の贈り物』『天窓のある部屋』『桃源郷の短期滞在客』……
また日本では、戦後から1960年代にかけての昭和の青春映画で何度となく描かれてきたテーマであることも、以前の章で述べさせていただきました。
それら昭和の青春映画のメッセージは……
「貧しくても心豊かに」に尽きると思います。
幸せは、貧富の格差とは別なところに存在する。
これ、きっと世界共通の価値観ですね。
この思想は、その後、映画産業が低迷しTVが隆盛を極める時代にあって、アニメ作品に受け継がれていきました。
いわゆる“名作劇場”です。『フランダースの犬』『母をたずねて三千里』『アルプスの少女ハイジ』『若草物語』『小公女』『家なき子レミ』……群を抜く傑作は『ペリーヌ物語』でしょう。
貧乏でも、そのことで心が折れることなく、幸福を追求するには、どうしたらいいのか。アニメの名作劇場は、静かに語ってくれましたが……
「貧しくとも心豊かに」
その価値観が、21世紀に入ってから、ふいと、見かけなくなりました。
*
貧困と(誇り高く)戦うラノベ。
21世紀の今こそ、読みたい物語です。
正直、21世紀がこんなに酷い世の中になるとは、全く予想していませんでした。
なによりも、「貧困と格差」の問題なんか、軽く解決すると期待していましたし。
それが、ここまで根深く拡大してしまうとは……
「貧困と格差」が蔓延するとともに、貧困ゆえに自暴自棄になって犯罪に走るケースも増加していますね。ホコ天に車で暴走し轢き殺す、電車の中で刺殺する、闇バイトで強盗殺人、ガソリン撒いて放火する……
そんな「おひとりさまテロリスト」みたいな輩が出没する現代。
あらゆる意味で、社会とその人々が歪み、劣化してきたのでは、と。
だからこそ、「貧乏テーマ」のラノベがあれば……と思います。
ただし、コンテストで注目されることはあり得ないでしょうが……
【次章へ続きます】




