42●『NieA_7』貧乏な君たちはどう生きるか?:今こそ新しい貧困テーマ。
42●『NieA_7』貧乏な君たちはどう生きるか?:今こそ新しい貧困テーマ。
暑うおすなァ。
いやもう、正直に「熱い」というべきですよ、昼も夜も全身アッチッチで、フライパンのぐでたま状態。
本日、2023年7月27日。日中の最高気温が軽く37度の“体温越え”で、これが数日続いております。昨日は関東で39度超えとか。
にしても不気味なのは、半世紀前の20世紀には、明らかに、夏はもっと楽だったこと。
たとえば1980年7月の東京の最高気温は、気象庁の統計では(最も暑かった日で)33度C。ただし最高18.5度というお寒い日もあり、7月全体の平均最高気温は27.4度(←これ、最低気温じゃないですよ)。
す、涼しいじゃないか!
美少女が浴衣と団扇で優雅に夕涼みできる、これぞクールなニッポンの夏、エアコンいらずのパラダイスだ……
いや、ですから、明らかに21世紀の気候は異常です。
恐ろしいことです。殺人的です。
私たちの子供や孫世代は、さらに半世紀先を生きていくのですが、いったいどうなることやら。
きっとトーキョーは、『砂ぼうず』(アニメは2004-2005)になっちまうんだ。
あれだよな~、カレーなるブツを満載したタンクローリーが出てくる、アレ。
冷房ガンガンの議事堂できっちりスーツを着ている政治家さんや、冷房ガンガンのスタジオできっちりスーツを着ているキャスターさんたちには、わかンないだろうなァ……
気温40度に届くのに、スーツ着ていられる人たちって、ありゃ宇宙人だよ!?
いや、視聴者としては、見ているだけで暑苦しい。
冷房弱めてアロハにステテコいや短パンでお仕事なさっても、このご時世、よろしいのでは?
それにいつぞや流行ったクールビズ、どこへ行ったんでしょうね?
政府はこの狂気的な異常を直視して、緊急に策を施さなくてはいけないと思いますが……。
少なくとも、貧しい庶民に夏の冷房の電気代を補助してくれないと、引き落とされる八月、九月以降で、生活が破綻する世帯、続出するんじゃないかと思う。
しかし、無策だろうなあ。
SDGsもLGBTQもTPPもPPAP(←ピコ太郎さん)も、少子化対策も、こどもまんなか社会(それなら左右は何なんだろう? 赤と青か、サヨクとウヨクか? 父と母ではないよね、親のいない子供もいるんだし)も結構ですが、何事もぐにゃぐにゃしているうちに、この暑さでとろけて流れてしまいそうです。
私の理解力にとって、極悪なのはSDGs。
外務省さんのHPでは、「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され……」とあるけれど、「17のゴール」とおっしゃる時点で私にはもうアウト。あれ全部間違いなく覚えていますか、関係者でもないのに。グレタさんならぺらぺらと暗唱できるかな? ひとつも頭に入らない私にとっては、17あってもゼロと同じ。だって聖徳太子の「十七条の憲法」だって、その名前しか出てこないですよ。
「骨太の方針」「思いやり予算」「異次元の〇〇」は「政府の三大意味不明」と名付けてあげたいネーミングで、要するに、名前を聞いても内容がチンプンカンプンなのですが、そんな小生のごとき愚民には「より丁寧な説明」をしてくださるらしい。
いや、そんな説明はいらない。どうでもいいからせめて三十一文字以内で、長ったらしい説明抜きで中身のわかるネーミングにしてくれよ。それだけで済むじゃないか? AIに名前つけてもらえば、きっと、上手に要約してくれるでしょうに。
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で、夏が来れば思い出す……
『NieA_7』(ニア アンダーセブン)!
西暦2000年に放映された、全13話の傑作アニメ。
作中の季節が概ね7~8月なので、今が見ごろです。
AT★Xで2023年8月16日(水)から再放送というか、配信されるそうで、見られる方には、これ、見落とせませんね。
どんな作品か、AT★Xの解説を引用しますと……
「舞台は宇宙人がうじゃうじゃいることが当たり前になってしまった近未来。
マザーシップで大挙してやってきた宇宙人たちは、頭に標準装備したアンテナで意志の送受信が出来ることと、耳がとがっている事以外は何ら地球人と変わりなかった。優れた環境適応能力を発揮して、うやむやのうちに地球の日常に馴染んでしまい、人間達もうやむやのうちにそれを受け入れてしまった。
そんな宇宙人バブルもはじけた時代の下町、荏の花地区にある荏の花湯に下宿するまじめな予備校生、まゆ子と自由きままな宇宙人、ニアとのなんともへたれな日常を描くハートフル・銭湯コメディ。」
徹底的に日常なSFなんですね。
しかし、見れば見るほどに味わい深い、奥の広いお話なんだと思います。
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放映されていた西暦2000年7月の最高気温は、最も暑い日で34.9度C、毎日の最高気温の平均は31.6度。
1980年の7月の平均最高気温は27.4度なので、20年で一割増になったということですね。それでも、2023年の今よりも5~6度低いです。
ということで、『NieA_7』(ニア アンダーセブン)は、登場人物こそ「暑い暑い」を連発しますが、じつは、どこか納涼気分すら漂う穏やかな日常風景なのです。早朝の街の風景なんか、かなり、ひんやり感が漂っています。
あくまで個人的見解ですが、『NieA_7』のメインテーマは、これですね。
“貧乏な君たちはどう生きるか”
第1話のオープニングからして、主人公まゆ子のボンビーぶりが炸裂します。
アンダー7宇宙人ニアとの、豚バラ肉の争奪戦。
両者、仁義なき抗争に見えながら、小さな卓袱台を間にして、言いたい放題に自分をさらけ出し、互いに憎み切れない“腐れ縁”的な感情が漂います。
ニアのことをボロクソにけなしつつも、だからと言ってこの居候宇宙人を本気で追い出すことはしない、まゆ子。第12話ではお風呂の中で取っ組み合いができるほど、じつは近しい間柄の二人。
この二人の、コメディな日常に終始する全13話です。
そして全編を貫く、“厳しく明るいボンビー生活”。
第1話で、まゆ子がメモ帳に記している家計収支が映ります。
彼女の生活を支えるのは、新聞配達と、ちいさな個人経営のレストランでウェイトレスなど何でもこなすアルバイトの収入。
しかしそこから予備校の受講料と、定期代など交通費を差し引くと、てんで残りません。
かつかつの食費には、なんとニアの食い扶持まで含まれる始末。
つまり、ギリギリで生存が維持される、タイトロープな日常。
かたや宇宙人。
まゆ子たちの街の近くに、その昔、宇宙人が地球へやって来た時に穿ったというクレーターがあり、そのスリバチの底に“アンダー宇宙人”の村があります。
みな、ベニヤ板で安普請した感じのバラックばかり。
宇宙人というよりは、難民です。
大半、ボンビーなエイリアンさんばかりですね。
SFでよく見る宇宙人のような超能力を持っている人はごくわずからしく、みんな普通の人々、人類社会に溶け込んで、普通に働いています。とあるCMのジョーンズさんみたいかも。
ただし宇宙人社会の中でも、「プラス5からアンダー5」というカーストな等級分けがあり、さらに外見上、頭の上にアンテナがついているか否かで優劣の差をつける偏見が蔓延しています。宇宙人同士ですら、です。
「アンダー宇宙人」はニアによると明らかな差別用語であり、まゆ子にそう呼ばれると人権侵害を訴えて反発します。ふざけているようですが、内心は結構シリアスであることが、物語後半で判明してきます。
しかもニアは、等級外の「アンダー7」であるうえ、「アンテナなし」の、いわば、宇宙人の中でも最下級とみなされる存在。
やっていることは、廃品を集めて業者に売ること、そしてUFOの組み立てです。
およそ、金の儲かる商売ではありません。
このように、『NieA_7』(ニア アンダーセブン)の主人公、まゆ子とニアの生活はひたすら、「貧乏にどう向き合うか」に明け暮れており、全13話すべてが、だいたいそれに尽きます。
だから……
“貧乏な君たちはどう生きるか”
これが作品テーマでありまして、私はジブリの最新作はまだ見ておりませんが、きっとジブリ作品よりもずっとわかりやすい、明瞭な結論を出していると思うのです。
まさに、格差社会たけなわの21世紀の今でこそ、新しいテーマなのですね。
【次章へ続きます】




