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不当なる者世界に仇なす  作者: 黄金の右脚
大魔女う~☆ゲロゲロゴージャス
47/64

第47話 ビッチ合体VSビッチ合体

張り切って書いたら文字数オーバーしてしまいました。

すいません。


 魔王城のだだっ広い庭。

 

 西川(にしかわ) 徳川家光(とくがわけひかり)カブレノ豊臣側(とよとみがわ)と御剣響夜(みつるぎきょうや)がビッチ合体した俺、カブレノ響夜(きょうや)は、かぐや姫達に冤罪かけられて反逆者にされた。

 魔王軍団が大量に押し寄せ、否応なしに戦う羽目に。


「響夜を殺せ! ヤツを殺せばこの馬鹿げた戦いも終わる」

「「「「おう!」」」」

「「「「響夜姫様を殺させてなるものかッ!」」」」


 しかし、俺を慕う美青年軍団がそれに応戦。

 結果、戦いは混乱。

 混戦状態となる。


 双方共気力十分だが。

 双方決め手がなく。戦いは長引き、消耗戦に。


「なんてしぶといんだ、このヤロー!」

「あいにくしぶといのは俺の取り得でね」


 一方、ビッチ合体したサーキう~☆ゲロゲロゴージャスと戦う俺も決め手はなく。長期戦にもつれこむ。


「《ウインドボール》!」

「ガード!」

「動きが鈍いぜ! 隙だらけだ」

「ぐぬ!」

 

 風の球を撃ち出すも。両腕で防がれる。

 けれども、戦況は俺のが押していた。


 単純な力比べでは到底勝ち目はないが。

 すばしっこさならこっちの上。

 そのアドバンテージを生かし、距離をとって翻弄(ほんろう)しながら戦う。


 地味だがこれがベスト戦い方だ。


「必殺空中回し蹴り!」

「ボフッ!」


 後ろで美青年の一人が大技を炸裂。

 まともに食らった雑兵は吹っ飛ぶ。


「ンッ!?」


 あろうことか吹っ飛ばされた雑兵はサーキう~☆ゲロゲロゴージャスの背中に直撃。

 バランスを崩して転倒。


 とんだとばっちり食らったな。


「こんにゃろう! よくもやりやがったな」


 サーキう~☆ゲロゲロゴージャスは雑兵を跳ね除けて起き上がると。美青年を睨み付ける。


「なんの!」


 睨まれた美青年はファイティングポーズをとって臆してないとアピール。

 しかし、足が竦んでてビビってるのが丸わかり。

 格好がつかないな。


「《収納魔法》出し。てめえらザコがウロチョロされっと迷惑だ! 全部ぶっ飛ばす《爆裂魔法》ッ!」

「なっ!?」


 サーキう~☆ゲロゲロゴージャスは収納魔法で魔法の杖を出すと。あろうことかは敵味方が入り混じる場所目掛けて爆裂魔法を発動。

 

 杖の先に光が灯る。

 膨大な光を濃縮した様な、小さくも眩しい光。

 その光が杖の先から放たれた。

 その直後、恐るべき魔法の効果が表れた。


「「「「ギャアアアアアアアアアアッ!」」」」


 突然、雑兵と美青年達が混戦するど真ん中に閃光が走った。

 世界が白くなるような閃光だ。続いて熱風。次に振動。最後に、轟音が耳をつんざいた。

 凄まじい爆風に吹き飛ばされそうになり、俺は足を踏ん張って耐えるも。耐えきれずに後ろにすっ転ぶ。

 

 雑兵と美青年達の絶叫を聞いた。

 この世のものとは思えない、ぞっとするような叫び声。


「これが爆裂魔法……!?」


 起き上がると。目の前にはでかいクレーターができており、雑兵と美青年達の姿はなかった。

 その威力の凄まじさに恐怖した。

 

「なんて事をしたんだ――」


 だが、恐怖も程々に。敵味方を一切考慮に入れず吹き飛ばしたサーキう~☆ゲロゲロゴージャスに怒りを覚えた。

 ヤツの異常さに危機感も覚えた。

 なんとしてもヤツを止めねば。


「「「「アワ、アワァ……ッ」」」」

 

 辛うじて生き延びた者も腰を抜かし、口をパクパクさせていた。

 俺以外の者で、何が起きたのか理解している者は、一人もいなかったに違いない。


「……なんて破壊力だろうか」


 爆裂魔法がどんなものかは知っていた。

 何故なら、俺も爆裂魔法を習得してるから。

   

「無詠唱で放ってあの破壊力。あの人の爆裂魔法を上回るんじゃないだろうか……」


 ちなみに“あの人”とは、俺に爆裂魔法を教えてくれた人。


「……こんな惨劇見たくない。《蘇らせた兵士なのだ》ッ!」


 フルパワーで蘇生スキル発動。

 跡形もなく消滅した者は蘇生できなかったが。およそ九割の者の蘇生に成功。

 多くの命を助けたわけだ。

 我ながらよくやったと思うよ。


「なんだ!? ぶっ殺したヤツらが生き返った!?」

 

 サーキう~☆ゲロゲロゴージャスは目の前の出来事が相当驚いたらしく。目を白黒させてた。


「まやかしだ! もっかいぶっ飛ばす。 二回目の《爆裂魔法》ッ!!」

「最大質力の《エネルギーシールド》! ぐああああああッ!」


 懲りずにサーキう~☆ゲロゲロゴージャスは爆裂魔法を蘇らせた者達目掛けて放つ。


 俺はそれを防ぐべく、エネルギーシールドを発動。

 しかし、やすやすと破られてしまった。


 俺は爆風に吹き飛ばされて横転。

 改めて恐るべき破壊力。


「「「「ウ、ウウッ……」」」」

 

 俺と同じく爆風に吹き飛ばされて生き残った者もいたが。

 その人数は僅か四人。

 偶然にも全員俺を慕う美青年であった。


 しかし全員ズタボロ。

 見るに堪えない。


「一度蘇生した者は、もう二度と蘇生できない……」

 

 多くの命を救えなかった自分の非力さを呪う。


「命ずる。我に応え、我に属し、我に従え」


 追悼の念を抱きつつ、契約の魔石を使用。

 四人を一つの契約の魔石に収納――契約獣とし、匿ってあげる。

 

 契約の魔石はクリスタル状態だと生命維持装置的な機能が働くらしい。

 だからこうするのがベストな選択だと思い、そうした。


「どうだ、おれっピの力を思い知ったか……ゼェゼェ!」

「しめた! あいつスタミナ切れしてらぁ」


 サーキう~☆ゲロゲロゴージャスは力を見せつけ、威張っていたが。明らかに疲労してるのがわかった。

 チャンス到来。


 地形さえも変えてしまう超魔法が無制限に発動できるはずがない。

 爆裂魔法は非常に高く魔力の持ち主でも一日一発が限界。

 あの人も爆裂魔法発動後に魔力切れになり、俺がおんぶして帰る羽目になった。


 その非常に燃費が悪い魔法を二回も使ったんだ。息切れするのも必然。

 今のヤツでは立ってるのがやっとだろう。

 爆裂魔法の破壊力に酔い、膨大な魔力を消費する燃費の悪さも忘れて二回も爆裂魔法を使用したのがヤツの運の尽きだ。


「機会は逃さん。ウヌヌウウウウウウウウッ!」


 ビッチ合体して基本能力が総上げされた今の俺なら爆裂魔法も使えるかもしれない。

 けれども、もし爆裂魔法を使えば関係ない者に被害が及ぶだろう。

 だから敢えて使用しない道を選ぶ。


 一気に急接近し、サーキう~☆ゲロゲロゴージャスを持ち上げる。

 体重がスーパーヘビー級の相手を持ち上げるのは大変だったが。なんとかできた。


「忍法《バッタ跳び》!」


 頭上で逆さに持ち上げ、両腿を手で掴み、首を自分の肩口で支えて大ジャンプ。


「キ〇肉バスター!!」


 選んだ技は、伝説のプロレス技・キ〇肉バスターだ!

 

 最大パワーの忍法バッタ跳びを発動するも。相手がスーパーヘビー級の重量では思っとより高くジャンプできなかったけれど。

 それでも普通の人間がジャンプできる高さではない。着地した衝撃は凄まじい威力となる。


 あとはこの状態で空中から尻餅をつくように着地して衝撃で同時に首折り、背骨折り、股裂きのダメージを与える。


「今度こそフィニッシュだ!」


 空中で勝利を確信したその時である――


「しまった、時間切れ……!」


 ビッチ合体の制限時間経過。

 読んで字のごとく空中分解してしまい、後ろに吹っ飛ぶ。


「ちょっと! これどうしたらいいのよ!?」


 西川はサーキう~☆ゲロゲロゴージャスをロックした状態で取り残されるが。

 あいつが突然の事態を理解できるわけもなく。動揺して掴んでた両腿話してしまう。


「「「ゴッ!」」」


 最終的にバランスを崩した三人は地面に落っこちる。

 魔王城の庭は土むき出しの学校の運動場みたいなので、アスファルトで舗装された地面よかマシだが。

 それでも痛いわ。


「か、体が動かん……ッ!?」

「響夜様、痛いですわ……」

 

 俺も西川も痛みで起き上がれない。

 受け身がとれなかった上、変な体勢で落っこちたからな。打ち身や捻挫したのかも。

 もしそうならヤベーな。


「合体が解けたみたいだな」 


 先に起き上がったサーキう~☆ゲロゲロゴージャスがニタニタ笑いながら見下してくる。

 あれは勝利を確信した時の顔だ。

 ムカつく。


「もうちょっとだってのに……ッ!」


 先に合体した方が先に時間切れになるのは必然だが。

 時間制限忘れてた俺のバカバカバカ!

 どうしてこんなに時間の扱いが下手なんだろう俺……。


「トドメの――」

「《ヒール》!」

「ぬッ!?」


 だが、ヤツも3分以内に確実に合体が解けるはず。

 それまで耐えれば逆転のチャンスはある。


 ヤツが技を繰り出す前に自分と西川に回復魔法を使用。

 まだ痛みは残るものの。なんとか動けるようになる。


「今更回復魔法使ったって勝ち目はねぇ! まとめてあの世に送ってやる」

「グハッ!」


 角を前に突き出して突進し、猛烈な体当たりを仕掛ける。

 俺は回避しようとするも。回避しきれず、角が左の横っ腹を掠った。


「お、お腹が千切れるうううううううううううううう」


 掠った程度にも拘らず。俺の横っ腹は大きく抉られ、緑色の血がボタボタと流れ落ちる。

 あまりの痛さに年甲斐もなく泣きじゃくってしまう。


「響夜様、今助けますわ! 《ヒール》ッ!」


 西川が俺に回復魔法を発動。

 珍しく気が利く。


 傷は瞬く間に塞がり、体力は完全回復。

 そればかりか古傷も完治してるのに加え、太子(たこ)に斬られてしまったブチハイエナの尻尾も再生して元通り。

 おまけに頭はスッキリして体も軽いときた。


「どうなってんだこりゃあ!?」


 本来の回復魔法は人体が自力で治せる傷しか治せない。

 

 俺の傷は自力で治せるギリギリのレベルだが。

 自然治癒で治した場合、傷跡が残る筈。

 だが、それがないのだから西川の回復魔法は別次元の領域。


 あいつプリーストの才能あるのかも。


「凄い力じゃない」

「……バッファ〇ーマンと対決してるみたいだ」


 抵抗を試(こころ)みるも。パワーにものを言わせたファイトスタイルに圧倒されっぱなし。

 とても俺と西川の力では一分間も持ち堪えれそうにない。


 しかし、よしふみくんの恐竜軍団は天使相手に苦戦を続けている。天使のパワーはそれ程に強いのだ。

 助けは期待できそうにない。


「西川、逃げるぞ」

「はいな」

「テレポ――」

「《エルファオルファ》!」

「ちょっ!? おまっ!」


 今更ながら分(ぶ)が悪いと判断。

 逃走を図るべくテレポートを発動しようとするが――


「「「「おわああああああああ!」」」」


 俺がテレポートを発動する前に、西川が異世界移動スキルを発動。

 俺、西川、よしふみくん、とうせん坊、三体の恐竜は、そのまま別の異世界に移動してしまう。


 ◆


「んぎゃ!?」

「んっへぇ!?」


 空間ブチ破って別世界に出てきた俺、御剣響夜並びに西川は大の字で土の地面にぶち当たる。


 一方、ジャイアンザウルスに跨ったとうせん坊とよしふみくんは着地に成功。

 ディサイプルとアプレンティスも着地に成功してた。


「西川、誰が空間移動しろっつった!」

「怒っちゃやーよ」


 起き上がると、怒りに任せて西川の胸ぐらを掴み揺さぶる。


「響夜にいちゃん落ち着いて」

「わかってる! 俺は冷静だ!」


 などと言うものの。よしふみくんに宥められてちょっと落ち着いた。

 もしも宥められなければ頭に血が上りっぱなしだっただろう。

 

 まったく、よしふみくんはできた子だよ。


「取り敢えず三恐竜をしまっとけ」

「はい、響夜にいちゃん」


 嵩張るので、三体の契約獣をクリスタル状に戻させる。


「知らない場所だ……」


 周りを見渡すが見覚えはない。

 そこは妙に開けた土地。

 四方を森で囲まれてたが。ここだけ人の手で切り開いたような土地。


「西川、ここは何処だ?」

「わかりませんわ」


 移動させた本人がわからないのでは、巻き添えを食らった俺にわかる筈もなく。

 途方に暮れる。


「んッ!」 


 途方に暮れてると。何処からともなく鳴り響く法螺貝(ほらがい)の音色。

 なんか嫌な予感。


「「「「おおおおおおおおおおッ!」」」」

「「「「やあああああああああッ!」」」」

「だはあああああああ! 合戦場だぁ」


 東と西から押し寄せる足軽。

 それに続いて馬に乗って侍が戦場を駆け巡る。

 無数の矢が飛び。大砲からは鉄の弾が発射される。



「こりゃあいかん! 一刻も早く逃げねば。西川、もう一度エルファオルファを使え」

「時間制限で六分しないと使えません」

「なにっ!? まさかクールタイムか?」

「たぶんそれだと思います」

「マジか……」


 スキルを使って別世界に逃げようとするも、まさかのクールタイム。

 考えてみれば、今までスキル・エルファオルファを連発した経験はなかった。

 そのせいでスキル・エルファオルファのクールタイムに気づかなかったのだ。


「クールタイムが終わるまで各自逃げ回れ! いいな!」

「「「は、はい!」」」


 やむなく俺達四人は六分間合戦場で逃げ回る羽目に……。


契約の魔石の盲点


 ・契約の魔石は本来、一つにつき一体しか入れられないが。例外として、群れで行動する動物の場合は群れのボスを中心とし、従えれる(カブレノ響夜は美青年の一人を勝手にボス扱いして、強引にこの方法を使用した)

 ・共生や寄生状態の動物もメインとなってる方を契約すれば一体としてカウントされるので、問題なく契約できる。

 ・ただし、それでもできる数は最大で二十体が限界。無制限に使用できるものではない。


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