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不当なる者世界に仇なす  作者: 黄金の右脚
大魔女う~☆ゲロゲロゴージャス
46/64

第46話 魔王弱すぎるぞ

このお話で魔王福の神が戦いますが。

その実力は……。

 

 魔王城のとある一室。


「いいわね、反逆者である響夜(きょうや)とそれに味方する三人を逃がすんじゃないわよ! 特にあのガキんちょを」

「「「「は、はい! かぐや姫様」」」」


 わたくしはかぐや姫。

 部下の雑兵に命令して、二階飛び降りた響夜達を追いかけさせる。

 

 響夜にわたくし達を襲わせ、反逆者に仕立て上げることで。目障りなヤツを排除できる大義名分ができた。

 ここまでは筋書き通り。


「かぐや姫、おめえの言った通りにしたら響夜を陥れるたっピ」

「わたくしの作戦にミスはないわ」


 う~☆ゲロゲロゴージャスがゲラゲラ下品な笑いしてる。

 それもこれもパーティー会場でと事前に打ち合わせした作戦がうまく進んでいるから。

 一芝居打って、響夜を魔王軍から追い出すためのね。

 

 あの女は確実に潰しておかねば、必ずやわたくしに害を及ぼす存在。

 女の勘がそうつげてる。

 だから排除する。それだけの理由。


「ゼハハハハ! おれっピの演技力は世界一だからできたんだっピ♪」


 ウザったくう~☆ゲロゲロゴージャスが自慢話してる。

 下品な女。気品のかけらも感じさせない。

 正直気に入らない。利用するだけ利用して、ボロ雑巾みたいに捨ててやるわ。


「あのクソガキ……!」


 響夜を慕うよしふみとかいうガキんちょを思い出して、怒りが込み上げてきたわ。

 あいつはわたくしをおばちゃん扱いしてくれた。

 うら若き絶世の美女である、このわたくしを……!


 絶対に許さない! 八つ裂きよ!

 惨たらしく殺してやるわ。

 

◆


「「シュタッ!」」


 魔王城の二階から飛び降りた俺、御剣(みつるぎ) 響夜(きょうや)並びに西川(にしかわ)は庭に着地成功。

 背中に担いだとうせん坊を下ろす。

 西川もお姫様だっこしてたよしふみくんを下ろす。


「見つけた」

「こっちにいるぞ!」

「チキショー! またこのパターンかよ」

 

 一旦かぐや姫達を撒くも。所詮はヤツの手のひらの中。

 ぞろぞろとやって来る魔王軍兵にあっという間に取り囲まれる。


 行く当て無かったってものあるが。

 怒りに身を任せて行動したのが最大の失敗か。


「お前ら何をしでかした!?」


 なお、駆けつけた者の中にはレンの姿も。

 また、他の幹部連中もちらほら。

 全員、俺達四人に敵意のこもった視線を向けてる。


「響夜兄さん、悪いけどわたしは魔王軍に味方させてもらうわ」 

「なぬっ!?」


 最も酷かったのは義史(ぎり)ちゃんが俺の味方をしてくれなかったとこだ。

 彼女が日和見主義者だったとは。

 意外と薄情だったんだな。


「「「「響夜、覚悟!」」」」

「「「「貴様ら、響夜姫様になにをする!」」」」

「「「「グギャ!」」」」


 魔王軍兵が一斉に飛び掛かろうとしたが。

 遅れて駆けつけた美青年達がそれを妨害。

 そのまま混戦となる。


「やっぱし戦わねばならぬか……!」


 問答無用で戦う流れになるも。

 相手が大魔女と謳われるう~☆ゲロゲロゴージャス。

 魔法使いの戦法は後方支援タイプ。


 接近戦にもちこめば勝機はある。

 そう思ったが――


「グギャッ!」


 ヤツの戦闘スタイルときたら。『頭より力』みたいに、殴って蹴って相手をボコボコにする力任せなもの。

 急接近して相撲の外掛けを仕掛けるが。その前に内掛けを掛けられて、仰向けに倒される。

 大苦戦してるわけね。


「ドスコイ!」

「なんの!」

「グワッ!」


 力自慢のとうせん坊がぶちかましてのがぶり寄り、怒濤の寄り身を繰り出すも。

 う~☆ゲロゲロゴージャスはそれを簡単に受け止めると。反撃の下手投げ。


「さっさとやられろ!」

「グアッ!」


 とうせん坊はまともに食らって大ダメージ。

 立ち上がろうとするが。その際に頬っぺたに強烈なビンタを二発食らってダウン。

 気を失ってしまって、戦闘不能に追い込まれる。


 これでは『前シリーズの強敵は、新シリーズの強敵の噛ませ犬になる』という、少年マンガの公式にまんまとハマった犠牲者かて。

 まったくもってだらしない。

 俺の仲間こんなヤツばっかだな……。


「よしふみくん、とうせん坊を頼む」

「はい」


 一応、回復魔法を掛けるも。とうせん坊がいつ意識を取り戻すかはわからない。


 そこでよしふみくんにとうせん坊を守りながら戦闘するように指示。

 俺はう~☆ゲロゲロゴージャスの注意を引き付ける。


 正直、守りながら戦うなんて難しいので。ちょっと無理かもと思ったが。

 向かってくる雑兵をそつなくこなしとる。

 よしふみくんは俺よりも戦闘センスあるかも。


「勝てない……」


 勇敢に向かって行ったまではよかったが。

 う~☆ゲロゲロゴージャスは予想を大きく上回る強さ。

 

 牛の亜人のため、怪力を持ち合わせいるのは想像できたが。

 う~☆ゲロゲロゴージャスは牛種の亜人の中でも抜きん出た実力の持ち主。

 総合力ではどうかわからないが。単純なパワーでは太子(たこ)を凌ぐ。

 

 正直、侮ってたよ。


「何事なんだぞぉ!?」

 

 馬鹿騒ぎの御家騒動に、ついには総大将である魔王福の神も出てくる。


「やめるんだぞぉ!」


 戦いをやめるよう叫ぶも。殆どの者は戦いをやめない。

 トップのくせに発言力弱いな。


「やめるんだぞぉ!」

「「「「うるさい! 我々は響夜姫様のために戦ってる! お前に従う理由はない!」」」」

「おうっ!?」


 なおも戦いをやめるように言う福の神に、美青年達が口をそろえて反発。

 これに福の神たじろぐ。


 どうやら美青年達が俺を守るために攻めてるので、魔王軍の皆さん正当防衛しなければならなく。戦いがやめられないらしい。


「うっさい! 黙ってろっピ」

「グエッ!」


 戦いを止めようと奮闘する福の神にう~☆ゲロゲロゴージャスが腹パン。

 カエルが潰れるような悲鳴を上げながら倒れてしまう。


 相手が大魔女という強者であったが。一撃で沈むとか弱すぎだぞ。

 それでも魔王なの。


「西川、合体するぞ!」

「はいな」

「「《ビッチ合体》ッ!」」


 タイマンで勝ち目がないと悟った俺は、奥の手を使うと決める。

 西川も察してくれて、準備はOK

 で、息を合わせてビッチ合体。


「完成! カブレノ響夜」


 合体完了と同時に全速力でう~☆ゲロゲロゴージャスの後ろに回り込む。

 そして――


「カンチョー!!」

「フンギャアアアアアアアアアアッ!!」


 痛烈なカンチョー。

 う~☆ゲロゲロゴージャス堪らずに、尻を押さえて飛び上がる。


「手応えあった」


 我ながら見事に決まった。

 あれは絶対に穴にクリティカルヒットしたな。

 確実にダウンしただろう。


「てめええええええええええええええええ!!」

「ありゃ?」


 う~☆ゲロゲロゴージャス、目を充血させて歯を食いしばりながら睨みつけてくる。

 予想外のタフさだ。

 こりゃあ火薬庫に火を放ってしまった。

 どうしよう……。


「ウガアアアアアアアアアッ!!」

「ゃ!?」


 動揺し、停止状態でいるとフェイス・バスターをまともにくらう。

 合体して耐久性も上がってるんだけど。やっぱり痛いものは痛いわ。


「サーキちゃん、おれっピらもビッチ合体すんぞ」

「いいスね。ぼくちゃんとご先祖様なら相性抜群の合体ができるちゅーに」

「いいノリだ。そんじゃ《ビッチ合体》ッ!」

「誕生、サーキう~☆ゲロゲロゴージャス」


 ダウンしてる隙に彼方(あちら)もビッチ合体。


「あいつもビッチ合体できたの!?」


 なんて言っちゃったけど。

 冷静に考えると。あのスキルはう~☆ゲロゲロゴージャスが開発したスキル。

 ヤツが使えるのも当然か。

  

 しかし――


「プッププー……」


 ビッチ合体した相手の姿に笑いがこみ上げてくる。

 股間に顔ってバカ丸出し以外の何ものでもない。

 自分がやるとカッコ悪くて恥ずかしいものがあるが。自分以外の者がやると滑稽だな。


「隙あり!」

「ンギャア!」


 笑いをこらえてる隙にアルゼンチンバックブリーカー掛けられた。

 油断したよ。


「グガアアアアアアアアッ!」


 凄まじい力で背中を弓なりに反らせられ、たまらず悲鳴を上げる。

 それにしても凄い馬鹿力。サーキちゃんもう~☆ゲロゲロゴージャスも怪力の持ち主だった。

 そんな二人が合体すれば脅威のパワーファイターが誕生するのも必然か。


 このままでは体が真っ二つになってしまう。

 そう思った、その時である――


「響夜にいちゃんをいじめるなああああああッ!」


 突如、ティラノサウルスが突っ込んでくる。

 その背中にはよしふみくんが跨ってる。

 あれは彼の契約獣ジャイアンザウルスだ。

 

 また、バイクで二人乗りのように彼の後ろにはとうせん坊の姿が。

 意識を取り戻してくれたようだ。


「ゴッ!?」


 ショルダー・タックルの要領でにぶち当たる。

 サーキう~☆ゲロゲロゴージャスはロックに意識が集中するあまり防御できず。 

 ボディにまともに食らって、後ろに吹っ飛ぶ。


 しかし、俺も一緒に吹っ飛ばされてしまう。

 でもまあ、関節技が外れたから結果オーライかな?


「どたまに来た! 現れろ、大天使レッドデビル」

「なんだ!? このでかいのは!」


 胸の谷間から契約の魔石を出し、地面に叩きつける。

 全身真っ赤な幼児体型の黒ビキニをまとった女天使が現れた。

 白亜の翼と天使の輪。シルエット的にはステレオタイプの天使だろう。

 

 それにしても大きい。身長は最低でも五メートル以上あるのは確実だろう。


 どうやら決戦用の戦力らしいが。

 天使なのにデビルって名前に付くとは、これ如何に?


「レッドデビル、あの竜を片付けといで」

「オーライ、マイマスター」

「ゴガアアアア!?」


 レッドデビルはジャイアンザウルスに急接近し、掴みかかる。

 そして凄い力で一気に組み伏せる。


 主と同じでこいつもパワーフィルターか。


「よしふみくん、俺の契約獣を使え!」

「お借りします!」


 このままではジャイアンザウルスがやられると悟った俺は、自分の契約の魔石をよしふみくんに向かって放り投げる。

 契約の魔石を受け取ると、直ちに使用。

 スピノサウルスのアプレンティスとカルカロドントサウルスのディサイプルが現れる。


 三大肉食恐竜集結。

 恐竜パワーで天使を取り押さえようとするが――


「我ハ倒セヌ」

「「「!?」」」


 天使はいとも簡単に三大肉食恐竜を跳ね除ける。

 凄い力だ。ヤツは機関車に匹敵するパワーを持ってるのかもしれん。


 それ程の力を持つものが相手では、かつての陸の猛者達も苦戦を強いられる。

 どないしよ……。


サーキう~☆ゲロゲロゴージャスのプロフィール(46話時点で)

・身長279cm 

・体重290kg

 う~☆ゲロゲロゴージャスとサーキ・サワキがビッチ合体した戦士。

 サーキちゃんは相性抜群と思ってるが。実際の二人の体の相性はちょっといい程度(九段階評価で中の上)で。プラスアルファの上昇率は僅か。

 しかし合体する二人が極端なパワーフィルターなので、現時点でサーキう~☆ゲロゲロゴージャスをパワー上回る者はない。

 


大天使レッドデビルのプロフィール

・性別:女

・種族:特殊な天使族

・血液型:不明

・年齢:不明

・一人称 :我

・身長:5〜10メートルまで伸縮する(5メートルの場合が多い)

・体重:不明

・毛色:真っ赤

・瞳の色:真っ赤

・好きな食べ物:石炭、お水

・嫌いな食べ物:特になし

・趣味:特になし

・性格:従順、素直、忠実

・概要:う~☆ゲロゲロゴージャスの契約獣。背中に白亜の翼と頭に天使の輪、全身真っ赤な黒ビキニをまとった幼児体型だが、身長は5〜10メートルまで伸縮する肉体を持つ。決戦用の戦力で、極めて力が強く、最大質力は5000馬力オーバー。正面からの戦いやバリケード突破といった、単純な作戦で無類の強さを誇る。感情を表に出さず、寡黙で常に無表情。実は純粋な天使でなくう~☆ゲロゲロゴージャスに作られた存在。その正体は南アフリカ国鉄26型蒸気機関車に錬金術スキル・融合で本物の大天使から採取した体の一部が融合したもの。一応頭脳と人格はあるのだが、主に大きく依存してて主の身に何かあると、何をしていいのかわからなくなってしまうというポンコツな一面も。

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