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不当なる者世界に仇なす  作者: 黄金の右脚
大魔女う~☆ゲロゲロゴージャス
43/64

第43話 助けに行く行く言ったわりには実行するのが随分と遅れてしまったな

まさかの大魔女う~☆ゲロゲロゴージャス登場!!


「お頭(かしら)、ここですか?」

「そうだ。とうせん坊よ、ここが隠れ家だ」


 俺、御剣(みつるぎ) 響夜(きょうや)はとうせん坊(ぼう)と西川(にしかわ)をお供にサーキちゃんの隠れ家に来ていた。

 もしもサーキちゃんと美青年達が生き延びてるとしたら、ここぐらいしか隠れ場所がないからだ。


「おーい! 誰かいないか?」


 恐る恐る隠れ家に入り、確かめると――


「姉御(あねご)、久しぶりだちゅーの!」

「んぎゃあ!?」


 隠れ家のドアを開けるとサーキちゃんが飛びついてくる。

 勢いよく飛びついてきたもんだから、俺は踏ん張りきれずに後ろに倒れる。

 わんこかこいつは!


「寂しかったちゅーの! 会いたかったっちゅーに!」

「お前の気持ちはわかったから頬擦りやめろ! あと、どさくさに紛れて服を脱がそうとするな!」


 スキンシップが激しいもんだから、あわてて振り払いつつ立ち上がる。

 あのままにしておくと丸裸にされそうだったからだ。


「なんかでかくなってね?」


 立ち上がるとサーキちゃんの大きさが最後に会った時より一回り大きくなったように見えた。


「あの後レベルアップして成長したんだっちゅーの」

「ああ、それで」


 動物の亜人は幼いころからレベルを上げると比例して肉体が最も効率の良いように急成長する。

 松坂牛の亜人であるサーキちゃんも例外なく成長したのだろう。


 なお、亜人の成長具合は種や個体差によってまちまち。

 はたしてブチハイエナの亜人である俺はいつ急成長すんだろ?

 超アバウトだからわかんねぇんだよな~。


「そいつ誰だっちゅーの?」


 サーキちゃんがとうせん坊を指差す。


「こいつは新しい仲間で、名はとうせん坊だ」

「御剣響夜のお頭の一(いち)の子分とうせん坊ですだ」


 頭を下げるとうせん坊。


「ちょっと、響夜様の一の子分はアタシよ!」

「いいや! おらだ」


 西川が待ったをかける。

 しかしとうせん坊譲る気なし。

 結果、どっちが一の子分かで睨み合いに。


 これは不味い。

 ちょっと刺激しただけで殴り合いのケンカに発展してしまう。


「やめねぇか! おめえらどっちも俺の片腕だ」

「それならいいわ」

「お頭がそう言うなら従うだ」

「さっきはムキになっちゃってごめんなさいね」

「おらも悪かっただ」

 

 ちょっと強引だったが2人は納得。

 握手して仲直りしてくれる。


 これでいい。

 やっぱし仲間は仲良くしないとな。


「それはそうとお頭。この女子(おなご)は何者で?」

「ぼくちゃんはサーキ・サワキ。サーキちゃんって呼んでね。あと、響夜の姉御の嫁だっちゅーに」

「嫁?」

「違うから鵜吞みにしないでね」


 これはサーキちゃん本人が思い込んでるだけなので正す。


「それより、美青年達は無事なのか?」

「地下室に匿ってるんだっちゅーの」

「でかした。それで何人生き残った?」

「生き延び数百名だっちゅーに」

「そんなにやられたのか……」


 自己紹介も程々に、美青年達の安否を確かめると。

 十万人の美青年も今や百分の一以下に減ってしまったらしい。

 

 とはいえ、俺の読み通り生き延びた仲間は全員隠れ家に逃げ隠れてたわけだ。


「とりあえず美青年達の様子が気になる。ヤツらに合わせてくれ」

「あいよ」


 で、隠れ家の地下室に。

 

 ◆


「響夜姫様……響夜姫様だぁー!!」

「響夜姫様ー!」

「響夜姫様お会いしとうございました!」

「私なんて、響夜姫様に会えなくて夜も眠れませんでした!」


 俺、御剣響夜。

 地下6階の大ホールにて、匿ってる美青年達を見に行くが。

 あっという間に群がってきて、もみくちゃ状態。

 野次馬にもみくちゃにされる有名人ってこんな感じなのかな?

 

 慕ってくれるのは嬉しいが。こいつらの愛情って、一方的なんだよなぁ。


「再会を喜ぶのは後にしてくれ! 今はお前達がどれだけ生き残ったか確認したい」

「「「「わかりました、響夜姫様」」」」


 で、匿ってる美青年を点呼する。


「お前で最後か?」

「はい、響夜姫様」

 

 数分後、点呼が終わる。

 結果、生き残った人数は983人。

 覚悟してたが、かなりやられたな。


「それにしても太子(たこ)のヤツはとんでもない数の人間を殺しやがったな……」


 太子の残虐性は尋常ではない。

 やつの精神は大虐殺者のそれ。外道だと断言できる。


「俺が留守の間にどうなったか掻い摘んで教えてくれ」

「かくかくしかじかで」

「え!? あいつが王になっちゃったの?」

「はい、残念ながら」

「マジかよ……」


 状況把握のために現状を教えて貰うと、事態は予想外の

 なんと4人の王亡き今、太子が王位に就いているという。

 なんでも、救世主の立場を悪用して王の後釜になったとか。


「あいつがこの世界の現(げん)トップなのかよ……」


 太子が権力を握ったら、狂気の世界になる未来しか浮かばん。

 あいつの性格上、独裁がスタートするの時間の問題だろう。

 世も末だ。この世界の国民を気の毒に思った。


 それにしても、とんでもなく悪知恵の働く女。

 もしかしたら計画的に4人の王を殺したのでは?

 仮にそうだとしたら、なんと悪賢い女だろうか。


「あんな制御不能な怪物を野放しにしておくのは危険極まりない。なんとか俺の手で太子の悪事を食い止めねば!」


 とか言うものの。俺に太子を倒せるのだろうか。

 ぶっちゃけ力比べではひとかけらの自信もない。

 ヤツに勝つ手段は、力の無さを知恵を発達させることで非力さを補うのみ。

 これ以外の方法などないから知略を巡らせねば。


「お頭、おらに命令してくれればぶっ倒してきますだぁ」

「とうせん坊、お前の気持ちは嬉しいが太子の強さは異常だ。お前の力を持ってしても勝つのは不可能に近い」

「そんなに強いんで?」

「ああ、ヤツの力は圧倒的だ。何度も苦渋を舐めさせられた」

「お頭が……」


 名乗り出るとうせん坊だったが。太子の強さを諭すと身を引く。

 それでいい。無駄に仲間を殺したくないからね。


「強い仲間や武器が欲しい。それこそ大魔女う~☆ゲロゲロゴージャスみたいな」

「バカじゃないの。ご先祖様はとっくの昔に押(お)っ死(ち)んでるっちゅーの」

「バカとかいうな! でもそうだよな。彼女の骨の1本でもあれば蘇生できるかもしれんのだが」

「そんなもの、都合よくあるんだっちゅーの」

「あるんかい!」


 なんと都合のいい展開。

 今までにないパターンに、思わずノリツッコミ入れちゃったよ。


「早速用意せい!」

「姉御は人使いが荒いなあっちゅーの」

「なんか言ったか?」

「なんも言ってないっちゅーに」


 あるとわかれば速やかに行動開始。

 サーキちゃんを急かし、物を持ってこさせる。


「持ってきたっちゅーの」

「おぉ、ご苦労ご苦労」


 サーキちゃんが持ってきたのは小さな木箱。

 俺は木箱を受け取ると、中に入れられたお骨を確認。

 

「なんかでかくね?」


 たぶん指の骨だと思うが。妙な違和感に気づく。

 それは大きさが妙に大きいのだ。

 う~☆ゲロゲロゴージャスは手がでかかったのだろうか?


「……まあいいか。気にするだけ時間のムダ! 《蘇らせた兵士なのだ》ッ!」


 考えてもわからないのでスキルを発動。

 要するに『考えるより先に行動せよ』ってやつね。


「おぉ! 蘇ってゆく」


 俺のスキル蘇らせた兵士なのだは自然死した者を蘇生させるのは不可。

 なので、う~☆ゲロゲロゴージャスが寿命なんかで死んでねぇか心配だったが。

 そこんとこは大魔女である宿命ゆえ、寿命を迎える前に戦闘で命を落としたのだろう。

 戦死しててくれてよかった。


「ん? んんっ!?」


 指の骨から徐々に生前の姿に戻していく。

 しかし、どんどん大きくなっている。

 それこそ、小柄な俺では見上げなけらばならない程に。


「ンモォ~!!」

 

 そうこう考察してるうちにう~☆ゲロゲロゴージャスが完全復活。

 復活して早々にう~☆ゲロゲロゴージャスは雄叫びを上げる。

 

 茶色のローブに身を包み、格好はこれぞ魔術師っといった風貌。


「こいつがう~☆ゲロゲロゴージャス……」


 う~☆ゲロゲロゴージャスはピンクの長い髪と瞳を持つグラマラスな美女だった。

 おっとりゆるふわ天然系で。声はロリっぽくて可愛らしい。

 種族はサーキちゃんと同じ牛の亜人。

 年の頃は20代半ばと思われる。

 

「むっちゃ美女やん。ぼくちゃんの好み♪」

 

 サーキちゃんも見惚れており。目がハートになっとる。

 ぶっちゃけ、う~☆ゲロゲロゴージャスかなりの美女なのだが――


「……大きいな」


 その大きさは異常に大きい。

 180センチぐらいあるとうせん坊よりも遥かにでかい。

 俺とう~☆ゲロゲロゴージャスでは子供と大人のような圧倒的な身長差がある。

 正確な身長はわからないけど。2メートル以上あるのは確実。

 

 俺が今まで出会った女性の中で最も背の高い人物だった。


「おれっピを蘇らせたのはてめえか?」

「そうだ」


 外見のイメージと異なり、かなり乱暴な口調のう~☆ゲロゲロゴージャス。

 内面は気性の荒い人物なのかも。

 突っ張るものの、う~☆ゲロゲロゴージャスの威圧的な雰囲気にちょっと気後れしてまう。


「俺達の仲間にならないか?」

「おれっピがてめぇみたいな小娘と組めって」


 ギロリと睨まれた。これは俺を力不足だと思ってるな。

 それこそ『自分と組むに値しない』とでも言いたさげな。


 不味いな。これは交渉決裂になりそうな予感。


「仲間になっちゃろう」

「あの流れでなるんかい!」

「おれっピを生き返らせてくれたからそのお礼ばい」

「そういう理由だったの。口は悪いが義理堅いのね」 

 

 どうにもつかみどころがない女だ。

 ペースが狂わされる。


 でもまあ、交渉は成立。目的は果たせたわけだ。


 俺のパーティーに強力な戦力う~☆ゲロゲロゴージャスが加わった。

 これで今度こそ太子に復讐できるかも。

 希望が持ててきた♪

サーキ・サワキのプロフィール(第43部分以降)

・身長:165センチ→170センチ

・体重:65キロ→70キロ

・スリーサイズ:B102 W59 H91→B105 W59 H93


う~☆ゲロゲロゴージャスのプロフィール

・性別:女

・種族:松坂牛の亜人

・血液型:B型

・年齢:享年27歳

・一人称 :おれっピ

・身長:250センチ

・体重:220キロ

・スリーサイズ:B200 W100 H180

・毛色:ピンク

・瞳の色:ピンク

・異名:大魔女、猛牛王者ウシキング、怒れる牝牛

・好きな食べ物:ゲテモノ全般、肉

・嫌いな食べ物:食べ応えのない物

・趣味:収集、交尾、食べ歩き、新しいスキルの開発、SL(エスエル)

・性格:短気で好戦的。毒舌。超アバズレ。非情。

・人物:サーキ・サワキのご先祖。身長2メートル50センチ、体重220キロと、並の亜人達を遥かに凌駕する巨躯であり、パワーとスタミナにものを言わせたファイトが特徴。「松坂牛の亜人と獣人こそが至高の種族」という思想の持ち主。力自慢の牛の亜人の中でも抜きん出た実力の持ち主で、家一軒持ち上げひっくり返すほどの怪力。その昔、勇者のパーティーに1人で挑み殺された。極めて好戦的で売られたケンカは必ず買う。人格的には最悪で、強者にはゴマを擂って媚を売り、弱者をいたぶるクズ。精力絶倫で多種族の父親との間に数多くの子供を産んでる。ただし、ちゃんと育てたのは牛種の亜人・獣人のみで、自分の後継者として相応しくない子供はどれ程才能あふれる存在でも認めずに切捨てたという。ゲテモノ料理が(食べることも作ることも)大好きで、他者にも振る舞うが、いうまでもなく不評である。


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