五十九話
いろいろ失念してたorz
遅くなってすいません。
「ギィィィァァァガァッァァァァッァ」
巨人――アダムは鎖を引きちぎり、虚空より剣を引き抜く。
その剣は黒く禍々しかった。
「いくぞ、皆!」
Redの声によりアダムの雰囲気にのまれていた周りが正気に戻る。
いつものようにパーティー単位で固まり、周りを囲む。
正面二つに聖騎士団とAKATUKIのパーティー右にはソロプレイヤーのZeroや666を中心に、左にはSakuraを中心とするパーティーが、そして後ろには赤の護衛団と暗黒騎士団。
ボスに挑める限界人数の36人、それもここまで最前線で戦って来た精鋭中の精鋭。
油断もなく、アイテムもほぼ満タン、これ以上ないぐらいに準備が万端だった。
まずは盾を持つ前衛が敵の行動を引き付けるために”挑発”を一斉に使う。
これにより攻撃は挑発を使ったプレイヤーに行く――はずだった。
「くるぞ!」
Youは嫌な予感がし、そう叫ぶ。
その予感は的中し、盾を持った者よりも斧などの重量武器を持つ者に剣を振り下ろす。
「なぁ!?」
知識としては知っていた。
アダムは今までのようなプログラムで動くモンスターではなく、AI(人工知能)を持った存在なのだと。
最初の叫びからは知識があるような存在には思えない。
つまりは殺気を感じたからそれに対応し、最も殺傷能力の高そうなでかい武器を持ったプレイヤーなのだと。
ならば次に狙うは――
「タンクは下がって魔法職を守れ!」
そしてちょうど詠唱が終わったのか、それぞれの中で最強の魔法が放たれる。
その攻撃はアダムの莫大なHPを目に見えるほどに削る。
全体でみればまだ戦闘が始まったばかりでそう多くないだろう。
幸いにもアダムの攻撃はYouの声で魔法職をすでに大盾を持っていたプレイヤーが守っていた場所であり、そのプレイヤーが守ることで魔法職がダメージを受けることを免れた。
その盾となった者もすぐに回復職が全快まで回復する。
「気をつけろ。こいつは考える力を持つ」
そこは精鋭。
Youが放った言葉ですべてを理解し、自分がどう動くべきか考える。
それに一瞬遅れてRedが指示を出すことにより明確な形になっていく。
とった作戦はこうだ。
魔法職は大技を避け、自身はなるべく攻撃を避ける。
今まで攻撃を受けるための戦士職は魔法職の防御に、近接戦士職は3パーティーずつ後退で攻撃を仕掛け、全体的にHPが危なくなってきたらほかの3パーティーに後退、そして回復に専念。
即興ではあるが確かに効果はあった。
その証拠にアダムのHPは順調に減っていっている。
しかし、何度も言ってるようにアダムは考える力を持つ。
この中の中心は誰か? 指示を出してるのは誰か?
それが分からないほど馬鹿ではなかった。
つまりはレイドを率いるRedへと標的を絞る。
「分かってたよ」
しかし、相手は人間の中でもトップクラスの完璧少年だ。
人と同じように考えるのなら次は誰を狙うのかもしっかりと予測していた。
振り下ろされた剣を回るよう避け、それでいてカウンターを決める。
Redは単身でアダムの攻撃をさばいていった。
そしてRedに攻撃が集中することによってほかが攻撃しやすくなる。
アダムは着々とHPを減らしていく。
考える力を持っていても、生まれたばかりでは経験も何もかも足りない。
プログラムよりは手強いがただそれだけだ。
命がけで戦ってきた者達には強さが足らない。
ついにはアダムのHPは半分を切った。
そして攻撃に魔法が混ざってくる。
それでも戦況はアダムのHPが減るスピードがゆっくりになっただけで多くは変わらなかった。
「……いける。行けるぞ!」
誰かが声を上げる。
もちろんそれでも油断は生まれない。
そして終わりが見えたことでより一層攻撃が苛烈になる。
そんなときだった
「――駄目だよ。まだ終わらせないよ?」
そんな少女の声が聞こえたのは。
少女は空中で何かを操作すると新たにモンスターが生まれる。
それも前のボス。
自分たちの影が攻略組と同じ数で……
最終決戦突入です。
あともう少しFWOをよろしくお願いします。




