三十六話
2時間遅れてすいません
こんな作者ですがこれからもよろしくお願いします!
「フィーネ!!」
少女を呼ぶ声が聞こえる
毒の沼を避けて戦闘しているひと組のPTがいた
そして、独の鱗粉を持つ毒蛾、毒の牙を持つポイズンスネーク、体内に毒を宿しているヴァイオレットスライムなどの毒系のモンスターがそこにはいた
少女たちのPTは、まだ攻略組に入って間もないPTで、最前線のモンスターをふた組相手にするのが限界だった
しかし、運が悪く、ふた組のモンスターと戦っている間に後ろからもうひと組のモンスターがやってきたのだった
後ろにいるのは当然後衛を任されているものだ。
つまり、魔術師系統で、防御力が低く、近接戦闘に向かない
前衛をしている者たちもふた組のモンスターを相手にするのが限界だった
ライフもレッドゾーンに差し掛かり、ポイズンスネークの攻撃を喰らいそうになり、もうだめだと思ったところでモンスターとの間に影が割り込み、ポイズンスネークを吹き飛ばす
前衛ではまた別の影がモンスターを蹂躙しているところだった
また別の二つの影が少女たちのPTを戦闘場所から引き離す、そして、抜け出したあとに巨大な魔法があたり一面を焼いた
少女たちは助けられ、落ち着きを取り戻したところで、自分たちを連れ出した人物を見る
それは凛々しい少女と、騎士のような雰囲気を持った少年だった
「おほほ、元気な若者たちじゃの」
「そうだな」
声をした方向を振り返ると、ハンマーを背負った仙人のような爺さんとローブを着た壮年の男が話していた
先ほどの先頭を行っていた場所では刺々しい雰囲気の少年といかにも普通な少年が敵を蹂躙していた
「すごい……」
先ほど助けられた少女がその戦闘技術を見て、思わず声を出す
それもそのはずで、少女たちとはステータスによる身体能力以外でも、敵わないと思わせるような動きを見せていた
それはまるで、少女たちが後ろを見てきた最前線で戦う攻略組の中でもトップの方に立つ者達の動きだった
同時に違和感を覚える
なぜ、これほどの者たちを見た覚えがないのだろうと……
入ったばかりとは言え、少女たちも攻略組に入る者たちである
有名な強い人々は知っていた
すでに80Lvを超えるような者達だ
一番レベルの高いRedでは88Lv、AKATUKIやSakiは85Lv、Vanが84Lvで、Zeroなどが83Lvと続く
50Lvを境に出た最終職にもついていた
高レベルの者たちでも暗黒騎士団や、Redはめまぐるしい活躍を見せている
主人公達が消失したことによってかなりの動揺が広がったが、意外にも一番早く立ち直ったのはRedであった。その後にSakiや暗黒騎士団などが続き、徐々に落ち着いていった
これはその者達と最も関係が深かった〈救世主〉Youがどうでもよかったのではなく、いつでも戻ってこれるようにとの行動だった
少女がそのような考えに浸っているうちに先頭は終了していた
「あっ、あの助けていただきありがとうございました。私フィーネと申します」
その後、カナデ、ヴェノ、フウラ、イズミ、ローネと続く
「お名前を聞かせてもらっても……?」
「いやいや、名乗る程のもんじゃない」
そう普通な少年が言う
「お礼に街までの道を教えてもらってもいいかな? 奥まで行きすぎて道に迷ってしまってね」
騎士のような男が言うと、フィーネたちは不思議に思いながらも街まで案内することになった
その一行はどこかおかしな人物たちだった
剣で戦う後衛職に、同じような装備で揃えていた
少女たちが全く知らない装備品で、装備レベルは高いが、効果が良い、モンスターのドロップ品だった
仙人のような爺さんは時々「槌を早く握りたいものじゃ」ともらし、刺々しい少年は早くこのPTから抜けたそうにしていた
統一性のない性格の者たちで、なぜこのようなPTを組んだのか不思議だった
「それにしてもお強いですね、これでも私たちは攻略組の底辺にいるんですが、あなた達はトップレベルの実力を感じましたよ」
お世辞ではない本音だ。そして、謎の人物達を探ろうとしてみた
「常に自分よりもレベルの高い敵と戦ってきたんだから、これくらいできないときついのよ。何度死ぬって思ったことかしら? この事件を起こした奴は首をねじ切ってあげるわ」
そう、恨みのこもった声で、凛々しい少女は答える
この対応に少女たちはさらに不審を重ねる
「街が見えてきました」
そうフィーネが言い、振り返ると刺々しい少年が消えていた
「あやつらしいのぅ」
「挨拶の一つもしていきなさいよ」
「仕方ありませんねぇ」
その者のPTのみんなは、そう言ってPTから抜け、隠密スキルで姿を隠しながら街に帰ったという
そして、街に着くと
「久々に槌を握ってくるぞ、さて、腕がなるわい。お主らの武器も直してやるから後でうちに来な」
そう言い、仙人が消え
「さて、ささっと自分のPTに会ってくるわ。今まで世話になったわね」
凛々しい少女が、その後も騎士のような男に、ローブを着た壮年の男が消える
「さて、俺らだけでもフレンド登録しとくか? これも何かの縁だ、これから何かあれば頼ってくれ」
そう言ってフィーネ達とフレンド登録をすると、口元をあげ、笑いながら去っていた
フィーネ達はフレンド登録をした名前を見て全てを理解し、固まっていた
あぁ、あの人たち。いや、あの方たちは私たちが攻略組になる前に活躍していた
消えた主人公たちなんだと




