二十六話
前回の投稿で急に視点? を変えたのは良くなかったかな?
でも今回の章はRedが主役です
まだまだ先になりますが次の章からはYouに戻りますのでご安心ください
「レッド。ちょっと明日付き合え」
Red達は街に着き、人も聖騎士団、暗黒騎士団のメンバーさえも去っていき、残されたのはYouとSaki、Redの3人だけだった
中にはRedを心配して残ろうとした者も居るがYouが無理やり返した
MPK犯の末路を思い出してみんな直ぐに帰っていった
RedのPTはそれでも中々帰ろうとしなかったがSakiがなだめて帰した
「朝の10時から“死者の墓場”の入口に集合だ」
“死者の墓場”は3体目のボスを倒した時に出たフィールドでゾンビやスケルトンがいる
攻略は既に済み、ボスも今日倒せたので攻略組は新フィールドに向かうはずだ
アンデット系は攻略中に不満などが多く、いつもより安全マージンを低く行った理由の一つでもある
そこならほかの人もあまりいないだろうと思っての発言だった
「意外だな、お前なら一緒に行くって言いそうだが……」
「今回はお兄ちゃんとレッドさん……完二さんのふたりがいいと思ってね」
リアルネームをあえて言ったSaki
そこには幼馴染の2人でゆっくりと本音で語り合え、と言うメッセージが込められていた
次の日、RedはYouに言われた通りに死者の墓場の入口に来ていた
予定より10分前に来たのだが、既にYouが待っていた
おそらくはRedへの対抗意識により、Redより先に集合しておきたいと思ったのだろう
「おう、レッド遅いじゃねぇか? 罰として何をしてもらおうか?」
前言撤回、ただ単にRedをいじめたいだけのようだ
「冗談はさて置き、そんじゃ、行くか」
ジョブ的にはRedが前に出てタンクをやるのが普通なのだろうが、今日に限ってはYouも前に出ていた
最初の相手はアーミースケルトンとノウミンゾンビが2体ずつだ
Redはアーミースケルトンの剣の振り下ろしによる攻撃を、Youが多用している攻撃力上昇能力を持つ“パワーアタック”の上位に当たる”インパクトアタック“を使い、跳ね除ける
次に、がら空きになった胴体に左手に持つ盾で“シールドバッシュ”を使い、思いっきり盾で押し出すように叩き、各武器の熟練度を上げても使うことのできない連撃技、それも2回ではなく、三角形を書くように斬る“トライアングルゾーン”を叩き込む
それで一体目のアーミースケルトンがポリゴンとなり消え、すぐに別の敵へと視線を向ける
対してYouは、ノウミンゾンビの掴みかかりを右手の剣を使い斬り払い、そのまま左手を突き出して“ファイアーボール”を叩き込む
その後、“パワーアタック”で足を斬り、少しだけ演唱により立ち止まって“ファイアーボール”の上位の“ファイアーストライク”を顔面にぶつける
そして再び剣を突き出し、もう一度“ファイアーボール”を撃って、離れたところに、魔石を埋め込んだ効果の“魔法剣”の効果を使い、魔力と言う設定だと思われる青白い光がYouの黒い剣を包み込み、INTとSTRの合計分のダメージをたたき出す攻撃を繰り出してやっと一体目を倒す
ステータスが平均的なYouはほかのプレイヤーよりも必要とした手数は多いが、ほぼ同時に一体目を倒す
そして、かかった時間は数十秒
これは最前線のワンランク下の狩場だとしてもかなりの好タイムであった
そしてRedはアーミースケルトンの攻撃を盾で受け止め、頭を下げる
そこに、狙いすましたようなタイミングで剣が通り過ぎアーミースケルトンの顔に当たり、ひるませる
Redはそのまま剣を袈裟斬りに振り上げ、近づきつつあったノウミンゾンビを攻撃した
そのままの連携で残る二体も危なげなく倒す
「ねぇ、ユー。さっき僕に当たるつもりじゃなかったかい? 僕だったからよけられたものも、ほかの人物だったら当たっているよ」
「知らねぇよ、どっちみち見ずに避けたんだからいいだろ?」
「ねぇ、それは結果論というものであって……」
と言おうとしたところで二人の口元が釣り上がる
「フフフッ」
「ハハハァ」
一斉に笑い始めた
「君はどうせ、僕ならよけられると信用してくれたんだろ? 久しぶりだね、こんな嬉しい気持ちは、いつぶりに僕に信用してくれたんだろうね?」
Redは目元に溜まった涙を吹きながら言う
「別にそんなんじゃねぇさ、ただ単にどっちに転がっても良かっただけだ。どうせ、避けるだろうなとは思ってたがよ」
「やっぱり君は素直じゃないね」
「うるせぇよ、ところでどうだ? 多少は落ち着いたか?」
その言葉でRed目は再び陰りを取り戻す
しかし、それに構わず続ける
「どうせお前のことだ。今日プレイヤーに死者が出たのも自分のせいだと思っているんだろ? ならばそれは間違いだ……って言ってそう思えるか?」
しばらくの沈黙のあとRedは口を開く
「思えないね……」
「だろうな。ならばそれはお前の責任だ」
その言葉を聞き、Redは小さく呟く
「やっぱり君は慰めるわけではないんだね」
それに対し、Youは当たり前だと告げ、さらに言葉を続ける
「俺はお前が嫌いだ。だから他の奴みたいに優しい言葉をかけるとは思うな。だが、一つだけ言っておく、たとえそれがお前の責任だとしても、お前はおちこんじゃいけねぇ。今回の失敗を誰かにやって欲しくなければ自分で動け。今回の犠牲を無駄にしたくなきゃお前が動かなければ今回のプレイヤーの死は無駄になる」
その言葉に口を挟まずに胸に刻む
それはRedにとって、どこか落ち着く言葉だった
慰められてはおらず、逆に自分を責めている言葉、そして元気をくれる言葉
「いいか、今回のことを無駄にし、誰かに体験させたいのならこのまま攻略組からいなくなれ、ただの攻略の邪魔になる」
その言葉を受け、Redは立ち上がる。いなくなるためではなく、前に進むために
「フン、いなくならねぇのか? だったら先に行くぞ」
そうしてYouとRedは、死者の墓場をさらに奥へと進んでいった




