二十七話
「ねぇ、ユー」
Redが口を開く
「なんだよ?」
Youが聞き返すとRedの弱い声が聞こえる
「この先にはボス部屋しかないんだけど……?」
そう、この先はボスしかいない
それも初めて死者を出すことになった忌まわしきボスが……
「そりゃあ今からボスに挑むんだから当たり前だろ?」
この発言でRedはYouの正気を疑いたくなった
昨日はこのゲームの限界6PT、36人で挑んだのだ
今現在はその18分の1、すなわち2人だ
「明らかに無理に決まっている、相手は6PTで行ったんだぞ? それで死者を出した。それで2人でボスに挑むつもりなのか?」
Redは必死にYouを止めようと叫んだ
これはもはや自殺としか思えなかったからだ
しかし、Youの反応は
「はぁ? んなわきゃねぇだろ」
といったものだった
「えっ……! だってさっきボスに挑むって……」
「挑むけど?」
Redは混乱するしかなかった……
そしてYouはメニューを開いて誰かと連絡とっているようだった
その行動でわかる。Youが何を言っていたのかということを
「で、何人で挑むんだ?」
「もう気づいたんのかよ? つまんねぇなぁ。3PT18人だよ」
頭を掻きながらYouははっきりと答える
それでも半分だが、それで十分と言うように
そして、後ろから声が聞こえた
それは、よく聞きなれた声だった
「言われた人たちを連れてきたよ~!」
そう言って来たのはSaki
そして、その後ろには
Youの暗黒騎士団のSaki、Ryuuki、ARASHI、Hanna、Kana
赤の護衛団のRINと幹部の3人、ソロプレイヤーのZeroとKanetugu
そして、Redの聖騎士団に所属する双子のReki、Renaに、僧侶のジョブにつくDaisu、気の弱そうなおとなしめのMIRU、いかにも委員長と言った様子のHUUがいた
「みんな……」
Redは来る相手はだいたい分かっていたが、それでも言わずにはいれなかった
「さて、Redの攻略組復帰戦のメンバーはこれぐらいでいいか?」
「ボス攻略にはこれでも少なくないかい……? それに僕は復帰もなにも、引退すらしてないよ」
「細かいことは気にすんな、それに、ここに居るメンバーなら余裕だろ?」
YouはRedの抵抗を一蹴する
しかし、Youの自信とは関係なく、厳しい戦いになるのは間違いなかった
「ここに居るメンバー全てはお前の指示通りに動く、お前が指揮を取れ」
それは昨日失敗したばかりのRedには重すぎる役だった
しかし、Youには負けたくないというプライドが肯定してしまった
「メインのタンクは僕、暗黒騎士団のアラシさん、赤の護衛団のミューさんの3人が交代制で一人ずつやります。回復はダイス、暗黒騎士団のカナさんがメインタンクの回復を、赤の護衛団のメアさん、ムミーさんでほかの人の回復を、リンさんとユーはそれぞれのサポートに、フーは支援をお願い、レキとレナとリュウキさんで第一アタッカーを、Zeroさん、Kanetuguさん、ハンナさんで第二アタッカー、フーとサキちゃんで第三アタッカーの3交代制で攻めて長期戦で倒します」
Redがそう言い、ボスのステージに入っていく
他の者達もそれに続いて入っていった
崖の上からジャンプして“劣等竜”降ってきた
そして大声で咆哮を上げると戦闘が始まった
まず“劣等竜”が突進を仕掛けてきた
「“ガードアップ”“パワーアップ”」
それをHUUのバフを受けたRedが前に出て受け止める
「第二陣、第三陣はすぐ動けるように攻撃を喰らわないように、多少の攻撃をしながら待機、第一陣は攻撃をお願い、リンさんとユーはほかのサポートを」
Redの支持を受けそれぞれ行動を開始する
Reki、Renaは左右対称の動きで左右に広がり、素早い攻撃を浴びせ、Ryuukiは後ろに下がり、攻撃が当たるギリギリの所から攻撃を浴びせる
「“トライアングルガード”」
Redの盾からガード能力を上乗せする三角形の盾が現れ、劣等竜の左の爪を受け止め、続けて来た右の爪を、スキルの効果が切れた盾で受け流し、右手の剣で軽く傷つける
その後も敷通りに動き、攻撃も順調に進み、3分ぐらいたった所でRedのHPが3分の2になり第二陣に交代をする
交代した直後に劣等竜は突進を開始した
既にスキルで防御力を上乗せして、HUUからの支援でさらに防御力の上がったARASHIが攻撃を受け止めようとしていた
これならばダメージも多くともドット単位で済むような万全の体制
しかし、Redの脳裏に昨日の光景が映し出される
劣等竜のプレスを喰らい、この世界から消えたプレイヤーの光景が……
「……げ……、にげ……、にげろ!」
思わずRedはそう叫んでいた
Redは先ほどの落ち着きが嘘のように取り乱していた
めざせ、毎回8時投稿




