十三話
「お兄ちゃん、折角の救出劇の主役をすっかりレッドさんに取られちゃったね」
「うっせぇ、いいんだよ。俺は主人公より主人公の親友キャラが一番好きなんだよ」
「相変わらずひねくれてるねぇ」
「おねぇちゃん、恥ずかしいからその赤の他人を様付けするのはやめてくれ」
「えっだってRed様カッコいいんだから仕方ないじゃない!」
「その赤の護衛団のリーダーがお前の姉か?」
「ええ、恥ずかしながら……」
「なんか緊張感ないな……」
「お兄ちゃんが言えたことじゃないからね」
YouはSaki、RedとRyuukiは姉であるRINと再会を果たした
そこにハンター・スパイダーがしびれを切らしたのか、突進を始めた
そこに、盾を持った重鎧をまとった男とRedが受け止める
「なかなかやるね」
「そっちこそ、流石は一番レベルが高いだけあるぜ」
左右から全く同じ動きで片手剣と短剣で切り付けるReki、Renaと呼ばれる双子
後ろから切り付けるのは美少女二人、SakiとRIN
「サキさん、レッド様は渡しませんからね」
「大丈夫だって、レッドさんはお兄ちゃんと幼馴染で交流あるだけで、尊敬はするけど恋愛のタイプじゃないから」
RyuukiとSESIRIAの“ファイアートルネード”が炸裂し、今までの攻撃でレッドゾーンにギリギリ入ったぐらいだったHPもレッドゾーンの半分を切った
「常闇を彷徨え、蜘蛛よ。“暗黒の騎士の一撃”」
「それ、ただのスティーラーのスキルダークスラッシュでしょうが! と言うよりなんでスキル名が変な風になってるのにちゃんとスキルが発動するのよ“ダークスラッシュ”」
ZeroとMisuzuが黒いエフェクトを放つ攻撃を加え
「我もゼロに続くぞ”居合切り”」
「“連打”」
Kanetugu、YUIがそれぞれの近接スキルで攻撃を仕掛ける
「“ファイアーボール”“インパクトアタック”って、さっき攻撃してたよりダメージ量が下がってやがる」
「それは、いくら最初のボスだからと言って僕たちが取り巻きを全部倒す前にボスのHPをレッドゾーンまでたった2人で追い詰めるのはいくらなんでも早すぎだよ。何か、特別な方法でもあったのかい?」
Youは攻撃を仕掛けるが、Ryuukiと二人でやった時よりもダメージ量が下がっていた
それをAKATUKIは今のダメージのほうが普通だという
だが、Youが何かを言う前にAKTUKIは前に出た
「さて、僕も行くとしよう」
「アカツキ様、頑張ってきてください“ファーストアップ”」
「“ビギーナーコーリング」
AKATUKIに巫女、僧侶の初級付与魔法、持続型回復魔法がかけられる
「“インパクトアタック”」
AKATUKIの攻撃によってハンター・スパイダーの残りHPは数ドットという、あと一撃というところまで迫っていた
「さて、ラストアタックはユー、君がやってくれ」
いつの間にかYouの隣にいたRedが言った
「ここまでボスのHPを削ったのは君の功績だよ」
「レッド×ユーって人……」
「誰だ、おぞましい想像をボソッっと言ったやつ」
「BLを想像するのは女の子だよね、ってことはサキちゃんと赤の護衛団の人達、サキちゃんはいまさらそういうことを言うはずないから」
っと、じと目で赤の護衛団を見るRed
「っち、しまらねぇなぁ」
そういうと同時に、ハンター・スパイダー雄叫びを上げ、突進してくる
それに、Youは正面からは向かっていった
そして、すれ違いざまに、“パワーアタック”を叩き込む
そうして、3日の間23人のプレイヤーを巣に縛り付けていた大きな蜘蛛はポリゴン片になって消えていった
『レベルが28に上がりました』
Youの頭に響く電子音
勝利の立役者は、剣を収め、Redに向き直った
「今のでレベルが上がった、お前と同じレベルだ」
「『同じレベルに上がったぞ、すぐにお前を追い抜かすから待ってろ』てな感じかな」
「ちげーよ」
いつもと変わらぬ兄妹の会話を見て、Redが笑う
「何笑ってんだよ」
「ふふ、そうだね、君が僕を抜かすその日が来るのを楽しみに待ってるよ」
7月28日、12時37分5万人もの人間を閉じ込めたゲームの一番最初のボスが倒された
しかし、ゲームはまだ始まったばかりだ
ゲーム内のどこかに存在する城
「最初のボスが倒れたね、運営の人が考えた10人いる主人公ともいえる中心人物は誰になったんだろうね」
王座の間にいる少女は無邪気な微笑みを浮かべた
なお、作品の感想、誤字の報告などもあるとうれしいです




