十二話
本日?二話目です
そこは森が開けた大きな広場だった
その森の中にうごめく影がいくつもあり、正面には学校の体育館ほどの大きさの蜘蛛の巣
そこにいくつもの捕まった人々
Youの妹と幼馴染のRedもそこにいた
You達の周りに人ぐらいの大きさの蜘蛛が現れた
そして蜘蛛の巣の中心に一匹のさらに大きな蜘蛛が現れる
その蜘蛛の巣の中で一人の少年が叫んだ
「なぜ来た!? 後数十秒もしないうちにデスゲームが始まってしまうんだぞ」
もうすでに時計は11時59分を刺していた
そして巣の中心にいた蜘蛛が広場の中心に飛び降りた
蜘蛛と言っても大型トラックほどもある巨体
森の中に開けた広場の中で堂々と立つその姿は畏怖の念すら抱かせる
その蜘蛛は自分の縄張りに入ってきた愚かなる者を正面に捕らえていた
≪ハンター・スパイダー≫
それがこの蜘蛛の名前だ
「うるせぇよ! 何が任せろだ? こんな蜘蛛ごとき殺せないとは完璧少年も落ちたな」
ハンター・スパイダーを無視し、YouはRedを罵倒した
「完二さん、無駄ですよ。お兄ちゃんはああ見えて頑固ですから」
「そういえばそうだったね……」
『ゲーム開始からちょうど一週間が経ちました。それではデスゲームをはじめます』
機械的な声で頭に響く音声
デスゲーム、つまりは命をかけたゲーム
この世界の死は現実世界の死でもある
そのゲームが今始まった
「上等だ! 蜘蛛でも、デスゲームでも何でもかかって来いや!!」
Youは自らを鼓舞し、そのRed達を打ち負かした化け物に右手の剣を頼りに突っ込んでいった
Zeroは大きく迂回をはじめ、AKATUKIは取り巻きに“挑発”という敵の攻撃を自らに集めるスキルを使い、Ryuukiは詠唱に入る
Youはボスの攻撃を自らに集めるために“ファイアーボール”をボスに放つ
そこでもう一度機械的な音声を聞いた
『プレイヤースキル【救世主】が発現しました』
Youは思う。このタイミングでのPSの発現は漫画みたいだと。救世主とは、臆病者でぎりぎりまで躊躇していた自分には過ぎたPSだと
だが、どうだっていい。妹を、幼馴染を助けることが出来るならと
生憎と戦闘がすでに始まったために効果を確認できない
だが、ならばこそいつも通りにやればいい
再び“ファイアーボール”を撃ったところで剣での攻撃範囲に来た
“パワーアタック”で上段から切り下し、返した剣で袈裟切りに切り上げる
そこにハンター・スパイダーがその巨体を使った体当たりをしてきたのを無理やり横に跳んで躱す
立ち上がったところにAKATUKIが引き寄せきれなかった取り巻きのキッズ・スパイダーが2体押し寄せてくる
「リュウキやれ!」
Ryuukiが詠唱を終了し、“ファイアートルネード”現在発見されている範囲魔法の中で最も高い攻撃力を持つトルネード系の魔法が炸裂する
このゲームではプレイヤーにダメージを与えることはできないのでYouのHPは一切変わりがない
とはいえ、衝撃は来るので気軽に範囲魔法に巻き込まれたらたまったものではないが……
その効果はさすが攻撃魔法特化のソーサラーといったところで、キッズ・スパイダーのHPはなくなりハンター・スパイダーのHPも目に見えるほど削っていた
とはいえ、まだまだ体力は残っている
攻撃をかわし、スキルや、魔法を使い地道にダメージを重ねていった
それなりの時間がたった
ついにハンター・スパイダーのHPは3分の1を切った
キッズ・スパイダーは当初の4分の1程度しか残っていない
AKATUKI達の援護ももうすぐ追いつきそうだ
そう思ってラストスパートをかけようとしたとき、突如ハンター・スパイダーは一気に後ろへ飛んだ
Youは危険を感じて横に跳ぶ
ハンター・スパイダーは口から糸を吐き出した
あらかじめ横に跳んでたため何とか糸につかまらずに済んだ
「あぶねぇ、攻撃方法変わることすっかり忘れてた」
「なんだい? 散々人のことを馬鹿にした割には危なっかしい戦い方をするね」
「うるせぇよ完二……?」
「どうかしたのかい? それと、リアルネームで呼ぶのはマナー違反だよ」
Youの後ろにはRedがいた
さらにその後ろにはSaki、Zeroなどといった捕まっていたプレイヤーたちが
「なんでいる?」
「どうやら糸から解放されるとそのまま戦闘に復帰できるらしくてね」
「そういうことだよ、お兄ちゃん」
「レッド様! かっこいい」
「ハンター・スパイダーその首我が貰い受けよう。さあ、覚悟しろ」
「カネツグ相変わらず言い方が古いんだよ」
「レキやるよ」
「レナやるぜ」
「やっと暴れられるぜぇ」
全員が武器を構えたところでAKATUKI達のPTも合流し、それを見てRedは宣言した
「さて、ここにいる偵察組24名、救出組8名の計32名によるハンター・スパイダーの討伐を開始する」




