十話
Youはゴブリンの森に来ていた
特に目的があるわけではない
不安を消す為にただ体を動かしたかっただけだ
Zeroは偵察組の救助メンバーを探していたがほとんどの者がレベルが低い、助ける気がない、準備ができてない、生産職で助けることができないなどの理由で募集をかけても集まらなかったらしい
2日後のデスゲーム前に再び募集をかけるらしい
助けに行くのか行かないのかYouは自分でもわからなかった
そのうちにゴブリン3体構成のPTに出くわす
武器の熟練度が上がり、職業のレベルアップで少し使えるスキルも増えた
2体のノーマルゴブリンのうちの一体に一撃だけ攻撃力アップ微がつく片手剣初級スキル“パワーアタック”で切り付け、横から襲ってきたもう一体のノーマルゴブリンを振り下ろした状態の剣を袈裟斬りの要領で斬る
その後矢を撃とうとしているアーチャーゴブリンに“ファイアーボール”で牽制し、そのまま近づき通常攻撃で倒す
そのあとにやっと追いついてきたノーマルゴブリンに再びスキル”パワーアタック“を食らわせる
そのまま斬りかえしそのまま倒す
そしてナイフで突きを放ってきた最後のノーマルゴブリンにファイアーボールの風バージョンの“ウインドボール”を食らわせる
怯んだところに剣でとどめを刺した
一人の時の最初は死に戻りもしていたが、レベルが15を過ぎたあたりから死に戻りはなくなった
今は座って魔力とスタミナゲージの回復をはかっている
立っていたり、戦闘中でも多少は回復はするが、座って回復したほうが圧倒的に回復量が違う
「わぁぁぁ!」
そうしているとどこからか、間抜けな叫び声が聞こえてきた
「良かった! 人がいる、どうか助けてください」
杖と指輪、ローブといった典型的な魔法使いの格好をした幼さを感じさせる顔の少年がやってきた
最初はモンスターキル、集めたモンスターをほかのプレイヤーに押し付けて殺させる間接的なPK行為かと思ったがどうやら違うようだ
ここにはゴブリン4体構成の1PTだけでは普通に対応できる人のみなので問題ない
逆に対応できてないこの少年のほうが少数派なのだ
「基本のゴブリンPTだろ? 自分でどうにかできないのか?」
「無理です! 魔力ゲージが尽きてます」
「仕方ねぇか……」
そう呟いて詠唱を開始する
ボール系の超初級魔法には存在しないが、今から使う魔法は初級の中ではそれなりに強い魔法だ
そのため詠唱が必要になる
とはいえ、実際に呪文を唱えるのではなく、詠唱ケージが満タンになるまで動けないだけだが……
しかし、動けないのは大きな隙になるので普段はボール系を中心に使っていた
今回は、助けを求めている少年に攻撃の方向が向いているので詠唱が唱えられるだけの時間があった
火属性初級範囲魔法“ファイアーゾーン”
指定した場所にいる敵に継続ダメージを与える技だ
しかもこのゲームではプレイヤーにダメージを与えることはできないので範囲系魔法はPTではかなり便利だ
しかし、ダメージがないのは数値的な問題であって衝撃や熱などはあるが……
「あっつぅぅぅ」
なので、少年のプレイヤーが悲鳴を上げながらやってきた
先ほどの攻撃でゴブリンの対象はYouに移ったはずなので“ファイアーボール”を一体だけいるゴブリンアーチャーに対して2発撃つとそのままゴブリンアーチャーは倒れた
次に“パワーアタック”を発動して、ノーマルゴブリンのナイフを体で受け止め、ダメ-ジを無視しクリティカルポイントの首へ一気に突き刺す
横なぎに剣をふるい残った2体のノーマルゴブリンを牽制し、一方に“ファイアーボール”を撃ち怯んだところでもう一方のノーマルゴブリンに二度剣を振るい倒し、返す刀で最後のノーマルゴブリンにとどめを刺した
「終わったぞ」
「はっはい」
「どうして、あんな標準のゴブリンPTに対応できないやつがゴブリンの森にいる?」
「えっと……」
なんとなく話しにくそうな表情を察したYouは近くの岩に腰を下ろすように言った
「僕には運動が得意な姉がいまして、一緒にこのゲームを手に入れてプレイして姉は持ち前の運動神経で攻略組に入って頑張っていまして、そして、今回の偵察組にその姉が入っていまして……」
少年は姉が偵察組に入ってボスにつかまったこと、もしかしたらデスゲームが始まったら姉が死んでしまうかもしれないからレベルを上げるために少し無理をしてこの森に来て攻撃範囲ぎりぎりからゴブリンを攻撃してレベルを上げていて、魔力が尽き、近くのゴブリンPTに見つかって逃げてきたところだったことなどだ
その話を聞いてYouは自分と同じだと感じた
細かな違いはあるが状況が同じ
少年は臆病ながらも必死にレベルを上げようとこの森に来た
Youはもやもやした気持ちを晴らす為にこの森に来た
これでは自分が情けなくなった
「お前、レベルと名前は?」
「えっ!?」
「レベルと名前だよ」
「レベルは16でRyuukiです」
Youはフレンドリストを送りながらRyuukiに言った
「俺の名前はYouだ。今からお前をレベル上げして、三日後の救出隊に参加するぞ!ちょうどあの偵察組に俺の幼馴染と妹がいる。俺もそいつらを助けたい、ならばレベルを上げて堂々と助けに行くぞ」
Youの心はRyuukiにあって決まった
攻略組のZeroを除く23名を助け、自身も攻略組になると




