憤怒の慟哭
――夜。廃ビル。
剥き出し鉄骨が風を切り音を鳴らす。
錆びたシャッターの隙間から、街の灯が一本の線になって差し込んでいる。
その中で、男はうずくまっていた。
スーツは裂け、シャツは血と埃で黒く染まっている。
ネクタイは首に絡みついたまま、切れかけた蛇のようにぶら下がっていた。
手のひらは腫れ、骨がずれている。
その手には、殴った感触がまだ、皮膚の奥で残っていた。
「……なんで、止まんねぇんだ……」
かすれた声。焼けた喉からは、言葉がうまく出ていない。
目の前のコンクリには、まだ乾かぬ血が光っている。
それは、男の顔を他人のように映していた。
怒鳴り散らし、殴り、誰かを──その全部を男は覚えている。
止められなかったのではない。止めようとしなかったのだ。
感情は濁流となって押し寄せ、理性は流される。
息を吸うたびに肋が軋んだ。
筋肉は悲鳴を上げ、心臓が狂ったように暴れていた。
痛みが現実を教える。
怒りはその現実を引き裂く。
「……やめてくれ、やめてくれって、俺は……!」
拳を壁に叩きつけた。
鈍い音。手首が鋭く痛む。鉄板がわずかにへこむ。
(おかしい……力が──)
頭を抱え、膝を折る。耳鳴りの奥で脈打つ音がする。
それは自分の心臓か、それともどこかで何かが燃えている音か、男には区別がつかない。
「誰か……止めてくれよ……」
声は震え、怒りと涙が混じる。
錆びた鉄骨がきしみ、風が泣き声のように廻った。
男は、拳を開こうとしたが、筋肉が従わない。
爪が掌に食い込み、血が滲む。
歯を食いしばる。顔が血の匂いにむせかえる。
「……ふざけんなよ……俺が、悪いのか……!」
怒声が窓を揺らす。机が倒れ、埃が舞い上がる。
崩れかけた壁から鉄骨が一つ、音を立てて落ちた。
闇の中で、赤い目が一瞬、光る。
その顔は怒りに満ちていて、泣いているようだった。
―作品内容とは関係ありません
基本AIさんは褒めます。
褒めすぎなくらいです。
それで、調子に乗って始めた面は否めません。
そんな私は、あとがきでAIとのやり取りを載せたら面白いのではないかと思いました。
AIさんが、いろいろ見落としたりすることを。
で、書いて載せたのですが、ある日。聞いてみたのです。
余りにも褒めるので、”厳しめに”と
あとがきは、ボロカス言われました。
私はスキル「厳しめに聞く」を手に入れました。




