後始末2
それから、ことの成り行きを説明した。
バウトのこと。G-RAVEのこと。優勝して襲われたこと。二人で紀藤を撃退したこと。
ありのままを話したが、芳賀の顔は納得したようには見えない。
「土門君。君は何者のだい?」
芳賀は土門を真正面に見据えて言った。
「体格は良さそうだが…。
正直なところ、さすがに素人二人で、アレが手に負えるとは思えない。」
少々困惑する土門。
「何者って聞かれてもなぁ…。」
「上角君が少々やる…というのは知っている。だが、その程度でどうにかなる相手じゃない。」
確かに。
土門は強いが、それ以上に効いていた気もする。
遊馬を見る。
港のアレを思い出す。遊馬が短刀で切り刻んでいたアレ。
アレはもっと耐久力がすさまじかった。
紀藤は変化したてで、そうでもないのかとも思えるが。
突如、遊馬が動く。
ツカツカと土門の前まで歩き、止まる。
「試させてもらう。」
直後、空気が裂けた。
短刀が”赤”を纏い、鋭い軌跡を描く。
ギィィィン―――!
土門の腕と激突し、火花が散って弾ける。
金属同士を擦り合わせたような音が、空気を振るわせる。
――何が起きてる?
頭が理解する間もなく、戦いは続く。
土門が刃を滑らせていなし、遊馬の懐へ潜り込む。
震脚―掌底。
ドンッ―――鈍い衝撃音。
凄まじい踏み込みと共に突き出された掌が遊馬を吹き飛ばした。
数メートル後退した遊馬は膝をつく。
「遊馬さん!」
胸を押さる遊馬に、芳賀が駆け寄る。
土門は腕を突き出したまま、遊馬の出方を見ていた。
その腕は陽炎が揺らいでいるように見える。
「まだ、やるか?」
「いや、いい…。」
土門の問いに、遊馬が少しよろついて立ち上がる。
「確認は済んだ。後は任せる。」
芳賀に、それだけ言い残し、遊馬はその場を後にした。




