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藪木vs宇郷2

重い衝撃に突き飛ばされる藪木。

呻くようにたたらを踏む。

蹲りはしないが、上体がくの字のまま動かない。


追い打ちに動く宇郷。

トドメを狙ったその拳が振り落とされる、その時、

宇郷の顔面が跳ね上がる。


アッパー。

下からの垂直に近い軌道。

それが真っ直ぐに突き抜けた。


瞬時に拳の雨が襲い掛かる。

左右から直線の、弧を描く、拳のラッシュが宇郷の顔面を血に染めていく。

反撃をする隙がない。


湧き上がる歓声。


宇郷は、ガードを固めるが、その上から、その隙間から、拳が被弾し続ける。


明らかに藪木のスピードが、パワーが、今までのそれではなかった。

(さっきまでと違いすぎる―――やはり…。)

ドーピング―――噂、疑念は確信を帯びてくる。


藪木の拳にボディブローが混ざる。


そのタイミングで反撃するが、当たらない。

宇郷は、倒れず踏ん張るが、拳の圧力で金網まで追いつめられる。


金網に打ち付けるような拳の嵐。

もう何発だか分からない拳が、宇郷の全身を打ち続ける。


一方的な、滅多打ち。


歓声がどよめきの色を帯びる。

このままだと危ない―――、

そう思ったところで、レフリーが試合を止めた。


二人に仲間が駆け寄る。


宇郷は、顔面を腫らし、ボロボロになりながらも仲間の肩を借りて

自らの足でケージを後にする。


藪木は全身汗だくで荒い息をしたまま、仲間に体を預け、支えらるように退場した。


唸る歓声は、勝者を讃えていただけのものとは思えなかった。

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