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リザーブマッチ後
試合が終わって、土門が金網から出てきた。
「おう、空斗見てたのか。」
土門がこちらに気づく。
試合が終わったというのに、汗をかいているように見えない。
「さっきの…、拳法の技か?」
「あぁ、寸勁だ。」
初めて目にした技だった。
台湾で新しく習ってきたのだろうか。
視線を、また金網のほうを向ける。
フラフラと立ち上がった荒井が仲間に支えられてケージを後にしていた。
「なんで、リザーブマッチに出てんだよ。」
「雁屋に頼まれてな。ギャラも出るし。」
微かに笑みを見せ、周囲を見渡す。
「興味もあったしな。」
土門の視線が背後で止まった。
目をやると、紀藤が観客の間を割って近づいてくる。
「ふん、いい盛り上がりだな。」
満足そうな表情をしている。
土門を見上げる。
「怪我人出たときゃ頼むぜ、土門。」
「あぁ。」
紀藤の視線がこちらに向く。
鋭く、獲物を見定めるような目つきだった。
「で、お前が上角だろ? 雁屋に聞いてる。」
薄い笑みを浮かべながら、肩に手を置いてくる。
「結構やるんだろ。お前もいい試合頼むぜ。」
紀藤は踵を返し、手を振りながらフロアの騒ぎに紛れるように去っていった。




